人気上昇中!話題のワイン、『ペット・ナット』について解説してみます

シャンパーニュよりも自由で、体になじむ。 古くて新しい『ペット・ナット』を知れば、ワインの楽しみ方がもっと軽やかに、豊かに広がります。

by Wine-Link

最終更新日:2026-04-25

最近、街のワインショップや飲食店で『ペット・ナット』という言葉を耳にすることはありませんか?

「なんとなく知っているけど、実はいまいち分からない…」
という方も多いのでは無いでしょうか?

実はこのペット・ナット、知れば知るほど面白く、「自由なワイン」なんです。

今回は、その魅力をいくつかのアプローチでひも解いていきます。


そもそも「ペット・ナット」って何?

『ペット・ナット』とは、フランス語で「自然の微発泡」を意味する、ペティアン・ナチュール(Petillant Naturel)を略した愛称です。

ざっくり一言で答えるなら、、
『自然な製法で造られた、優しい泡のワイン』
といえます。

シャンパーニュやプロセッコと同じ、スパークリングワインの仲間ですが、実は、「作り方」がちょっと個性的です。

その違いを、一般的なスパークリングワインと比較してみましょう。



一般的なスパークリングワインはどう造る?

まず、一般的なスパークリングワイン(シャンパーニュなど)の工程をおさらいします。

 ①『 ベースのワインを造る』
  ブドウをアルコール醗酵させ、「泡の無い普通のワイン」を造ります。
 
 ②『 もう一度醗酵させる』
  そのワインを瓶に入れ、「糖分&酵母」を後から加えて、栓をして瓶の中でもう一度醗酵させます。  

 ③『泡を閉じ込める』
  二度目の醗酵で発生した二酸化炭素が瓶の中で閉じ込められ、しっかりとした泡のワインになります。

つまり、「2段階の醗酵」を経て造られるのが一般的です。



ペット・ナットの「引き算」の製法

それに対して、ペット・ナットの製法は驚くほどシンプルです。

ブドウを醗酵させている途中で、まだ醗酵が終わりきっていない段階で瓶に移し、栓をします。

瓶の中で残った糖分で醗酵を続け、そこで生まれた泡がワインに溶け込みます。

ペット・ナットは「1段階の醗酵」で、アルコールも泡も造り上げるのです。




なぜ「優しい泡」なの?

ペット・ナットの特徴の一つが、その穏やかな泡立ちです。

一般的なスパークリングワインは5〜6気圧という力強い刺激を持つのに対し、ペット・ナットは1~3気圧ほど。

これは、ブドウがもともと持っていた糖分だけで自然に醗酵させるためです。

この「優しさ」こそが、リラックスして飲みたい日常のシーンにフィットしてくれます。





写真:グラスは普通のワイングラスを使うかな

ペット・ナットが「ナチュラル」と言われる理由

ペット・ナットは、いわゆる「ナチュラル・ワイン(自然派ワイン)』に分類されることが多いワインです。

その理由は、主に2つのポイントがあります。


■■その①:「野生酵母」を使う■■
多くの造り手が、選りすぐられた「培養酵母」を添加するのではなく、ブドウの皮や醸造所に住み着いている「野生酵母」の力で醗酵させます。

培養酵母が、狙い通りのクリーンな香り・味わいを引き出してくれる一方で、野生酵母は、予期せぬ複雑さや、野性味のある独特の表情をワインに与えてくれます。

■■その②:糖分を足さない■■
二度目の醗酵のための糖分や、瓶詰め直前の調整用の糖分(ドサージュ)を一切加えません。

ブドウ由来の天然の甘みが、そのまま味わうことができます。


「にごり」こそが旨味の証!

ボトルの底に澱(おり)が溜まっていたり、全体的ににごっていたりするのも、ペット・ナットの特徴です。

通常のワインは、出荷前にフィルターで澱を取り除きますが、ペット・ナットは瓶の中で醗酵を終えたあと、そのまま手を加えません。

写真:↑底に澱がたまっている

1本で2度おいしい楽しみ方

ペット・ナットを飲む時は、ぜひ、最初はボトルを揺らさずに、上澄みのクリアな爽快感を楽しんでください。

そして、後半はあえて、澱を舞い上がらせて、旨味とコクを味わう。

1本の中で表情が変わるのも、ファンにはたまらないポイントです。

最初は、クリアな状態で飲み

後半は澱が舞い上がらせて楽しむ。

ペット・ナットは新しいワインなの?

最近のトレンドのように感じますが、実は製法自体はシャンパーニュよりもずっと古くからあります。

かつてはフランス南部などで「メトード・リュラル(田舎の製法)」と呼ばれ、細々と受け継がれてきました。

それが今、ナチュラルな造りを追求する生産者たちの手によって、現代的な感性とともに『ペット・ナット』として再定義されたのです。

いわば、「古くて新しい」ジャンルのワインで、まだまだ「自由」にあふれています。



どこで、どんなブドウで造られている?

ペット・ナットには厳格なルールはありません。

フランスのロワール地方をはじめ、ニュージーランド、オーストラリア、そして日本など、世界中で自由な感性のもと造られています。

ブドウ品種も自由。
産地ごとに、その土地ならではの品種や、好みの品種を使って、多彩な表情のペット・ナットが造られています。


色やボトルの特徴は?

白、ロゼ、赤、オレンジとカラーバリエーションも豊富です。

瓶は「なで肩」の透明なものが多く、栓はワインオープナーがいらない「王冠」主流です。

飲みきれなかった時は、栓抜きの後ろで王冠をグイっと叩いてはめ直しせば、保管も楽ちんです♪

まとめ:ペット・ナットの楽しみ方

ペット・ナットは、

 ・泡は優しく、体になじむ感じ
 ・「にごり」の中に、ブドウの旨味が詰まってる
 ・王冠だから、気軽に「シュポッ」と開けられる


週末のランチタイムや、お出汁の効いた和食、意外にもたこ焼きなどとも相性抜群です。

古くて新しい、何だかワクワクする「ペット・ナット」。
ぜひ、お気に入りの1本を見つけてみてください!


投稿者

  • 山崎 久美子

    ・ソムリエエクセレンス(JSA認定)
    ・SAKE DIPLOMA(JSA認定)
    ・DIPLOMA LEVEL 3(WSET認定)

    ワインの輸入商社でバイヤー職を経て、現在は、ワインのなんでも屋をちみちみとやっている。

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公開日 :
2024/04/25
更新日 :
2026/04/25
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