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オーストリア ニーダーエステルライヒ
ヴァイングート・グラッスル
赤ワインの産地カルヌントゥムで話題の若手生産者
- Am Graben 4-6, 2464, Gottlesbrunn, Carnuntum, Austria
ツヴァイゲルト種の赤ワインで期待を集めるワイナリー
写真:手入れの行き届いた畑
ウィーン南東部に位置するカルヌントゥム地方にある22ヘクタールほどの小さな家族経営のワイナリー。オーナーのグラッスル家は村でも最も古い歴史をもつ家系です。エステイトの歴史は18世紀まで遡りますが、当時はブドウ以外にも様々な農作物を栽培していました。1998年、3代目で現在のオーナーであるフィリップ氏の代になってから改革が進み、ワイン造りに専念するために現在の醸造所を設立し、名称を「ワイングート・グラッスル」に改めました。以来、本格的な品質志向のワイン造りに励んでいます。
非常に良く管理された小さな畑には、現在のオーナーである若きフィリップ・グラッスル氏のまっすぐで素直な性格が良く現れています。ワイナリーでは赤ワインの生産が80%以上で、その約半分を地ブドウのツヴァイゲルト種が占めています。彼のワインは「親しみやすい」という言葉がぴったりですが、同時に洗練された国際レベルの高い品質を兼ね備えていることで知られます。
ドイツ圏の主要ワイン評価誌、ファルスタッフ(ドイツ)やヴィナリア(ブルガリア)では、4ツ星を獲得、また2007年にはファルスタッフの赤ワイン部門で賞を獲るなど、カルヌントゥムを代表するワイナリーとして注目を集めています。
良質の赤ワインで注目を集める新進気鋭の醸造家
写真:オーナー兼醸造家 フィリップ・グラッスル氏
家族経営のワイナリーの3代目として、1998年、なんと19歳の若さでエステイトの運営を任されたフィリップ・グラッスル氏。オーストリアの大学で醸造学を修めた後、自らのワインの理想を探し求めて、世界中のワイナリーを訪問。その後カリフォルニア、ソノマのワイナリーで修業を積みました。
自ら栽培及び醸造責任者として従事するフィリップ氏は、「自分の目が行き届くサイズ」を理想とするため、畑を大きくすることに興味はありません。自然体で心地の良いワインは、まさに彼の人柄そのもの。オーストリアの地ブドウ、ツヴァイゲルト種やザンクト・ラウレント種の赤ワインで、今、注目を集める新進気鋭の造り手です。
造り手の情熱、テロワールの特徴を注ぎ込んだワイン
写真:情熱家のフィリップ氏
フィリップ・グラッスル氏の赤ワインは、柔らかく自然体、かつ分かりやすいだけでなく飲みごたえも備えたワイン。クオリティーの高さを感じさせるその造りの背景には、「ワインに対する情熱や自分の人間性、そして土地の特徴を注ぎ込みたい」という強い意志があります。
夏はオーストリアでも最も高温!
写真:カルヌントゥム地方と気候分布
ワイナリーのあるカルヌントゥム地方は、ウィーンの南東部、スロバキアと国境を接するワイン産地です。ここでは、ウィーンの森と丘陵地により大陸性気候の影響は弱まり、隣国ハンガリーのパノニア平原から来る熱波(パノニア気候)が吹き込むため、夏は非常に暑く乾燥します。逆に冬はマイナス20度にまで気温が下がり、平地部分ほど夏と冬の温度差が激しいのが特徴です。
温暖化の影響もあり、赤ワインの生産量が増える傾向にあるこの産地にあって、ワイングート・グラッスルでは赤ワインの栽培は90%近くまで高まっており、「赤ワインの造り手」として話題になっています。クオリティワインを造る若きフィリップ氏らの台頭により、カルヌントゥム地方は優れた赤ワインの産地としても、近年注目されています。
環境に配慮したブドウ栽培を徹底
写真:美しい畑
1995年にオーストリアがEUに加盟したのちにできた、政府発案の環境プログラム「OPUL」に参加。環境に配慮したブドウ栽培を徹底しています。
<栽培比率>
■黒ブドウ80%
ツヴァイゲルト50%、25%ピノ・ノワール&ザンクト・ラウレント、残りがブラウウレンキッシュ、メルロー他
■白ブドウ20%
フィリップの情熱が詰まったツヴァイゲルト!
写真:畑は努力のたまもの
■ツヴァイゲルト種
ツヴァイゲルトはオーストリアの代表品種、ブラウフレンキッシュとザンクト・ラウレントの交配品種で、1922年にツヴァイゲルト教授により誕生した黒ブドウです。多産な品種で土壌を選ばず病気にも強いため全国的に広がった品種で、現在ではオーストリアで最も多く栽培されています。なかでもワイナリーのあるカルヌントゥム地方は、オーストリアでも夏場は最も暑くなる土地(域ハンガリーのパノニア気候の影響を強く受けるため)であり、そのため、近年、ツヴァイゲルトをはじめとする黒ブドウの栽培が劇的に増えています。この品種は、チャーミングな果実味が特徴です。
■ヴァイングート・グラッスルのクオリティ
クオリティワイン造りをモットーとするワイナリーでは、非常に丹念な栽培が行われますがグリーンハーヴェストもその一つ。多産なため、品質を上げるためには重要な作業で、夏場に収量を50-60%も落とすことにしています。結果、一本の木に残るのはわずか6つほどの、もっとも状態の良い房だけとなります。
また、果皮は厚いものの湿度や雨の多い年には簡単に破裂してしまうため、畑にハーブや花、雑草を植えて畑の活力を程よく抑えるとともに、強い太陽の日差しから土壌が疲弊するのを防ぐようにしています。こうすることで、小さな果実、果粒がまばらで低収量のツヴァイゲルトを収穫することができます。
こうした小さな努力を積み上げれば完璧なツヴァイゲルトができますが、その作業を怠り収量を上げてしまうと(そしてツヴァイゲルトはそうなり易い)、水っぽく個性のないワインになってしまうのです。
非の打ち所がないほど完璧に管理されたセラー
写真:塵ひとつ落ちていないセラー
破砕からボトリングまで非の打ち所がないほど完璧に管理されたセラーで、ワインは細心の注意を払って造られており、ろ過されることもほとんどありません。
白ワインと土着品種の赤ワインは、ステンレス・タンクか、大型オーク樽で醗酵、熟成が行われます。プレミアムクラスの赤ワインは、開放樽で天然酵母による醗酵。定期的にピジャージュを行います。熟成は凝縮した黒系果実のアロマを整えつつ、過剰にならない程度に樽由来のストラクチャーを与えるため、フランス産樽を使用(大部分が新樽)しています。一貫して、テロワールをしっかりとワインに反映できるようなワインづくりを行っています。
高評価続出!
写真:評価記事
■ファルスタッフ誌 「2012年」高評価ワイン続出(写真)
■SALON「2011年」 Rubin Carnuntum Zweigelt 2009が最高賞受賞!
■ファルスタッフ誌 「2007年」赤ワイン部門賞」獲得!
水はけのよいローム質土壌
石灰を多く含むローム質、砂利(第三紀)で、非常に水はけの良い土地。
口コミ
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