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【ざっくり解説版】アメリカのワイン産地
ワインの本場、フランスやイタリアに並ぶクラスの銘醸ワインも生み出しているアメリカ。 今回はアメリカの産地について、ざっくりと解説をしていきたいと思います。
by Wine-Link
最終更新日:2023-09-01
目次
高級ワインからカジュアルなワインまで
ワイン造りの歴史が比較的浅い国の事を、『ニューワールド』と呼ぶのですが、恐らくそのニューワールドに属する国の中で、銘醸ワインを最も多く生み出しているのがアメリカです。日本で銘醸ワインとして有名なワインのひとつ、『オーパス・ワン』もアメリカのワインです。
アメリカが成功している要因としては、ニューワールドはその傾向が強いのですが、法的な規制が少ない事、世界的にも権威であるカリフォルニア大学デービス校での世界最先端のブドウの栽培、ワインの醸造の研究結果が生かされている事などが考えられます。
また、かつてフランスの銘醸ワインには他の国はかなわないとされていたのですが、1976年、フランスワインとアメリカワインがブラインドテイスティングで対決した際に、アメリカのワインが大勝した事も、アメリカワインが躍進するきっかけとなりました。
(※この事件とも言える驚きの出来事は、『パリ・テイスティング』と呼ばれています。)
アメリカの主な産地は4つ
さて、広大な大地、アメリカ。
西海岸の代表的な都市サンフランシスコから、東海岸の代表的な都市ニューヨークまで飛行機で6時間前後もかかる位広い国です。(※ちなみに那覇から新千歳で3〜4時間)
アメリカの50州のほとんどの州でワインは造られていますが、主な産地は、次の4つです。
-カリフォルニア州
-オレゴン州
-ワシントン州
-ニューヨーク州
最初の3州は西海岸に位置しており、ニューヨークだけが東海岸に位置しています。
写真:ニューヨークは東海岸といっても、ほとんど海岸沿いじゃない
その中でも、とにかくカリフォルニア州
4つ挙げた主なワイン産地の中でも、突き抜けて、生産量も日本での販売量も多いのが、『カリフォルニア州』です。
アメリカのワインの生産量の80%ほどがカリフォルニア州で造られています。日本の店頭で見るアメリカワインも5本に4本はカリフォルニア州じゃないかな、と思われます。
(※個人の感想)
カリフォルニアと言うと、パームツリーが立ち並ぶ明るいビーチの景色を思い浮かべる方が多いように、基本、温暖で日照に恵まれた地域です。ブドウがよく熟しますね。
加えて、カリフォルニア海流という太平洋岸を流れる寒流が、海岸側に良質なワイン造りに適した程よい冷涼な気候をもたらしています。
写真:昭和な私はビバリーヒルズのイメージ
カリフォルニアの銘醸地は『ノース・コースト』&『セントラル・コースト』
地図を見てもらうと分かりますが、カリフォルニア州は西海岸側に、南北に長く広がって位置している州です。
その中で、銘醸な産地として名高いのが、『ノース・コースト』と『セントラル・コースト』です。
写真:ロサンゼルスとサンフランシスコの位置を覚えておくとつかみやすい
『ノース・コースト』はサンフランシスコの北の沿岸部に広がり、『セントラル・コースト』はサンフランシスコの南からロサンゼルスにかけての沿岸部に広がっています。
カリフォルニアの銘醸地は基本、沿岸部に広がっている、と覚えておきましょう。
内陸の肥沃で広大な大地では、大手ブランドの比較的リーズナブルなワインの生産が中心です。
ノース・コースト (in カリフォルニア州)
まず、『ノース・コースト』を見てみましょう。
ノース・コーストにはカリフォルニアの中のみならず、世界的にも有名な銘醸地、『ナパ・ヴァレー』と、『ソノマ』があります。他に比べ全体的に銘醸ワインが多く造られています。
写真:ナパ・ヴァレーの方が知名度は上だな
『ナパ・ヴァレー』は、濃厚で力強さが特徴で、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が多く、加えて、メルロー、シャルドネ、ピノ・ノワールなども多いです。
この地域で造られる、希少性が高く、なかなか手に入らないワインは、『カルトワイン』と呼ばれているのですが、世界的に高値で取引をされています。オーパス・ワンが造られているのもここです。
寒流が元となった霧の影響もあり、より冷涼な『ソノマ』では、ピノ・ノワールやシャルドネなどを使ったエレガントなワインを中心に高い評価をされています。
どちらの産地もサンフランシスコから車で1時間半ほどで訪問する事が出来、ワイナリー観光としても大変人気があります。
セントラル・コースト(in カリフォルニア州)
次は、『セントラル・コースト』です。
セントラル・コーストは南北に400㎞程もある広大な産地です。
写真:カリフォルニアの『中央海岸』
北部や沿岸はピノ・ノワールやシャルドネなどを使った冷涼スタイルのエレガントなワインが造られており、内陸に入ると、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ジンファンデル、シラーなどの品種を使った凝縮感のあるワインが中心となります。
オレゴン州
カリフォルニアに次いで知名度があるのが、その北に位置するオレゴン州の産地です。
冷涼な気候から造られるピノ・ノワールのワインは世界からも注目されており、オレゴンの栽培面積の半分以上を占めています。
産地は、主にオレゴン州の沿岸部に広がっています。小規模な生産者がほとんどです。最大かつ最も知名度のある産地は、『ウィラメット・ヴァレー』。
写真:それにしても、ずいぶん四角いな、オレゴン州
ワシントン州
オレゴン州の北の隣、カナダと国境を面しているワシントン州。シアトルのある州ですね。現在、生産量としてはカリフォルニアに次ぐ第2位で、まだまだ躍進中の産地です。
カリフォルニアもオレゴンも沿岸部がワイン産地の中心でしたが、ワシントンの産地の中心となるのは、内陸の川沿いを中心とした地区。
寒暖差があり、乾燥した内陸の地で質の高いワインが造られています。果実の凝縮感に加えてキレのある酸があるスタイルのワインが多く造られています。
ブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルロー、といったアメリカのメジャーな品種に加え、リースリング、ピノ・グリなどの栽培が多いのも特徴です。
写真:コロンビアの中にヤキマとワラワラが含まれている
ワシントンの有名な産地は、『ヤキマ・ヴァレー』『ワラワラ・ヴァレー』『コロンビア・ヴァレー』です。『ヤキマ、ワラワラ、コロンビア。』って音感的にいい感じです。
ニューヨーク州
最後にニューヨーク州。
大都会ニューヨークのある州でワイン造り、というのがちょっと意外かもしれませんね。でも実は、生産量はカリフォルニア、ワシントンに次いでアメリカ第3位で、オレゴンよりも多いのです。
ニューヨークという街に近い事もあり、観光も合わせて急速に発展しています。現在、注目のワイン産地です。
写真:川が指(フィンガー)のように見える産地。見える?
栽培地は、ハドソン川沿いと、内陸の湖の周辺に広がっています。最も生産量が多いのは、カナダ国境の近くに位置する『フィンガー・レイクス』。
冷涼な産地なので、白ワインの生産比率が比較的高く、どっしりとしたスタイルというより、料理に寄り添ったようなスタイルのワインが多いのが特徴です。
まとめ
以上、ざっくりと解説してみました。
簡単にまとめますと、アメリカのワイン産地は、
☆主な産地は、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、ニューヨーク
☆カリフォルニアの主な産地は、ノース・コーストとセントラル・コースト
☆カリフォルニア、ノース・コーストには銘醸地、ナパ・ヴァレーとソノマがある
というのをまず、基本として覚えておきましょう。
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