オーストラリアのワイン産地

南半球の人気の観光地、オーストラリア。自然を満喫したり、動物と触れ合ったりなど、魅惑的な観光プランが沢山ある国ですが、ワイナリーをめぐるツーリズムも発展しています。そんなオーストラリアの主なワイン産地を見てみましょう。

by Wine-Link

最終更新日:2022-09-13

目次

オーストラリアのワインの歴史

古くからワイン造りを行っていた、フランス、イタリアなどに対して、ニューワールドに含まれるオーストラリアは、いわゆるワイン後発国です。

1788年にイギリス海軍のアーサー・フィリップ大佐がブドウの樹をもたらしたのが、始まりだといわれているので、ワインの歴史としては230年ほど。各地でワイン造りが広がる中で、中心となったのは南オーストラリア州でした。

その後、各国からの入植者が各地でワイン造りに取り組んだり、酒精強化ワインが大きな比率を占めたり、などの変化を経て、20世紀後半、ワインの生産が拡大する中で主軸となったのは、低価格のワインでした。ニューワールド特有の、規制が厳しくなく、市場に合わせたワイン販売が出来る利点を生かし、分かりやすく品種を表に出した、飲みやすいワインが成功しました。

そして、21世紀に入り、量から質への転換がおとずれ、各産地の個性を打ち出した質の高いワインが増えてきています。

オーストラリアの州、区分

基本となりますが、オーストラリアの州、区分を整理してみましょう。
オーストラリアは8つの区域に分けられます。


ニュー・サウス・ウェールズ州
ヴィクトリア州
クイーンズランド州
南オーストラリア州
西オーストラリア州
タスマニア州
オーストラリアキャピタルテリトリー
ノーザンテリトリー(※)

※ノーザンテリトリーだけはワインの産地がありません。


州、区分の名前だと、「どこだっけ?」と思わる方もおられると思うので、主となる都市、観光地などを併記してみます。ちょっと分かりやすくなりますね。

ニュー・サウス・ウェールズ州 … シドニー、オペラハウス
ヴィクトリア州 … メルボルン
クイーンズランド州 … ケアンズ、ゴールドコースト、グレートバリアリーフ
南オーストラリア州 … アデレード、カンガルー島
西オーストラリア州 … パース、ピナクルズ
タスマニア州 … ホバート
オーストラリアキャピタルテリトリー … キャンベラ(首都)
ノーザンテリトリー … ダーウィン、ウルル(エアーズロック)



オーストラリアの各州の生産量

気になったので、各州の生産量の比率がどれ位なのか調べてみました。

南オーストラリア州 52%
ニュー・サウス・ウェールズ州 29%
ヴィクトリア州 17%
西オーストラリア州 2%
タスマニア州 1%
クイーンズランド州 0.02%
(※出典 National Vintage Report 2021)

量だけ見ると、上位3つの州で全体の97%ぐらい占めています。



オーストラリアの産地、気候

先程、8つの区域のうち、ノーザンテリトリー以外ではワイン造りが行われている、と言いましたが、ワイン造りの地とされている区域は、下の地図のように、国全体の面積に対して大きくありません。実際栽培されている畑、となるとさらに小さくなります。

日本の21倍ほどの広さの、広大な国土を持つオーストラリアの気候は、多種多様です。北部は熱帯雨林気候、中央部は砂漠性気候、その東西は亜熱帯性気候の為、実質ブドウの栽培が可能なのは、南部の沿岸を中心とした区域です。

それでは、主なワイン産地を見ていきたいと思います。



南オーストラリア州 『バロッサ・ヴァレー』

南オーストラリア州のやや東寄りに位置する州都、アデレードの周辺にワインの銘醸地が広がっています。最も有名なのは、町から北東に車で1時間ほどの所にある『バロッサ・ヴァレー』です。

バロッサ・ヴァレーは黒ブドウの栽培が多く、全体の85%ほどを占めていますが、その半分ほどを占めているのが、オーストラリアを代表する黒ブドウ品種、『シラーズ』です。

