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ちょっと難しいテイスティング用語(1)

ワインのテイスティング用語の中には、慣れない人にとっては難しいものがありますね。


私もワインの仕事を始めた頃は、「そんなん聞いたこと無い!」という単語によく出くわしたし、今でもあやふやな単語を知ったかぶりしてやりすごす時もあります(笑)

一度勉強しても、新しい単語は随時入ってきます。2000年頃まではワインの本場であったフランス語をベースとしたテイスティング用語が使われていたけど、2000年を超えた辺りからは、英語をベースとしたテイスティング用語も増えてきたように、変化もしていきます。

そんな訳で、ここでは、ちょっと難しいテイスティング用語について取り上げていきたいと思います。

使いこなせていない単語でも、まずは、ポジティブな意味合いなのか、ネガティブなニュアンスの単語なのかを掴むのが第一歩だと思っています。

ハーベイシャス [Herbaceous]

なんか、音感のいい単語ですね(笑) 英語で発音する時は、“ベイ”の所にアクセントがきます。『ハービシャス』と表記される事もありますね。

フレッシュなハーブを想わせる香りの事です。


ハーブと言ってもミントやレモングラス等のすっきり系のハーブだけでなく、漠然とした草、シダ、等の香りが含まれます。ポジティブな意味合いで使われる事が多いです。

乾燥させたり、加工したハーブの香りは、『ハーベイシャス』というより、『スパイシー』、『ドライハーブを想わせる』という表現の方が良いと思います。


ソーヴィニヨン・ブランを代表とする、アロマティックな品種を使った白ワインに使われる事が多いけれど、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといった品種を使った赤ワインの特徴としても使われます。

ここからは、少し突っ込んだ話になりますが、大きく分けると、この『ハーベイシャス』は日本では、「幅広い様々なフレッシュハーブ」という意味合いの使われ方と、「メトキシピラジン類が関連した青っぽさ」という意味での使われ方、があるように思います。

前者の意味合いだとミントやセージなどの華やかなハーブの香りで、後者の意味合いだとトマトの茎やピーマンなどの香りが中心となりますが、日本でワインの香りの説明に使われている際は、後者の意味合いで使われている事が多そうです。なので、圧倒的にソーヴィニヨン・ブランに使われる事が多い単語です。

ちなみにですが、日本のワイン業界を牽引するソムリエ協会の機関誌、『Sommelier』の2021年3月の179号に掲載されていた、ソーヴィニヨン・ブランをトップソムリエ達が検証する企画では、ソーヴィニヨン・ブランのワインの香りを表現するのに、「チオール系化合物のキャラクター」、「ピラジン由来のフレッシュハーブの香り」、「ハーブの要素を伴った」、「ハーバルな香り」という表現を使われていました。

『ハーベイシャス』でまとめるのに躊躇する場合は、「ローズマリーを想わせるハーブの香り」や、「トマトの茎を想わせる香り」などと具体的に表現するのもひとつですね。

ハーバル [Herbal]

ミント、セージ、などのフレッシュなハーブを想わせる香りの事です。

うん?
『ハーベイシャス』と一緒なのか?
ですよね。

『ハーベイシャス』と『ハーバル』は同義語に近い、と思います。

『ハーベイシャス』が、「幅広い様々なフレッシュハーブ」という意味合いの使われ方と、「メトキシピラジン類が関連した青っぽさ」という意味での使われ方、があるように思う、と言いましたが、『ハーバル』は、この前者のミントやセージなどの「幅広い様々なハーブの香り」と同じ意味になります。


『ハーバル』と表現する時は、トマトの茎やピーマンなどの緑寄りの香りは含まない事が多そうです。

ワイン・スペクテーターのHPの辞書では、「ハーバルとハーベイシャスほぼ同義語だけど、ハーバルよりもより強い凝縮された香りをハーベイシャスと表現する」というように書かれていました。

グラッシー [Grassy]

せっかくなので、『ハーベイシャス』、『ハーバル』と似た単語をもう一つ。

グラッシーとは、ワインに感じられる刈ったばかりの草の様な香りの事です。
『Grass(草)』の形容詞化した単語ですね。


『ハーベイシャス』と似ていますが、『ハーベイシャス』がミントやシダ等のより華やかであったり、個性のある植物を指すのに対し、よりスタンダードな『草』の香りの時に使う事が多そうです。

また、この『草』は乾燥してしまった干し草では無く、『刈りたての芝生』の様なイメージの香りらしいのですが、刈りたての芝生に余り出会えない私は、草むらに足を踏み入れた時の香り、の様なものだ、と捉えてます。

『グラッシー』と『ハーベイシャス』の単語の関係としては、『ハーベイシャス』という単語のの中に『グラッシー』の意味合いが含まれているように思います。

今回は、『ハーベイシャス』『ハーバル』『グラッシー』を取り上げてみました。
言葉というものは使う人によってニュアンスの差はあるのは常ですが、テイスティング用語は目に見えないものを表現する言葉だけに、個人差はつきまといますね。

投稿者

やまくみ

・ソムリエエクセレンス(JSA認定)
・SAKE DIPLOMA(JSA認定)
・DIPLOMA LEVEL3(WSET認定)

ワインの輸入商社にて、バイヤーを経験。
退社後の現在は、ワインのなんでも屋をちみちみとやっている。