テイスティングを始めてみる  ~香りの表現編~

ワインのテイスティングって何でしょう?香りの特徴を捉えるお話です。

by 株式会社モトックス

最終更新日:2017-09-19

テイスティングって何でしょう? 
テイスティングって何でしょう? 

ワインには『テイスティング』という言葉が
ありますが、「このワインはこういう特徴だな」
と分析しながら味わうのが、テイスティング
です。

仕事でワインに関わる人で無くても、ワイン
のタイプを理解し、言葉で表現できる事は、
ワインライフの助けとなります。

テイスティングを4つのステップに分ける 
テイスティングを4つのステップに分ける 

テイスティングで分析する点は大きく、
①外観(見た感じ)
②香り
③味わい
④適切なサービス
の4つに分けられます。

すごくざっくり、この4つに分けて分析した
例を出すと、

 ①外観…すごく濃い深みのあるルビー色
 ②香り…ラズベリーとか紅茶など、
    色んな香りがある
 ③味わい…渋みが強く無いけど、後味が
    すごい広がる
 ④適切なサービス…冷やし過ぎずに、
    ちょっと大きいグラスで飲みたい

という様な感じです。

プロのソムリエさんが、「つらつら~」、と
難しい事を言っている様に聞こえる場合も、
要はこんな感じがベースです。

香りの表現から始める 

さて、今日はそのテイスティングの中の
『香り』の表現を少し見ていきたいと思い
ます。

ワインは、ブドウから出来ていますが、
マスカットなどの一部のブドウを使った
ワイン以外は、実はブドウの香りは感じ
られません。

なので、感じた香りに近い他の何かを
探していきます。

香りを言葉で表現する時は、ある程度、
みんなが通じ合える単語を使う必要が
あります。

「このワイン、おばあちゃんちの匂い~」
「このワイン、ハミガキ粉の匂い~」
などと、自分流の表現では、他の人に
上手く伝わりません。

誰かのおばあちゃんちは湿布の匂い
かもしれないし、タンスの樟脳の匂い
かもしれない。ハミガキ粉も、ミント系
かもしれないし、歯茎の為に生薬系を
使っているかもしれない。

香りの表現を4つのジャンルに分ける
香りの表現を4つのジャンルに分ける

香りの表現は、大きく分けて下記の
4つのジャンルに分かれます。

『果実系』
『植物・花系』
『スパイス系』
『その他(鉱物、化学物質等)』

馴れないと、『スパイス系』や、『その他』
の単語を思いつくのは難しいと思うので、
『果実系』の香りから考えるのをおすすめ
します。

白ワインの果実の香りを探る

まず、白ワインの場合、一番スタンダード
な香りである、『リンゴ』の香りから頭に
浮かべてみましょう。

ワインの香りをかいで、
「うんうん、リンゴ!」と思ったら、
そのワインの香りの代表はリンゴだ、
という事にしましょう。

でも、「リンゴより爽やかな感じだな」、
という場合は、「グレープフルーツや
レモン等の柑橘系に近いかな?」と
模索してみましょう。

反対にリンゴよりも甘みのある香りの
場合は、「桃、メロン、パイナップル、などの
甘味のあるフルーツの香りを感じるかな?」
と模索してみましょう。

どれを強く感じたかで、
下記の3つのタイプに分ける事が出来ますね。

『レモンやグレープフルーツ等の
柑橘の香りのタイプ』
『リンゴの香りタイプ』
『桃、メロン、パイナップルなどの
豊かな果実の香りタイプ』

もちろん、レモンもメロンも同時に感じ
られるものもあると思いますが、
一番印象深い香りで分けてみましょう。

そして、次のステップとしては、
その感じられた果実の香りが、
『生で、未熟な感じ』
『生で、完熟してる』
『ドライフルーツになった』
『ジャムになった』の、どの状態なのかなー、
と考えてみましょう。

同じメロンでも、
『青くって、もう少し熟しても良かったメロン』
の香りなのか、
『完熟で、甘さ溢れるメロン』の香りか分別する事で、
そのワインの香りのタイプを、
より細かく分類できます。

二つを組み合わせると、
『完熟したメロンを想わせる、
 豊かな果実が香るタイプ』というような
表現が出来ます。

赤ワインの果実の香りを探る  

次に、赤ワインの場合をやってみましょう。

赤ワインは3択で始めてみましょう。
香りをかいでみて、その香りが、
『イチゴやラズベリーの、
 赤っぽい果実の香り系』か、
『ブルーベリーやブラックチェリーの、
 深い色の果実の香り系』か、
『あまり、フルーツの香りがしない系』で、
分けてみましょう。

そして、赤も次のステップとして、その
感じられた果物の香りが、
『生で、未熟』
『生で、完熟してる』
『ドライフルーツになった』
『ジャムになった』の、どの状態の果物なのかなー、
と考えてみましょう。

二つを組み合わせると、例として
『生のフレッシュなラズベリー等の赤果実
が香るタイプ』といった表現にたどり着く
ことが出来ます。

もちろん、慣れないと難しいですね   
もちろん、慣れないと難しいですね   

今回は、ワインの、果物的な香りの特徴を
捉える話をしてみただけですが、
これをやっていくだけでも、
テイスティングの表現は
ぐんとやりやすくなると思います。

もちろん、テイスティングは、
プロの人達でも、意見が分かれる事も多く、
難しいものですので、
「そんなもんだなー」と気負わずやる事が
大事だと思います。

そして、「このワイン新築の家の匂い~」
「なんだそりゃ~」と、セオリーを無視して
盛り上がるのも、楽しいものです(笑)
『新築』という単語から、意外な会話が
始まったりしますから。

投稿者

  • やまくみ
  • やまくみ

    ワインの輸入商社にて、バイヤーを担当。
    退社後、現在は、気楽に楽しめるワイン道を、
    日々、飲みながら考えている。

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公開日 :
2017/09/14
更新日 :
2017/09/19
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