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ドイツ バーデン
ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデン
エリザベス女王・フィリップ殿下を親族に持つドイツの王族
バンアード・プリンツ・フォン・バーデン殿下のワイナリー
- Durbach
900年に渡り愛されるロイヤル・ファミリー

写真:ワイナリーの一つ、シュロス・シュタウフェンベルク城
■バーデンの君主として
バーデン大公国の君主として、20世紀初頭までの約900年間に亘りバーデンの地を統治してきたロイヤル・ファミリー。英国王室、スペイン王室、ギリシャ王族、モナコ公国などヨーロッパの王族と姻戚関係にあり、君主としての役割を終えた現在でも人々に尊敬の念とともに、大変愛されているファミリーです。
現在は所有する城の一部を大学として開放する一方、3つの城でそれぞれのテロワールを活かしたワイン造りを行っています。
■銘醸地、黄金の村ドゥルバッハ
ワイナリーの一つ、シュロス・シュタイフェンベルクでは、最も古い記録によると、882年にピノ・ノワールが栽培されていたという記載があり、1000年以上にも亘りピノ・ノワールの銘醸地として知られています。この地はまた優れたリースリングを育むテロワールとしても憧れの的となっています。城の一部はまた、レストランやワインバーとしても開放され、市民の憩いの場にもなっています。
気さくな人柄で愛される現代のプリンス

写真:オーナー バンアード・プリンツ・フォン・バーデン殿下
バーデンの発展を常に心に留め、公務を務める若きプリンス。
「自分が出ることでバーデンのこと、また素晴らしいこの地のワインが少しでも知ってもらえるなら」と、自らマーケティングの場にも積極的に参加されます。ローマ時代から王侯貴族が集う豪華な温泉リゾートとして知られるバーデンはまた、競馬も盛ん。日本とも深い交流があり、記念杯の贈呈などで来日されることもしばしばです。
“ワインは仕事以上のものを与えてくれる”

写真:醸造家 アヒム・キルヒナー氏
最適な区画でクオリティを求めるのが醸造家のアートと考えるキルヒナー氏。
祖父も醸造家であり、若い頃は醸造とソムリエのディプロマを修めました。ここシュロス・シュタウフェンベルクはリースリングとシュペートブルグンダーのみ栽培。「自分にとってワインは仕事以上のもの。ワイナリーの全ての仕事、ワインを造ること、そして長く受け継がれたワインという文化に触れることが最高の喜び」、と語ります。
自然な農法を第一に心がける

写真:息を飲むほど美しい畑の様子
■誰もが憧れるテロワール
「黄金の村」と謳われ醸造家であれば誰もが一度はこの地でワイン造りをしてみたい、と思うほど憧れる見事なテロワール、ドゥルバッハ。斜面に広がるのは最高の場所で、最適の区画を見極めて栽培されるリースリングとピノ・ノワールの2品種。
ワイナリーでは、伝統的な栽培、つまり自然を尊重する栽培を心がけており認証は取得していませんがビオロジックで栽培を行っています。
ブドウの房を半分に切ってしまう!?
マルク・グラフ・フォン・バーデンでは、ブドウの成熟を最高の状態にして凝縮感を高めるために全てのブドウの房を早い段階で半分に切ってしまう、という驚くべき作業を行っています。
収量は下がりますが、品質のためにはこうした大胆な作業も厭いません。
手を加え過ぎず、テロワールを表現する

写真:整然としたセラー
「あくまでワイン造りに徹しますが、ワインメーカーという言葉は私たちにはしっくりときません。ワインは作るものではないからです。
ドイツは大量に物を作る事が多く、考え方が工業的な生産者も多いです。ボトリング工場がドイツに多いのもその理由の1つです。マルクグラフ・フォン・バーデンはあくまで一造り手であり、小さい規模で、手摘みで丁寧に収穫、畑・ブドウありきの考え方は、手を加え過ぎず、バーデンのブドウをそのまま表現する事を哲学としています。」
品の良さと風格あるラベル

写真:絶景をそのまま表現
バーデン家の紋章をあしらったラベルには、それだけで長い歴史が感じられます。金箔の中にワイナリーの景色そのものを修めたソーヴィニヨン・ブランのラベル(写真)は、中でも美しい輝きを放っています。900年以上も存在し続けるこじんまりとした山城、その下に広がる畑、はるか遠くにはアルザスを見据える、ワイナリーのテロワールが感じられる美しいラベルです。
山城の強み!天気を読む

写真:城の頂きから遥か西を望む。城からはあらゆる変化が見える
■数時間後の天気を読む
丘の上にある為、周りの天気が良く見える。
アヒム氏は、城から数キロ離れた地点を指差し、
「あの場所で雨が降っている時は、この城から確認できる。その場合ここでは2時間後に雨が降るんだよ」との事。
昔からワイン造りをしているので、土地の気候のデータがある強みがあります。
そして、畑には40年以上の熟練の栽培家がいるそうです。いま70歳くらいですが、彼は空と風から天気を読み、畑の管理に適切な指示を出す達人だそうです。
畑には常に風が吹いている

■風のおかげで菌が付き難い
シュロス・シュタウフェンベルク城を頂に広がる畑には、常に風が吹いているため、菌が付き難い環境にあります。
ワイナリーの代表品種であるピノ・ノワールにもボトリティス菌が付いてしまう事がありますが、ブドウにとっては貴腐菌にならない限り、通常は毒でしかありません。そのため、畑の上部から吹き下ろしてくる風は菌を付けない為にも非常に重要です。品種に最適な区画を選ぶワイナリーでは、ピノ・ノワールは常に頂の最上部に栽培されています。
氷の湖 ~狭い区画はミクロクリマの宝庫!

■複雑なミクロクリマ
頂上から見てみると、畑の斜面が複雑に入り組んでいるのがわかります。
頂上付近の気温が-5℃の時、底近くでは-10℃から-15℃と気温差が激しい。底部にあるこの付近はあまりの冷たさから「ICE LAKE(氷の湖)」と呼ばれています。
ワイナリーではこのような複雑なミクロクリマを操り、
・斜面の方角でも日照量が変化する、また斜面と斜面がぶつかっている底の部分は特に風の吹き降ろしが強いなど場所によって環境が異なる為、区画毎に植える品種を選別する
・すり鉢状になった畑の底部分には小川が流れている所があり、貴腐菌にも微妙な影響を与えるため、年によってはアイスヴァインを造るといった工夫をしています。
収穫後、すぐに圧搾!
■畑の恵まれたロケーション
黄金の村を一望する丘の上の城!黄金の村ドゥルバッハを一望する事ができる高い丘に、シュロス・シュタウフェンベルクはあります。城(兼、醸造所)を頂にして目の前に広がる畑。丹念に手入れをしたブドウを最高の状態で醸造できるのは、畑が醸造所から至近距離という強みによるのです!
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