アントル・ドゥ・メールの宝石ワイン!! ~後編~

モトックスのボルドー仕入担当チームより、とっても美味しい ボルドーワインを2回に亘ってご紹介したいと思います。

by 株式会社モトックス

最終更新日:2015-12-16

今回は後編。ティボー・デスパーニュ氏の造るワインが
どんなワインかをお伝えさせて頂きます。

トゥール・ド・ミランボーには3つのライン(6ワイン)があります。

①スタンダード・キュヴェのレゼルヴ白と赤
②上級キュヴェのキュヴェ・パッション白と赤
③そして、シャトーのフラッグシップ(トップ・キュヴェ)の
 ジロラット白と赤

どれもスタイルの異なるタイプで、それぞれに違う良さがあります。
飲むシーンやその日の気分で飲み分けたいですね!

シャトー・トゥール・ド・ミランボー レゼルヴ
シャトー・トゥール・ド・ミランボー レゼルヴ

写真:「ティボー氏のセミナー風景」

レゼルヴのコンセプトはアロマティックでフレッシュ&フルーティー、
樽はほとんど使用せず(赤のみ一部樽熟成)、カジュアルに楽しめて、
どんなお料理とも合わせやすいワインです。

レゼルヴの白は、ソーヴィニヨン・ブラン&セミヨン&ミュスカデル
の3品種を1/3ずつブレンドしており、ステンレス・タンクのみで熟成しています。

ソーヴィニヨン・ブランはアロマティックで酸味の高い品種で、
ワインにフルーティーさや爽やかさを与えてくれます。

セミヨンはふくよかで丸みのあるボディをしており、口に入れた
時にトロッとしたオイリーさを感じさせてくれます。アプリコットの
ような果実のアロマ、そしてワインにリッチなボディを与えてくれます。

ミュスカデルは皮が薄く、日に焼けたり病気にかかりやすい品種のため
育てるのが難しく、他の品種に植え替えてしまうワイナリーが多いのが
現状です。それを1/3もブレンドしているのは珍しいことなんです。
ミュスカデルは白いお花や胡椒のようなニュアンスをワインに与え、
酸味が低いのでソーヴィニヨン・ブランとブレンドすることにより
酸味のバランスを良くしてくれる、とティボー氏は言います。

この3品種をブレンドしているため複雑味があり、一見フレッシュで
シンプルなワインと思われがちですが、分厚い石灰層からくるミネラル感や
アフターの爽やかさも感じられ、ワインが何層にも重なりあったような
実はとても深みのあるワインなんです。こんなワインがデイリーに
楽しめるような価格で販売されていることは本当に素晴らしい!!!

レゼルヴの赤はメルローが主体で、カベルネ・フランとカベルネ・
ソーヴィニヨンがブレンドされています。赤果実のニュアンスが強く、
口当たりが柔らかく綺麗な果実味を楽しめるワインです。

2012年ヴィンテージより新しい女性醸造家のヴィルジニーさんが
参加し、彼女が入ったことでワインの品質が非常に上がったという
ティボーさん。実際にこの2012年は以前よりもさらに凝縮感や
骨格があり、単なるフルーティーな赤ワインではありません!

レゼルヴ白&赤は一口飲むと唾液が出る→お料理を食べたくなる→
そしてまたもう一口ワインを飲みたくなる・・・の、幸せな(いや、
危険な?笑)連鎖が起こるワインです。「It makes you hungry!」と
ティボーさんが仰っていました^^

シャトー・トゥール・ド・ミランボー キュヴェ・パッション
シャトー・トゥール・ド・ミランボー キュヴェ・パッション

写真:「キュヴェ・パッションの区画の古樹」

キュヴェ・パッションは、レゼルヴより収穫が2週間ほど遅く、
より樹齢の高い樹から収穫したブドウを使用するため、果実味に
凝縮感があり、しっかりとしたボディのワインができるため
樽熟成を行っています。

ティボーさんのモットーは、樽熟成しても果実味が前に出ていること。
白も赤も、果実と樽と酸のバランスが素晴らしく、重厚感があるのに飲み疲れしません。
そして、なんという余韻の広がりでしょう! 
まさに美味しいボルドー、日常生活の中に贅沢な時間をもたらしてくれるワインです。

