進化したマルベックの秘密に迫る!

~テロワールプロジェクト~

by 株式会社モトックス

最終更新日:2015-02-12

チリのおとなり「アルゼンチン」から
チリのおとなり「アルゼンチン」から

写真:設立者のアントニオ・モレスカルキ氏

こんにちは!

最近チリやアメリカ、カナダ・・・いわゆるニューワールドとかつて言われていた地域もぐんとレベルを上げ、
もはや旧・新世界の境目もなくなってきているのではないかと囁かれているワイン界。

今回はそんな新世界「アルゼンチン」にて旧世界をも凌ぐ勢いのワインをご紹介!

アルゼンチンのルビー「マルベック」
アルゼンチンのルビー「マルベック」

写真:マルベック飲み比べ!

みなさま「マルベック」という品種をご存知でしょうか?
知っている方は相当なワイン好きですね!

元来ボルドーの品種と言われていますが、今やアルゼンチンで主に栽培されているぶどう品種です。
特徴としては「黒ワイン」と言われるほどに色が濃く、タンニンも強い味わいに仕上がるためブレンド用に使われることが多い品種でしたが、最近はこの品種のポテンシャルの高さが見直され、チリやアルゼンチンではマルベック100%のワインが造られるようになりました。

今回ご紹介する「アルトス・ラス・オルミガス」というワイナリーでは、マルベックからイメージされる「甘濃い・黒い・ジューシー」というスタイルではなく、品種の本来もつ特徴を土壌ごとに表現した、いわば「進化したマルベック」の作り手なのです。

醸造家??
醸造家??

写真:ワインは醸造家が造るのではない。

写真のアントニオ・モレスカルキ氏が、今や世界中で大人気となったアルベルト・アントニーニ氏と一緒に1995年に始めたのが、「アルトス・ラス・オルミガス」。

マルベックという品種のポテンシャルの高さに惚れ込んだイタリア人の二人は、アルゼンチンでワイナリーを設立します。

当時、良質のマルベックはアルゼンチンには珍しく、樽のしっかり効いたバニラ香の強いものが主流でした。

最初は同様のスタイルを造っていた二人ですが、やがて

「気がつかないくらいの、ほんの小さな気候・土壌の違いが大きな味の差を生む」ということを発見します。

それ以来、ワイン専門の地質学者であるペドロ・パッラ氏をコンサルタントに迎え、土壌(テロワール)との戦いが始まります。

醸造家である彼は
「私は醸造家ではない、テロワールこそが醸造家なのです」
と私達に笑顔で話してくれました。

その背景にはたくさんの苦労があったことでしょう・・・


進化した、新しいマルベック、どんな味でしょう!?
次のページで・・・

まずはメンドーサから!
まずはメンドーサから!

写真:メンドーサ マルベック クラシコ /オルミガス

まずはアルゼンチンの「メンドーサ地域」全域で造られるマルベック。

よくある甘・濃いスタイルではなく、温暖なメンドーサ地域のマルベックをあえて早摘みし、ステンレスタンクで仕上げた、いわば「マルベックらしい果実味を楽しむ」スタイル。

続いてウコ・ヴァレー!
続いてウコ・ヴァレー!

写真:マルベック テロワール ウコ/ オルミガス

メンドーサの中にある冷涼な地域「ウコ・ヴァレー」。
こちらの標高は900m。だいたい兵庫県の六甲山と同じ標高です。

石灰・粘土・砂・礫などの土質で育つマルベック。
それを味わいを添える程度の大樽で30%熟成させます。

味わいは口に含んだ途端に力強いミネラルを感じ、次にプラムやダークチェリーの果実味を感じます。アフターには乾燥したハーブの余韻。

タンニンは丸く、穏やかなので
様々な土質からくる優しさと強さのハイブリッドを感じられるスタイルです。

次はレゼルバ!!
次はレゼルバ!!

写真:マルベック R ヴァレ・デ・ウコ/ オルミガス

こちらは石灰だけの畑!

エッジはマルベックらしからぬ明るい紫色。
バラやポプリのような凝縮したフローラルな香りがグラスに注がれた瞬間から漂います。

味わいは、溢れんばかりのミネラル感がありますが、パワフルすぎず心地良い力強さが持続します。
先ほどのワインとの違いは100%大樽で熟成させる点。
ただ、樽の内側に焼きを入れていないので、あくまでミネラルの角をとる程度です。

最後は頂点!グアルタジャリー!
最後は頂点!グアルタジャリー!

写真:グアルタジャリー マルベック / オルミガス

オルミガスのフラッグシップワイン。

「グアルタジャリー」と呼ばれる標高1500mにある3つのエリアから栽培されるマルベックでを使ったワイン。
土壌は石灰質100%。

口に含むとスミレのような華やかさと強すぎないミネラルの骨格がどっしりと。
やや塩気を感じながらもアフターにプラムジャムのような凝縮した甘みも感じます。

華やかな香りと肉厚な果実味のバランスが素晴らしいタイプ。これはクセになるマルベックです。

マルベックを飲み比べて・・・
マルベックを飲み比べて・・・

写真:土壌の説明中

今までマルベックとは「色の濃い、やや甘濃いワイン」という認識しかもっていませんでしたが、テロワールでここまで変わるマルベックの表情の豊かさに今回は一番感動しました。

バーベキューなどの肉料理と合わせる印象が強い品種ですが、素直にその土地を表現したマルベックは、もはやワインを主役にして飲んでほしいほどです。

その背景には、イタリア人やチリのテロワリスト達がたくさんの穴を掘った苦労がありました。

みなさんも是非マルベックにの美味しさの落とし穴にはまってください!
抜けれなくなるかもしれません!!

お気に入りに登録しました

閉じる

お気に入り登録は「会員限定」サービスです。
お手数ですが下記のリンクより
「ログイン」もしくは「会員登録」してください。

公開日 :
2015/02/09
更新日 :
2015/02/12
Copyright © Wine-Link All Rights Reserved.

20歳未満の者の飲酒、飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。