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一人のロゼワイン好きから



『バルディビエソ ブリュット ロゼNV』

さかのぼること数年前の話になるのですが、このワインにはじめて出会ったときの衝撃を今でも鮮烈に覚えています。私は仕事柄ワインをスペックで見てから試飲に挑みますが、このワインのそれを見たときは目を疑いました。チリらしいリーズナブルな価格のスパークリングワインながら、使用ブドウ品種の中になんと『ピノ・ノワール』の文字が見えたのです。

ピノ・ノワールというのはフランス原産の品種で、できるワインは繊細で美しい味わいが魅力。フランスのシャンパーニュ(シャンパン)にも使用が認められています。しかしそれとは引き換えに病気に弱く栽培が難しいなど、ブドウ農家泣かせでもあるのです。だから当然取引価格も高価になる。今でこそチリのスパークリングワインでピノ・ノワールを使った銘柄は日本にいくつか輸入されるようになりましたが、当時はまだほとんど見かけることがない状況だったのでその感覚は本当にセンセーショナルでした。

このロゼはシャンパーニュのようにボトルの中で熟成とともに炭酸を造りだす手間のかかるような製法ではありませんが、造り手のバルディビエソというワイナリーは上級クラスのワインにその造りを取り入れているし(その銘柄ですら週末気軽に飲めるくらいのリーズナブルさ!)、南米で初めてスパークリングワインを造った伝統と確かな技術力を持ちあわせており、チリ国内でのシェアは65%にもなるそうです。

日本でロゼワインの消費はワイン全体の0.4%程度と今一つ。この状況は白ワインと同じくらいロゼが親しまれている北米、ヨーロッパはじめ世界からかなり遅れをとっています。この記事を読んでくださった方がチリのスパークリングワインあたりから気軽にロゼの魅力に触れていただけたなら筆者はこの上ない幸せです。

チリビーニャ・バルディビエソバルディビエソ ブリュット ロゼ

チリ / セントラル・ヴァレー
ロゼ / 辛口 / スパークリングワイン

綺麗なサーモンピンクの色合いが特徴的なスパークリング。チャーミングなアロマにストロベリーの果実味。引き締まった酸と細かな泡を持つ上質なロゼスパークリングです。