また、オーストラリアの中では最も歴史が長く、フィロキセラの害から逃れられた事から、『古木』が多く存在しており、近年、『バロッサ・オールド・ヴァイン・チャーター』という、古木を区分し、守り育てていく為の憲章が制定されました。

南オーストラリア州 アデレード周辺の冷涼エリア

『バロッサ・ヴァレー』は、日照に恵まれた力強いタイプのワインの銘醸地として認められてきましたが、近年は、アデレード周辺の冷涼な産地への注目が高まっています。

そんな冷涼な優良産地として挙げられるのが、『イーデン・ヴァレー』、『クレア・ヴァレー』、『アデレード・ヒルズ』などです。

『イーデン・ヴァレー』は、『バロッサ・ヴァレー』の隣に位置し、標高500m辺りに広がるこの地は、比較的冷涼で、秀逸なリースリング、シラーズが造られる事で有名です。

『クレア・ヴァレー』は、それより北に位置しており、昼夜の寒暖差が大きい地で、優れたリースリングが造られる事で知られています。

『アデレード・ヒルズ』は、アデレードの東の山手、標高149~714m辺りに位置しています。場所により条件は様々ですが、基本冷涼で、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどの白ブドウが主に栽培されています。

南オーストラリア州 『クナワラ』

南オーストラリア州でもうひとつ忘れてはいけないのが、『クナワラ』です。

クナワラは、南オーストラリア州の東、ヴィクトリア州との境目近くに位置する産地です。骨格のしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨンのワインが造られる事で有名です。

特に中心部のテラロッサ・リッジと呼ばれる地区は、水はけの良い『テラロッサ』と呼ばれる赤土の土壌のもと、海からの風を受け完熟したブドウが栽培されています。

ニュー・サウス・ウェールズ州 『ハンター』

南オーストラリア州以外の産地に移ります。

最初はニュー・サウス・ウェールズ州。オーストラリアでブドウ栽培が始まった歴史的な地です。

南オーストラリア州よりも『北』に位置するニュー・サウス・ウェールズ州は気候がより温暖、多湿で、理想的な栽培地とは言えない為、標高の高い場所など、より冷涼な地に栽培地が広がっていきました。

銘醸地としては、『カウラ』『ハンター』『オレンジ』などの地が挙げられます。その中で一番『ハンター』が名を知られているでしょうか。

『ハンター』(『ハンター・ヴァレー』と呼ばれる事も多いですが)は、州都シドニーから北に200㎞ほど行った所にある産地で、代表的な栽培品種はセミヨンとシラーズです。

シラーズには60〜100年の古木が多く現存しているのが特徴的です。また、セミヨンは酸度が上がる前に収穫され、長期熟成を経て飲まれる、というここ独自のスタイルがあります。

ヴィクトリア州 『ヤラ・ヴァレー』

3番目に生産量の多いヴィクトリア州。州都のメルボルンの風情ある街並みや気候は京都辺りに近いな、と私は勝手に思っています。

ヴィクトリア州は小・中規模の生産者が多いのですが、その中でも質の良いワイン造りの地として挙げられるひとつが『ヤラ・ヴァレー』です。

ヤラ川沿いに広がるこの産地は、メルボルンから車で1時間ほどの所に位置し、140ほどのワイナリーが点在しています。大陸性の気候で、昼夜の寒暖差が大きい産地です。主な栽培品種はピノ・ノワール、シャルドネ、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンです。

西オーストラリア州 『マーガレット・リヴァー』

西オーストラリア州の生産量は全体に対してわずかですが、ハイレベルの生産者が多い産地です。代表的な産地としては、『マーガレット・リヴァー』が挙げられます。

まとめ

以上、広大な大地のオーストラリア大陸のワイン産地をめぐってみました。一番主となる南オーストラリア州の産地から頭に入れてみると良いですね。

今回は、各地の代表的な品種しか触れていませんが、様々な品種にもチャレンジしていっている国なので、その辺に注目するのも面白いです。

オーストラリアのワイン造りはまだまだ発展の中にあり、これからも色んな新しい産地が現れてきそうで、目が離せません。

投稿者

  • Wine-Link

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公開日 :
2022/09/13
更新日 :
2022/09/13
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