プピーユ訪問記

プピーユ訪問記

by 株式会社モトックス

最終更新日:2013-07-12

プピーユ訪問

プピーユ訪問

写真:いざ訪問!

4/3、ボルドー右岸のコート・ド・カスティヨンにある、シャトー・プピーユに訪問して来ました。

写真:CHプピーユ

その前の訪問先は、ジャン・フィリップ・ジャヌイクスでしたが、そこまで、フィリップ・カリーユ自身がわざわざ車で迎えに来てくれました。
地域では有名人のようで、ジャヌイクス氏とも仲良くされていました。同じ志を持つ、まさに同志ですね。

このプピーユという名前の由来は、フランス語で「先端、先っちょ」という意味で、ここの地形が岬のように突き出ているため、この名前が付けられました。
そのお話しを聞いていましたが、かなりスケールの大きな地形のようで、車で近づいても岬のように尖った地形とは分かりませんでした。

このシャトーの名前も彼のお父さんがシャトーを取得したときから元々付いていた名前だそうです。

畑は南向きのなだらかな斜面に位置し、壮大なスケール。その広い畑に、なにやら等間隔でアンテナのようなものが設置されていました。

彼に聞くと、区画ごとに温度を測るセンサーを張り巡らせているとのこと。これにより、ブドウの熟度を見る大きな参考になるとのこと。

写真:オクソライン

彼の造りで有名なのは、オクソラインという、樽ごと回すことのできる装置で、非常にアナログなイメージを抱いていましたが、こんな最新鋭の機器も合わせて導入していることに大変驚きました。

自分の畑、そしてそこから産み出されるブドウのポテンシャルを最大限に活かし、少しでも良いワインを造りたいという彼の情熱からだと思いました。

…お昼もシャトーで御馳走になりましたが、なんとカリーユ氏自身が料理してくれました。

メニューはステーキでしたが、またその焼き加減が抜群!!出張前半で食べ過ぎないようにと訪問した我々はそれまでの食事はセーブしていましたが、この昼食はあまりに美味だったため、お腹いっぱいになるまで楽しみました。
ワイン造りの名人は、料理も名人ですね。

食事の前に、垂直で色々なヴィンテージのプピーユ、CHプピーユを試飲させていただき、そのワインを飲みながらの食事でしたが、私の一番のお気に入りは2009プピーユでした。

グラスから溢れ出すような果実味がありながら、ワイン全体がエレガントに纏まっている。かつ細かなタンニンがなめらかで全くストレスを感じさせない触感。
口に入れると滑らかな口当たりから、フワ~っと旨みが膨らみだし、飲み干した後も柔らかなアフターに優しく包まれました。

実はこの2年前にも、ボルドーに出張し、数多くの偉大な2009年を試飲しましたが、職業柄、味わいと価格のバランスからはどうしても割高に感じましたが…、このプピーユは本当にお得に感じました。まさに「ケース買い」すべきワインだな!と!!

これはストイックに自分の土地を愛し、いかにしたら良いワインを造れるか、ということを真摯に考えながら、また持ち前の好奇心旺盛さと陽気で前向きな性格のカリーユさんの姿勢の出たワインだなと。

…少し飲んでいたこともあり(笑)、カリーユさんに少し意地悪な質問で「ペトリュスとブラインドティスティングで最後まで残った、っていうことあるけど、ぶっちゃけそれどう思ってるの??」って聞いてみました。ひょっとしたら激怒されたらどうしようと思いながら…

ところがカリーユさんは、ペトリュスが大変偉大で歴史的なワインであると賞賛した上で、
「自分はこの土地で、自分の理想に近いワインを如何に造るか考え、行動してるのみで、評価とかには興味がない」と笑いながら話してくれました。
なんと懐の広い方でしょう!!
…行く前は、変わり者だとか、イッキ飲みさせられる、とか、ワーイルドなイメージが先行してましたが、実際会うとお茶目で陽気で前向きな、本当に好漢でした。

自分の考えにゆるぎなく、そうとはいえ、色々な人の意見に耳も傾けながら、一意専心に自分のワイン造りの道を歩む―名人というのはこのような方のことをいうのだ、と。

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公開日 :
2013/06/24
更新日 :
2013/07/12
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