-
南アフリカ ウエスタン・ケープ
ロージアン ヴィンヤーズ
マスター・オブ・ワイン リチャード・カーショーが手掛けるもう一つのエルギンワイン
- 68 Reservoir Rd, Somerset West. WC 7130, South Africa
南アフリカ屈指の冷涼地から生まれるエルギンワイン
写真:エルギンのブドウ畑
ワイナリーの始まりは、現当主ギャヴィン・ウィルソン氏の祖母がスコットランドから南アフリカに移住した1948年、家族にワインの造り方を教え、ステレンボッシュのラス・エン・フレーデにブドウ畑を購入したことが始まりです。
現在のブドウ畑は2004年に購入したもので、エルギン・ヴァレーの西側に広がり、有名なユネスコの自然保護区の中心に位置しています。以前はプロテアが栽培されていた場所に2005年、この地域の冷涼な気候の恩恵を活かし、ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングが植樹されます。ロージアン・ヴィンヤーズはパルミエット川とプライベートで所有するエルギン渓谷の湖の岸という恵まれた場所に位置しています。
何年もかけて完璧な場所を探し求めた結果、エルギンの冷涼なテロワールで類まれなブルゴーニュスタイルのピノ・ノワールとシャルドネ、そしてリースリングやロゼなどのワインを生み出しています。そして2016年より醸造家としてリチャード・カーショウMWを迎えワインは更なる進化を遂げています。
クローンとテロワールの魔術師
写真:醸造家:リチャード・カーショウMW氏
2011年、南アフリカで最初のマスター・オブ・ワイン(MW)となったリチャード・カーショウ氏(イギリス出身)。イギリスでシェフとして成功した後、1999年に南アフリカに移り住み、ワイン造りという新たな道を歩み出しました。その後、2009年まで醸造家の一員として、Mulderbosch Wine、Kanu Wineで経験を積みます。そして2012年、集大成とも言える自身のワイナリー「リチャード・カーショウ・ワインズ」を西ケープ州のオーバーヴァーグ地区に位置する、エルギンで設立させました。この地で、自らが目標とするワインを完成させるべく、地質の調査を行い地形・土壌毎に小ブロックに畑を区分けし、更にそれぞれのブロックの気候・地質特徴に合わせ、最適なクローンを厳選し栽培しています。緻密なまでのワイン造りは正に超越した経験と知識を持つMWらしい、全てに妥協を許さない完璧を極めるものです。
現在世界のMWの中でも僅か、10人に1人しか自身でワイン造りを行っている人はおらず、様々な意味からMWの知識を結集させたワインは、世界の注目を集めています。
【MWとしての役割】
ブドウ畑や醸造施設にいない時間は、MWとしてワイン審査会の審査員としての活動も忙しく行っています。また、WSET(ワイン&スピリット エデュケーション・トラスト)にて講師もしており、ブログや試飲会、講演会を通して消費者や若手育成に力を注いでいます。
バイオダイバーシティ(生物多様性)を重んじて
ウィルソン家は人的介入を極力抑えた職人的なワイン造りの技術を取り入れており、自然生物保護区内に位置するワイナリーの周りには、他の地域では見られない1654種もの植物が生育し、他にもケープ・レオパードやアフリカ・ウミワシ、ケープ・ツメナシカワウソ、ケープ・イワワシミミズクなど希少な動物も見かけることができます。
ブドウ畑はパルミエット・リバーに四方を囲まれており、また3つの山々にも囲まれていることから冷涼な気候が維持され、南アフリカの他の地域よりも3週間程遅い収穫期を迎えます。
2010年、ワイナリーで初のエステートワインがリリースされ、時を同じくして川岸のゲストハウスが完成しました。2017年現在、ブドウ畑の西側に、プロテアを保護しながら、空調管理付きの大きな樽の保管庫を建設予定で、そこですべてのオーク樽とボトルワインを保管する予定です。
栽培・ワイン造りに関する哲学・コンセプト
テロワールを映し出し、品種の個性が引き立つようにサステーナブル農法を続けています。ブドウ畑はユネスコのコッヘルベルフ自然保護区の中心に位置し、そこには1880種以上にも上る地球上で最も豊かで複雑な生物多様性が保護される場所です。そのうちの77種は地球上でもここでしか目にすることができません。
ブドウは選果しながら手摘みで収穫され、人的介入を極力抑えた醸造を心掛けています。果実はフェノールの完熟具合を確認し、選果しながら収穫を行います。破砕前には冷暗所でブドウを一旦休め、圧搾は優しく行われます。昔ながらに職人が行ってきた醸造方法を踏襲し、また、オークの使用は慎重に見定められます。
口コミ
もっと見る