~魅惑の甘口ワイン~
フランスは南西地区ジュランソンの至宝「ドメーヌ・コアぺ」へ先日、Dが訪問して参りましたのでレポートです。
まずフランス南西地区のジュランソンと聞いて、あまり馴染みがない方も多いと思います。
ワイン栽培面積は1300ha(ボルドー栽培面積の1%未満!?)とフランスの中でも小さいワイン産地になります。甘口ワインが有名で、ソーテルヌの貴腐ワインとは異なり、ピレネー山脈から乾いた風でパスリヤージュ(ブドウを乾燥させて糖度上げて甘口ワイン作る方法)を行っております。
そんなジュランソンでヨーロッパ中の三ツ星レストランにオンリストされているのが、ドメーヌ・コアペです。
ワイナリーの創設は1980年。なんとオーナーのアンリ・ラモントゥ氏がたった一代でジュランソンのスターワイナリーへと登り詰めました。
今回の訪問ではアンリ・ラモントゥ氏が直々に我々をご案内して頂きました。
実はDここのワインのファンでもあるのでドキドキ・・・
そもそも酪農や穀物の農家に生まれた彼がなぜワイナリーを始めたのか?
それは彼がブドウの香りがたまらなく好きで自分でブドウを育てて見たかったということです。そしてワイン造りをしなければ普段出会うことのできない人に沢山出会えたことが自分の財産とも語っていました。なんか素敵ですね☆
同氏は独学でワイン造りを学び、今日の名声を得ました。酸が高く、パスリヤージュをした独自の甘口スタイルを完成させた彼の探求心は尽きることはありません。
今後はニュージーランドでワイン造りをしている同氏の息子さんをインスピレーションに現在は辛口のワインにも力を入れているとのことです。
フランスの南に位置するジュランソン。
ピレネー山脈からは乾燥した暖かい風が吹き、フランスの産地の中でも温暖な気候になります。この環境とブドウのキャラクターでブドウの木は非常に大きいです。
今回、Dももちろんプティマンサン・グロマンサンの畑を見ましたが、想像以上にスケール大きな畑でした。写真の畑は現在、誘引の作業を終えてブドウがカビないように柔らかい枝をわざと上へ伸ばして固定しています。
それにしても大きい…
誘引の作業も一苦労ですね…
冬の収穫時期にならないと見られないパスリヤージュのブドウ。
実際どのようになっているか想像が付かない部分もあったのですが、オーナーの「粋」な計らいで昨年収穫したパスリヤージュのブドウの粒を見せて頂きました。
そもそもパスリヤージュは収穫してからブドウを干すことが多いです。
簡単に言いますと、レーズンにして糖度を上げるということ。これをコアペはブドウを収穫せずに水分を飛ばしてレーズンにして行きます。
写真では萎れた粒があると思いますが、これがまさにパスリヤージュされたブドウになります。
現在のワインのライナップを試飲させて頂きました。
やはりプティマンサンに重きをおいている同ワイナリー。
アタックから来る、柑橘系のしっかりとした酸が印象的でした。
そしてオーナーの計らいで熟成された1999年のフォーリ・ド・ジャンヴィエ(コアペが造る、甘口のトップ白ワイン)も試飲させて頂けました。
熟成されたことでより凝縮されてトロッとした甘みもありますが、アタックではまだまだフレッシュな酸も感じられました。恐るべし…
こちらのワインは取扱いがないですが、カンテサンスでも10年以上は軽く熟成に耐え得るポテンシャルを持っているとのことです。
皆様のセラーに是非とも一本如何でしょうか?