写真:「キュヴェ・パッションの区画の古樹」

キュヴェ・パッション白はソーヴィニヨン・ブラン主体でセミヨンが
ブレンドされています。熟した洋ナシやパッションフルーツなどの
トロピカルフルーツの果実が感じられ、樽醗酵に由来するスパイシーさ
やクリーミーさもある複雑味のあるワインです。レゼルヴの白よりも
厚みや深みがあり、余韻も長いです。

白身魚のグリルにバターソースをかけたものや、
スパイシーな味付けをした海老料理、豚や鶏などの
白身のお肉料理によく合います。

キュヴェ・パッション赤はメルローが主体で、カベルネ・ソーヴィニヨンと
カベルネ・フランがブレンドされています。レゼルヴより色調が濃く、
黒果実やチョコレートのようなニュアンスを感じます。アルコール度数も
タンニンもより強いため、新樽を使用して熟成を行っています。
ティボーさん曰く、粘土石灰質の土壌から出る湿った石のような
ミネラル感があり、熟成と共に肉を感じるようなニュアンスが出てくる
そうです。今飲んでも楽しめますし、今後10年は熟成のポテンシャルがある
ワインです。抜栓してすぐ飲む場合はデキャンティングすると
ワインが開いてより美味しく楽しめます!牛、鴨、羊などの赤身の
お肉とよく合いますが、今の季節だとジビエ料理とも相性がいいでしょうね!

ジロラット

ジロラットはティボーさんにとってとても特別なワインで、トゥール・ド・ミランボーの畑の最良区画をジロラット用に植え替え、1haあたり1万本というメドックトップの格付ワイナリーのような高密植を行いました。

樹と樹が土壌の水や栄養分を取り合い、
激しい競争が起こるため、根は深く深くまっすぐ下へ伸びていきます。

地中の様々な土壌から養分を吸収するため、ブドウの味に複雑味が出ます。
そして頑張って吸収した養分は茎や葉よりブドウの実に与えるんです。
できるだけ美味しい実をつければ鳥が食べて種を別の土地に落とし、子孫繁栄できますからね!

写真:「ジロラットの畑」

高密植を行った畑のブドウは実が小さく、凝縮感や複雑味のある高品質なブドウとなります。
ジロラットはこの高密植を行った単畑で収穫したブドウのみから造るため、凝縮感や骨格のある、パワフルなSUPERワインが生まれる訳です。
これだけの高密植を行ったのは右岸ではティボーさんが初めてで、あの有名なシャトー・オーゾンヌなどもミランボーの畑を見学しに来られ、同じ様に密植を行ったというから驚きです!

250年前からデスパーニュ家でワイン造りを行っている
アントル・ドゥ・メールという土地を愛し、有名な土地でなくとも、素晴らしいポテンシャルのあるところでは、格付のトップシャトーと肩を並べるほどの最高品質のワインができると信じ、情熱と努力を注ぎこんだ彼の人生をかけたプロジェクトがジロラットのワインなのです!

白も赤も、白粘土の土壌がワインに重厚感と酸味を与えます。
非常にダイナミックで余韻が長く「エネルギーを感じるワイン」と
ティボーさんは言います。
そして、通常は糖度が上がれば酸度が落ちていくのに、ジロラットは完熟果実の凝縮感や高いアルコール度数があるにも関わらず、酸度も高い!
この素晴らしい「コントラスト」こそが
ジロラットの凄さだと熱弁しておられたティボーさん。

赤はメルロー100%、樽醗酵(収穫したブドウをそのまま樽へ)&
樽熟成で造られていますが、ボルドー屈指の格付けワインと
ブラインドテイスティングを行い、プロが採点したところ、
ジロラットが10ワイン中3位という結果も残しているほどです。
まさに格付ワインと肩を並べる、アントル・ドゥ・メールの
グラン・ヴァンと言っても過言ではないワインです!!

飲むと喜びと幸せに浸れるジロラット、
20年以上の熟成のポテンシャルがあります。
スペシャルな機会にぜひオススメしたいワインです♪

長くなってしまいましたが、ご拝読有難うございました。
ワイナリー情報をもっと詳しく知りたい!と思って下さった方は
ぜひ下記もご覧くださいませ。

お気に入りに登録しました

閉じる

お気に入り登録は「会員限定」サービスです。
お手数ですが下記のリンクより
「ログイン」もしくは「会員登録」してください。

公開日 :
2015/12/07
更新日 :
2015/12/16
Copyright © Wine-Link All Rights Reserved.

20歳未満の者の飲酒、飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。