南アフリカに来ています2 「ニュートン・ジョンソン」「リチャード・カーショウ」

ワイナリーの見学ツアーで南アフリカを訪れているスタッフから現地からレポートをお届けします。

by 株式会社モトックス

最終更新日:2019-08-05

ワイナリーに向かってインド洋へ
ワイナリーに向かってインド洋へ

ワイナリーの見学のため南アフリカにきています。3日目の今日はケープタウンの東80kmほどにある町ロバートソンからインド洋に向けて南のウォーカーベイへ。そこに居を構えるワイナリー「ニュートン・ジョンソン」を訪れました。ニュートン・ジョンソンは南アフリカを代表する評価紙プラッターから毎年高い評価を得ている素晴らしいワイナリーです。到着した私たちを対応してくれたのは醸造担当のゴードン・ジョンソン氏でした。

ワイナリーでは出来るだけピュアなブドウジュースを使いたいという意図のもとグラヴィティシステム(重力を利用した醸造法)を使うワイナリー。勿論ブドウの収穫自体にも気を遣っています。彼らが収穫時に使用する籠はブドウが潰れないように、品種に合わせて3~10キロしか入らないもの使用します。発酵に使う酵母は天然酵母。出来るだけ酸化防止剤の使用量を抑えます。

発酵の段階で面白い点を1つ。シラー種ではワインにストラクチャーや酸をもたらす為、一部ブドウの茎を使用します。発酵タンクにブドウ、最後に茎を入れてそのまま発酵させるんです。茎をブドウにのせて醗酵なんて、これまで聞いたことがなかったのですごく興味深い話でした。

そして、もう一つ面白かったのは樽メーカーについて。フランスのブルゴーニュ地方ムルソーにある「ステファン・シャッサー社」。ここはワイナリーがどんなワインを造りたいかをインタヴューして、それに合った樽を作ってくれるそう。これまた興味深い話でした。ニュートン・ジョンソンは南アフリカで良い樽を探すのが難しいと感じていた時に知人からこのメーカーを紹介されたそうです。

次の生産者へ!
次の生産者へ!

4時間のセミナーとテイスティングの後、後ろ髪を引かれながら、ワイナリーを出発。次の目的地はマスター・オブ・ワインの称号をもつリチャード・カーショウ氏の待つエルギンへ。カーショウ氏のワインは2015年に初登場となりましたが、以後爆発的な人気を誇っている生産者です。

ウォーカーベイから北西へ向け車で約1時間の道のりでした。カーショウ氏は自身のワイナリーを持っておらず、醸造施設をレンタルして醸造を行っています。とはいえ施設には彼が購入した圧搾機があり、これがなんと世界一の品質とのこと。南アフリカでも4社のみが所有している高価なものでした。

リーチャード・カーショウ
リーチャード・カーショウ

エルギンは南アフリカの中では一番涼しく、ブドウの収穫は他の地域と比べて遅いため、訪問させて頂いた畑にはまだシラーが実っておりました。カーショウ氏の話は複雑を極め、ブドウのクローン、ワイン造り、畑、気候と多岐。エネルギッシュに語ってくれました。

彼の造りには沢山の拘りがありますが、1つのポイントとして、畑を細かなパーセル(クローンや、異なる気候や土壌、畑の向きなど、に細かく区分けして収穫した特徴の異なるブドウ)を別々に醸造すること。それぞれに適した樽を一つ一つ選定・・・。赤は醗酵前の醸しの時に茎を入れたりと、大変高度な手法でワインを醸造します。
18年は春先の強風の影響で花ぶるいが起き、干ばつの影響で前年に比べ40%前後の収穫減となったそうです。その後、カーショウ氏の自宅でテイスティングを行いましたがワインにかける思いは熱く、クローンの話など書ききれないほどの情報量を説明いただけました。

彼は世界で多くのワイナリー見てきていますが、その1つが同じ南アフリカにある「ロージアン・ワイナリー」。元々は湿地だった土地にワイナリー兼ホテルが建設されて、16年からカーショウ氏が関わるようになってからは品質が更に向上。国際的な品評会で金賞を獲得するなど高い評価を得ています。ロージアンも自前の醸造所は持たないそう。南アフリカでは醸造所を持たない生産者が多く、レンタル施設、機器を使う生産者が多くいることも今回の研修で学んだことでした。

明日はもう1つのエルギンの生産者エルギン・リッジとステレンボシュのスピアーへ訪問する予定です。また!

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公開日 :
2018/03/30
更新日 :
2019/08/05
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