真剣!シンケン大検証!!

~ドイツで実証!生ハムワインのマリアージュ~

by 株式会社モトックス

最終更新日:2015-09-17

ドイツといえば・・・

どうも、ドイツ在住、てんどーねです。ヨーロッパ的(そして時にはヨーロッパに住む日本人的)なワインの楽しみ方、小ネタなどをお送りさせていただいております。

ドイツと言えば「リースリング」!(いやいや、ドイツといえば『ビール』でしょ!というツッコミは本日はご勘弁を…)
ということで大概のドイツ人はみーんな、「リースリング」が香り高くミネラルが豊富な白ワインである事は知っていますし、一家に1本、日曜日の家族や友人との団らんには欠かせません。

ドイツ人は日本人の10倍くらいワインを飲んでいると言われていますし、街中に設置してあるリサイクル用のビンの回収コンテナは、週が明けた月曜日にはいつも空のワインボトルでパンパンになっていたりするので、やっぱりすごく身近な飲み物です。

ドイツ人とシンケン

さて、そんなドイツのワイン文化の中で今回てんどーねが注目したのが万国共通ワインのお供、「シンケン」です。
「シンケン」とはドイツ語でSchinken、いわゆる「生ハム」や「ハム」のこと。

ドイツ人的には、ワインのおつまみ、というよりは主食であるパンに挟んで毎日食べるモノだそうなのですが、どこのスーパーに行っても実に色んな種類のシンケンが、しかも日本と比べるとかなり安い値段で売られています。

てんどーね的には「生ハム」なんてモノはすごく高級品で、都会のスーパーやデパートでしか手に入らないイメージだったのですが、ドイツでは、近所のスーパーでいとも簡単に手に入ります!
しかもお肉カウンターのおばちゃんに欲しい分だけその場で大きな塊からスライスしてもらった新鮮な(?)ハム!!!(ドイツに来た当初のてんどーねはこれに大興奮、毎日お買い物に行っては生ハムをひたすら食べていました。)

とあるスーパーのある日のお肉カウンター

ドイツ人とシンケンとワインの検証

日常に生ハムがこんなにあるなんて!ワインと合わせ放題だなんて!!
なんて恵まれた環境なのでしょう☆☆
しかし、回りのドイツ人(ワイン業界人ではない)たちは、『あえてシンケンとワインを考えて食べ合わせた事はないかなぁ〜いつも食べてるし〜』みたいな反応。。。。(テンション上がってたのはワタシだけ・・・)

ということで、ある日曜日の午後、ドイツのお友達と一緒に真剣に『シンケン・ワインパーティー』を開き、シンケンのポテンシャルを発掘すべく、ワインとのマリアージュを検証する事に。

準備したワインは、リースリング/シャルドネ/ソーヴィニヨン・ブラン
シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)/メルロー/カベルネ・ソーヴィニヨン   の6種類。いわゆる、王道のブドウ品種ですね。

準備したシンケンとの味わい検証結果はこちら
① ラックス・シンケン:ラックスとは鮭のことでサーモンピンク色の生ハム。
さっぱりとした味で、水々しい食感。リースリングやシャルドネが◎

② シュヴァルツヴァルダー・シンケン:南ドイツ 黒い森(シュヴァルツヴァルト)地方産の生ハム。独特な燻製の香りが強く、ワイルド。
赤白どちらも◎赤の方がより合いそう。クセのある香りを邪魔しないワインがベター。シュペートブルグンダーももちろんばっちり◎

③ ヌス・シンケン:ヌスとよばれる豚もも肉の生ハムで、ヌスとはナッツのこと。香ばしい感じ、肉質も柔らかめで繊細な口当たり。
白ワイン、特にシャルドネが◎

④ パルマ・シンケン:イタリア パルマ産生ハム。しっかりした塩味と脂身、芳醇な香りで噛みごたえも十分。
程よく酸味のある赤ワインが◎白ワインでもいけそう。

⑤ サン・ダニエーレ・シンケン:北イタリア サン・ダニエーレ産生ハム。こちらも塩味と脂身十分。パルマ・シンケンと特徴は同じで、香りがより芳醇のような・・・同じく酸味のあるワインを。

⑥ セラーノ・シンケン:スペインのハモン・セラーノ(生ハム)。香り高く、塩味や脂身もインパクトある味わいながら、後味はさっぱり、焼き栗の様な香ばしい独特な香りが余韻に残る。軽めで酸味のある赤ワインがよさそう。芳醇なハムの香りを邪魔しないワインを。

⑦ ヴァッホルダー・シンケン:杜松の実(ヴァッホルダー)などで風味付けした調理ハム。適度に脂身もありふんわりとハーブの香り。
赤白どちらも◎噛みごたえのある肉質なので、赤ワインがより合いそう。

⑧ バター・シンケン:バターの様な香りと滑らかな口当たりの調理ハム。
味もほんのりバター?けど後味はさっぱり。
赤白どちらも◎しかしフルボディは避けた方が良さそう。

つまり、シンケンとは、ワインとは・・・

今回参加してくれたドイツのお友達からは・・・
『シンケンって、実はこんなに美味しかったのね!!』
(ドイツの人たちは普段何も考えずに美味しい生ハム食べてるんだろーなぁ。。。)
『リースリングにはこのシンケンが合うと思うけどどうかなぁ〜?』
(さすが!リースリングのマリアージュには譲れないこだわりアリ?笑)
『シャルドネってブドウの名前だったの?しかもこんなに美味しかったなんて!!知らなかった!』
(あら、やっぱり普段はリースリングばっかり飲んでるのかしら。。。)

ふむふむ。。。

と・・・いろいろやってみましたが、てんどーねが今回確認出来た事が2つ。
やはり、<<シンケンはワインに合う!>> 

マリアージュ度合いに差はあったものの、どの組み合わせも失敗なし。しかも買ってきてプレートに並べるだけでそれなりの見栄えになる、というズボラな私でも簡単、うれしい。
そしてドイツ人の『こんなの考えて食べ合わせやんないし〜』というスタイルはむしろ正解。考えなくても、そう、ハムとワインがそこにあればいい!!


そして、<<ワインあるところに仲間あり!>>

ドイツ人の友人4人、ご近所の日本人ご夫婦+てんどーねの計7名の会で、実は初対面さんもいらっしゃったのですが、こちらが想定していた時間をかなりオーバーしての楽しい宴になり、色んなお話ができました。
(しかもなぜかこの後みんなでお寿司屋さんに行き、ビールで乾杯・・・笑)

昔ある醸造家が「俺はワインだけを造ってるんじゃない、いつもその先で飲んでくれるお客さんの家族や友達との楽しい会話と笑顔を造ってんだぜ!」と熱く語ってくれたのを思い出しました。
まさに、今回もワイン(とシンケン)を囲んでの気張らない、飾らない、楽しい時間、大満喫でした。
いろいろ考えなくても、そう、仲間とワインがそこにあればいい!!


みなさんも、『ドイツ的、いろいろ考えない』ワインとシンケンな週末の午後、過ごされてみてはいかがすか?

ちっちゃいテーブルをみんなで囲みました。
ゲストのみなさん、ちょっと狭くてごめんなさいでした・・・

投稿者

  • てんどーね

    ドイツ在住のアラサー女子。
    ワイン輸入商社勤務を経て、イタリア、日本、イギリスにてワイン資格取得に励むも、現在はノムリエ化。泡モノ好き。
    最近は苦手な料理にもトライし始め、マリアージュを意識。一人家飲みもそこそこ、楽しい。

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公開日 :
2015/09/08
更新日 :
2015/09/17
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