【ピノ シャルの製法について】

by 株式会社モトックス

最終更新日:2013-07-12

前の台風がかすめていってあと、しばらくは暑さが和らいでいた東京近郊ですが、ここのところすっかり猛暑が戻ってきて、、少々夏バテ気味のM田です。

今回は、いつものお堅い感じを離れて、ざっくばらんな内容でお届けします。

2年連続“日本で一番売れているスプマンテ・メーカー”、サンテロ社の“絶対エース”、「ピノ シャルドネ スプマンテ」についてです。

私のような弱輩者があえてここで取り上げなくても、十分認知されているワインかもしれませんが。。

数あるデイリー・クラスの泡の中でも、今のところ私の舌に最も合っていて、まさに“日常的に”飲んでいるワインが、この“ピノ シャル”です。

↑ 2年前に引越しをしてから開けたスパークリング・ワインの栓の山。

これらのおよそ8~9割ほどがピノ シャル(とピノ ロゼが少し)のものになります。

こんなものを後生大事にとってあったりします。おかげで今回の記事に“説得力”を与えることができました(できてますかね??)。

ご存知の方、いらっしゃるかもしれませんが。。。

↓ こんな“バージョン違い”もあったりします。

で、このピノ シャル、このクラスの泡にしては味わいがしっかりしていて、ほんのり「樽」がのっているように感じ、程よい旨味・コクのようなものも感じます。

ずっと、この辺のことが気になりつつも、基本スタンスとして「(特にオフタイムは)難しいこと抜きに気軽にワインを楽しみたい」と思っている私は、これまで特に“ウラをとる”ことはしなかったのですが、

このたび、少し調べてみました。

サンテロ社のオフィシャルサイトを見てみると、スパークリングの製法についての記述の中に、

“シャルマ方式(でタンク内で二次醗酵をさせている)の期間が長い”のようなことが書かれています。

どうやらこのあたりにピノ シャルの味わい深さの秘訣があるようです。

これを踏まえ、バイヤーにこの疑問を投げかけてみましたら、まさにドンピシャな回答を返してくれました。

『ピノ シャルは現代的な手法のシャルマ製法でつくられていて、しっかりした温度管理の下での長期の“シュール・リー”が可能となり、これによる風味が生まれている』とのこと。

ワインを少し勉強された方なら“シュール・リー”で直ぐに思い出すのは、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ“シュール・リー”ではないでしょうか?

直訳すると“澱(働きを終えた酵母等)の上”の意。

醗酵後のワインを一定期間澱引きせずに澱とともに放置することによる効果としては

1.(密閉された醗酵槽の中で)空気に触れず炭酸ガスも溶け込んでワインはフレッシュに
2.澱(酵母)が(自己)分解されてアミノ酸になったものとの長期接触でワインに旨味が溶け込む

でしたよね。

ちなみに、私が感じていた“木(樽)のニュアンス”については、『ピノ シャルには樽やスティーヴなども一切使われていない』とのこと。

「酵母の種類」と「長期シュール・リー」によって、香ばしいナッツや焼いたパンに加え、こうした“木っぽさ”を思わせるフレーバーも引き出されている、ということのようです。。

「シャルマ方式でつくられる泡はフレッシュ&フルーティなタイプ」というのが従来の認識だったと思いますが、

最近では、イタリア/ヴェネトでも、高級プロセッコメーカーを筆頭に、“長期シュール・リー”を取り入れ、香りや味わいに複雑味や酵母由来のアミノ酸の旨味をしっかり引き出した“より上質なスパークリング”を目指す生産者も増えてきているようです。

それにしても、あくまでも価格的にはカジュアルなレンジにあるサンテロ社が、少しでも、より上級とされるワインの味わいに近づこうとする努力には、並々ならぬものがあるのではないでしょうか。

こういった姿勢が、東の果ての“ワイン激戦区”(?)日本における好成績にも結びついているのかもしれません。

そんなわけで(どんなわけで?)この夏もお世話になってます。

サンテロ ピノ シャルドネ スプマンテ

それにしても、書き終わってみたら、結局なんだか堅苦しい内容になってますね。。

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公開日 :
2012/06/21
更新日 :
2013/07/12
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