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「シャトー・コス・デストゥルネル」
メドック格付第2級でありつつ、スーパーセカンドの筆頭といわれる所以は・・・
by 株式会社モトックス
最終更新日:2015-11-16
目次
良いものを取り入れて。

写真:フラン・・・ス・・??
シャトー・コス・デストゥルネルといえば、ワイン好きなら聞いたことのあるボルドーの銘醸シャトー。
メドック格付け第2級でありますが、常に前進する姿勢はどの時代でも変わりません。
例えば、上の写真のシャトーの外観。
なんだかボルドーのシャトーっぽくないですよね。
実ははるか昔、ボルドーの伝統的な販売方式から脱却した彼らは、自らワインを輸出し始めます。
その際ボルドーからインドまで船で売りに出かけました。
そこで出会ったインドの建築様式に感動し、シャトー建築の際にインド建築を取り入れたそうです。
エキゾチックかつエレガントな外観ですね!
メドック地区サン・テステフ

写真:コス・デストゥルネルの畑
メドック地区にあるサン・テステフはコス・デストゥルネルやシャトー・モンローズなどの2級シャトーがあるエリア。
表土は軽いながらも、下層に粘土と石灰質がある土壌で、豊かでストラクチャのしっかりとしたワインが造られるエリアです。
実は一級のとなり

写真:CEO エメリック・ド・ジロンド氏
サン・テステフにあるコス・デストゥルネル。実はポイヤックのすぐ隣。川を挟んですぐそこにシャトーラフィットがあります。
ラフィットの土壌は粘土、砂、砂利質の絶妙な混ざり合いの中で生まれるカベルネ主体のワインとなりますが、コス・デストゥルネルの特徴は「砂利」。
砂利を中心とした様々なテロワールと、サン・テステフのもっとも南というユニークな場所のため、複雑味がありながらパワフルすぎないエレガントな味わいになるそうです。
全てにおいて強すぎずしなやか。

写真:シルキーで緻密なタンニンも特徴
12 コス・デストゥルネル・ブラン
12 グレ・バイ・コス・デストゥルネル
09 レ・パゴド・ド・コス
とシャトー・コス・デストゥルネルを垂直で試飲。
12 コス・デストゥルネル・ブラン

写真:ボルドー最北端の畑
コス・デストゥルネル。もちろんボルドーの様々なエリアに畑を所有しています。
この白ワイン用の葡萄が採れる畑は、ボルドーの河口付近。
最も北であり、海に近いエリア。
味わいはアプリコットなどの黄色果肉の豊満なボディに、塩気を感じるミネラルがアクセント。樹齢は35年前後の葡萄で新樽7%だけ熟成させるそうです。
2012年とは思えない、素晴らしく円熟した味わい。
09 パゴド・ド・コス

写真:パーカーポイント100点!(2009のファーストラベル)
「市場ではセカンドワインと呼ばれているが、そう呼んでほしくない」と熱く語ったエメリック氏。
パゴ専用の畑からとれた上質な葡萄のみを使用。
カシスやブラックベリーの果実味に、杉やメントールを思わせるひんやりとした口あたり。鼻に抜けるスモークの香りが上品で、アフターにはカルダモンやホワイトペッパーなどのスパイシーさを感じる味わい。
骨格がしっかりしており、まだまだ熟成の楽しさがあるワイン。
エメリック氏いわく「良いvintageほどセカンドワインを買うべき」とのこと。納得です!
【垂直】シャトー・コス・デストゥルネル06’

写真:冷涼な年2006年
すでにエッジがオレンジがかったエンジ色になっており、熟成が始まりつつあることを感じさせます。
ラベンダーやポプリなどのフラワリーな香りに、ドライプラムの果実味。ホワイトマッシュルームやシガーの芳しさが鼻を抜け、シルキーかつ鉄分を感じるアフターが特徴。
まだタンニンの骨格がしっかりあるので、これから熟成していくワインなんでしょうね。
まだまだ力強かったです!
【垂直】シャトー・コス・デストゥルネル89’

写真:暑い年ほど良いワインができるコス・デストゥルネル
とても暑かった1989年。
26年前とは思えない、しっかりと感じる黒果実の完熟した甘み。
ブラウンがかったレッド。
ドライポプリやトリュフ、古い革のような、熟成によって得られる独特の香しさ。
果実味は穏やかになりつつあり、きめこまかくてシルキーなタンニンが、より熟成の旨味を引き出しています。
ここまで熟成したボルドーワインを飲ませて頂いたことは初めてでしたが、何かの味わいだけが秀でることがなく、すべてにおいて調和し、タンニンはシルキーに、それによって生まれる旨味。忘れられない1杯となりました。
スーパーセカンドの筆頭といわれる所以は、熟成することでより発揮されるのかもしれません。
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