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調味料とワインの関係 『味噌編』

前回の『醬油とワイン』について記事の続編です。

味噌とワインの関係

料理の「味付け」を観点に、調味料とワインの相性を解説する記事です。前回の「醤油」に続き、今回は「味噌」をソムリエ資格者が数種類のワインと合わせて検証しました。味噌は前回の醤油に比べると旨み・甘み・コクが強く、味のボリューム感が大きな調味料です。熟成に応じてまろやかなコクが感じられる為、ワインも口当たりの滑らかなタイプを選ぶと、まとまりのある食べ合わせが楽しめるようです。合ったのはどんなワインだったか、ご紹介致します。※少し上級者向けの記事です。


検証には、一般的に最も使用されているであろう「合わせ味噌」を使用しました。

迷った時はブルゴーニュの白ワインを選ぶとよい


赤・白・ロゼ全14種類のワインを試しましたが、その中で唯一、醤油にも味噌にも合ったのが、フランスのブルゴーニュに本拠地を置く「カーヴ・ド・リュニー」が造ったブルゴーニュ・シャルドネ。クリアな酸味、ミネラル感と、瑞々しい柑橘の果実味が口いっぱいに広がる白ワインです。このシンプルで潔さのあるワインに、醤油・味噌の旨みがプラスされて素敵なコンビになりました。ブルゴーニュ産の白ワインの中でも、酸味が鋭すぎず・果実感が比較的強めなことが大切。醤油も味噌も、どっちも食べたい!という時に優秀なサポートになるワインです。

カリフォルニアの赤がベスト!


味噌とベストコンビだったのは赤ワイン。アメリカ産のプティ・シラー種で造られたワインとの組み合わせです。熟したブルーベリーのような、丸みのある完熟感が魅力の赤ワインは、その濃厚さが味噌の強いコクと塩味を柔らかく包み込んでくれます。

さらにワインの持つほのかな酸味が味噌の風味を程よく引き締めてくれるので、まとまりのあるペアリングを楽しめます。これなら田楽など、味噌の甘み・旨みを活かしたお料理にばっちり合いそうです。近いところでは南アフリカ産ピノタージュ種の赤ワインも好相性でした。

逆に味わいが穏やかなタイプの赤ワインは酸を強く感じたり、味噌にワインが負けることが多いようです。しかし例えばブルゴーニュ産のピノ・ノワールを合わせたい時には果実味が強めのボーヌ産を選ぶなど、ボリューム感に注意してワインを選ぶとよさそうです。

まだまだ奥深い「和」×「ワイン」の組合せ


検証では味噌をそのままの状態でワインと合わせましたが、焼く、煮るなど調理することで、ワインとの相性はさらに変化していきます。また、白味噌、赤味噌、あるいは米味噌、麦味噌などなど種類は様々。ワインとの組み合わせも、もっといろいろな発見がありそうですね。

普段のおうちごはんと、気軽に合わせて楽しめるのも、「和」×「ワイン」の良いところ。ぜひ皆さんも、様々なペアリングを楽しんでみて下さいね。