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世界のワイナリーから 2015/04/06 by 株式会社モトックス 魅惑のボルドー「シャトー・ペイボノム・レ・トゥール」へ。
フランス・ボルドー、ワイナリー訪問記

ボルドーの魅力

仕入れ担当のT村です。
今年もフランスはボルドーに来ております。

ボルドーは皆様もご存じのとおり、世界で最も有名なワイン産地の一つ。特にラフィットやマルゴーなど、名だたるシャトーがその名を連ねる1855年のメドック格付けが有名ですね。

しかしながらボルドーの魅力はそれだけではありません。格付けとは無縁の数多のワイナリーが、無名ながら素晴らしいワインを造りつづけています。

今回ご紹介する「シャトー・ペイボノム・レ・トゥール」もその一つです。

シャトー・ペイボノム・レ・トゥール

場所は、有力シャトーがひしめくメドックの対岸、ジロンド川右岸のブライという地域。

かつてはそれほど高く評価される産地ではありませんでしたが、近年はワイン造りの技術も上がり、ブライ本来のポテンシャルを引き出したレベルの高いワインが、それもリーズナブルな価格で産み出されています。
道案内をしていただくのは、オーナーであり醸造家であるジャン・リュックさん。

曽祖父の代から続く歴史あるこのシャトーで生まれ育ち、ワイン造りもお父さんから学びました。とても小さな、いわゆる家族経営ワイナリーというやつです。

彼のワインの特徴は、柔らかい果実味。
ブドウのジューシーさが溢れた風味ですが、かといって、パワフルで飲み疲れのするような傲慢さは一切感じられず、嫌みのない、心地よい口当たりと余韻を楽しめます。
体に自然と染み込んでくる旨味、と表現したくなるこの美味しさの秘密は、ジャン・リュックさんのワイン哲学にあります。
「できるだけピュアな状態でワインにしたい」とジャン・リュックさん。

ここではビオロジック(有機栽培)とビオディナミ(天体の動きに基づく有機農法の一つ)を実践し、いずれも認証を取得しています。
「ビオディナミでは、ブドウにとって必要なものだけを与えるんだ。だから、ブドウ本来の姿、味わいが引き出されるんだよ」とのことです。

彼がビオをスタートさせたのは99年。聞けば、その年に大嵐に見舞われたことがきっかけだとか。
「大嵐で畑や森に大きな被害があったとき、漠然とだけど、変わらなきゃいけないと強く感じたんだ。温暖化などの環境問題を考えて、例えば化学肥料とか、そういうものはやはり良くないんだな、と。自分の価値観を変えさせられた、そんな出来事だったんだよ」。

こうした彼の考えは彼の二人の子どもも共感しているそうで、一緒に畑仕事を手伝っています。
素敵な家族ですよね。
ビオに転換することで、環境やライフスタイルに良い影響があったことはもちろん、ブドウにも良い影響がもたらされました。
「ビオに転換してから、土が全く別物になった。以前は土の匂いなど無かったのだけれど、今は匂いがある。土の中にはたくさんの生き物がいて、土が生き生きとしているのが分かる。土の生態を乱さないよう、表面の5~10センチ程度しか耕さないんだ。もちろん、薬が使えないからとても手間がかかるし、大変だけどね」とのこと。

発酵はブドウに付着した天然酵母のみで行います。酸化防止剤の亜硫酸についても必要最小限の添加。
「全く入れないのは危険だけど、ワインは生き物だから入れすぎるとブドウ本来の姿が隠れてしまう。それはもったいないよね」。

ブドウが健康であれば、ワインも健康で、美味しいワインになるのですね。最後に印象的だった彼の言葉を。
「僕はワインを薬だと考えている。ワインは、飲んで健康になるものでなくてはいけないよね」。

もちろん、飲みすぎにはご注意を!