【ざっくり解説版】ワインのおいしい温度

ワインをおいしく飲むにはワインの温度も大事です。 今回は、ワインのおいしい温度について、ざっくりと説明してみたいと思います。

by Wine-Link

最終更新日:2023-08-22

ワインをおいしく飲むには?

ワインの仕事をしていると、「おいしいワインってどれ?」という質問をよく聞かれます。もちろん、みんなおいしいワインに出会いたいですよね。

でも実は、『おいしいワイン』を見つけるのと同じぐらい大切なのが、『ワインがおいしく飲めるようにすること』なのです。

おいしく飲むためのポイントとして、『合ったワイングラス』と、『おいしい温度』が大きいのですが、今回は『おいしい温度』について紹介してみたいと思います。




その1 スパークリングワインは『キンキン』に

スパークリングワインは、必ず冷蔵庫で冷やしておきましょう。冷蔵庫には最低でも2時間前、できれば半日前には入れておくとしっかり冷えます。

そして、テーブルに出した後に、氷水のたっぷり入ったワインクーラーに10分程入れて、更にしっかり冷やしてからグラスに注ぎましょう。

注いだ後も、ボトルは氷水の入ったワインクーラーに入れておいておくのがベストです。

写真:【しっかり氷水で冷やそう】



温度が上がると、スパークリングワインにとって大事な泡が抜けやすくなります。また、泡のキメも粗くなり、口に入れた時に泡が『もわん』とした感じになりがちです。

それに対して、きっちり冷やしておくと、泡の持ちがよくなり、キメも細かくなります。

コーラやソーダなどの炭酸飲料の温度の高い時の感じを思い出してもらうと分かりやすいですね。


その2 高額のスパークリングワインは『程よくキンキン』に

ただし、5,000円を超すシャンパンなどの高額のスパークリングワインは、冷やし過ぎないのがベターです。

高額のスパークリングは味わいや香りの広がりが大きいのですが、冷え過ぎているとその力が出し切れずに終わってしまいます。「なんや、高いのに大したことないやん。」で終わっちゃう訳です。

冷蔵庫でしっかり冷やしておいた後、飲み始める少し前にテーブルに出し、そして、出した後はワインクーラーに水を入れずに氷だけを入れた状態にボトルを載せておくのをお勧めします。


写真:【写真はさっきと同じスパークリングです。すみません。】

温度で言うと、高額のものは、低価格のものよりも2~3℃程高めが良いのですが、温度で考えるのもなかなか難しいので、私はこんな感じで管理しています。


その2 白ワインも、基本きっちり冷やす

白ワインも、基本、冷蔵庫できっちり冷やしてからテーブルに出しましょう。
(甘口のものを除く)

そして、その中でも1,500円以下位のものは、しっかり冷えている方がおいしいことが多いので、テーブルに出した後もスパークリングワインと同じく、氷水のたっぷり入ったワインクーラーに入れておくのがベストです。

1,500円以上のものは、そこまで冷やし過ぎない方が良いので、ワインクーラーにしばらく入れて、しばらくしたらちょっと出しておいて、というのを繰り返しておく感じです。ちょっと雑な説明ですが。。。

甘口の場合は、お値ごろなスパークリングワインのように基本、きっちり冷やすので良いでしょう。



その3 赤ワインも、少し冷やす

『赤ワインは常温で』、というのが広く浸透していますが、実は赤ワインも少し冷やした方が無難です。

常温でいけたのは昔のフランスなどのヨーロッパでの話ですね。常温では、夏はクーラーをつけていても他の季節に比べて気温が高いですし、冬も暖房で気温が高めになってしまいます。

赤ワインでも冷蔵庫に飲む2時間前、できれば半日前には入れておくのが良いです。

そして冷やしておいたワインは、1,500円以下のものなどは飲む直前に冷蔵庫から出し、それより高額のワインなどは、30分程前に出しておくと良いでしょう。

冬は暖房の効いていない廊下に置いたりしても良いのですけどね。※極寒地を除く(笑)

赤ワインの前に、スパークリングワイン、白ワインを飲む場合は、スパークリングワインや白ワインを飲むタイミングで一緒に冷蔵庫からテーブルに出しておくと、良い感じになります。

その4 適温より高すぎより、冷え過ぎの方がベター

全般的に、適温より高すぎるよりも、冷え過ぎている方がベターです。

冷え過ぎてしまっていたとしても、グラスに注いでから、飲むタイミングをほんのり遅めにしたり、手をグラスに当てたりすることで、温度を上げることは簡単です。

それに対して、グラスに注がれたワインが適温より高かったら、もう戻れません。



適温でないと、どうおいしくないの?

ちなみに、適温でないとおいしくないというのはどんな感じなのでしょうか?

具体的に例を挙げてみます。

 「スパークリングワインをぬるいまま飲むと、泡が粗く、口の中でもわっとする。」

 「カジュアルな辛口の白ワインをぬるくして飲むと、酸味がダレた感じになる。」

 「カジュアルな赤ワインをぬるくして飲むと、べたっとした果実味に感じられる。」

 「高額の白ワインをきっちり冷やして飲むと、ボリュームがなく、香りが広がらない。」

 「高額の赤ワインをきっちり冷やして飲むと、渋みや酸っぱさが目立つ。」

 
こんな風に、ワインが力を発揮できない感じになりがちなのです。


写真:【泡の状態が変わります】

参考までに適温リストを

一応、参考として、ワインのタイプごとの適温の一覧を載せておきます。

  スパークリングワイン、甘口ワイン  … 6~8℃
  スパークリングワイン(高額のもの)… 8~12℃
  白ワイン … 6~12℃
  白ワイン(高額のもの)… 10~14℃
  赤ワイン … 12~15℃
  赤ワイン(高額のもの)… 14~17℃


写真:【ワインクーラーが無ければ、鍋でもよし】

まとめ

少し温度に気を使うだけで、ワインをよりおいしく飲むことができます。今回は、かなりざっくりと説明したのですが、よかったら参考にしてみてくださいね。

また、実験的に同じワインを温度を変えて飲んでみるというのも面白いですよ。


投稿者

  • 山崎 久美子

    ・ソムリエエクセレンス(JSA認定)
    ・SAKE DIPLOMA(JSA認定)
    ・DIPLOMA LEVEL 3(WSET認定)

    ワインの輸入商社でバイヤー職を経て、現在は、ワインのなんでも屋をちみちみとやっている。

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公開日 :
2023/08/21
更新日 :
2023/08/22
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