全部合う。でも理由が違う。『スペイン風オムレツ』×白ワイン3本を飲み比べてみた

~Winelinkの人気レシピのペアリング検証vol.2~

by Wine-Link

最終更新日:2026-05-29

新緑の美しい季節ですね。

先日、京都の東福寺や伏見稲荷、金閣寺を巡ってきましたが、
目にも鮮やかな青葉の美しさは圧倒されますね。

今回は、そんな季節にぴったりな、旬の『緑の野菜』を使ったレシピに挑戦。

そして、『主婦ソムリエ』の山崎が、
3本の白ワインと実際に合わせて検証してみます。



まずは“初夏のオムレツ”を作ってみる

今回作るのは、大橋みちこさんの
『アスパラとそら豆と(新)ジャガイモのスペイン風オムレツ』。

使う材料はこちら。

そら豆、アスパラガス、じゃがいも、卵、玉ねぎ、
そして基本の調味料だけ。

写真:※玉ねぎ撮り忘れました...

レシピの中には、

『野菜の量はお好みで調節しても』

という一言が。

実はこれ、合わせるワインのポテンシャルを引き出すための、隠されたヒントだったのです。

詳しくはのちほど!


作ってみると、“引き算”のレシピだった

最後の“ひっくり返す工程”だけ、少しあたふたしましたが💦、
後はシンプルな工程。

レシピのおすすめは小さめのフライパンでしたが、
我が家には24㎝しかなく、少し薄焼き仕様に(涙)、

それでも、無事完成!

料理歴20年の私で、所用時間は45分ほどでした。

まずはそのまま食べてみると、
素材の味が活きた、とても優しく軽やかな味わい。

一瞬、「ニンニクやベーコンでパンチを出しても良かった?」
とも思ったのですが、実はこの「引き算のシンプルさ」が、
ワインの個性を際立たせるもうひとつのポイントだったのです。

では、3タイプの辛口白ワインと検証していきましょう。


検証①:チャコリは“そら豆”で真価を発揮

スペインのバスク地方で造られる、チャコリ。

ほんのりの超微発泡で、酸はしっかり。
青リンゴのようなフレッシュ感と、ミネラル感が魅力です。

合わせてみると…

合うよ、合う。

そうでした。
チャコリの産地、バスク地方では、スペイン風オムレツはバル定番メニューのひとつ。

まず、ほくほくしたジャガイモを、チャコリの酸が心地よく流してくれます。
さらに、緑の野菜の青っぽさと、チャコリの青っぽさがシンクロ。

特に、相性抜群だったのが、『そら豆のゴロゴロ入った部分』。

そら豆特有のほろ苦さとコクを、チャコリの酸と微発泡が持ち上げ、上品な旨味へ。

写真:微発泡はこんな感じ

検証②:ソーヴィニヨン・ブランとアスパラ、“緑の香り”が重なる

次は、ニュージーランドを代表する白ブドウ品種、ソーヴィニヨン・ブラン。

写真:ラベルがの『286』は、ワイナリーの所在地の番地から来てるそう。

トップからアフターまで、青草やライムを思わせる爽快な香り。

さらに、フレッシュなベースに、口の中でほどよい厚みも感じます。


合わせると…

おお、これも良い。

ただ、こちらはチャコリ以上に『ワインの個性』が前に出る印象。

でも、アスパラが多めの部分と合わせるととってもいい。

アスパラが持つ『ピラジン由来の青い香り』と、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかなハーブ香が、驚くほどにきれい重なります!

まさに、「緑同士の共鳴」という感じ。



検証③:おとなしかったソアヴェが、“アリオリ”で化ける

イタリアを代表する辛口白ワイン、ソアヴェ。

やさしい口当たりで、洋梨やリンゴのフルーティーさがそっと香る。

正直、他の2本に比べると、少しおとなしい印象。

うん、もちろん、ジャガイモのほっこり感とは合っています。
ただ、やさしいオムレツ×やさしいワインで、少し静かすぎる印象。



そこで、「何か加えてみたら?」と思い、
急遽、簡単なアリオリソースを作ってみました。

そして、再び合わせると、

これが、いい!

ニンニクのパンチとマヨネーズのコクが料理にメリハリを与え、その強さをやさしく受け止めることで、今度は、ソアヴェの『みずみずしいミネラル感』や『心地よい苦み』が引き立ってきます。

おだやかな調和から、一気に躍動感のあるペアリングへ。

ソアヴェの『懐の深さ』を実感した瞬間でした。



ちなみに、
「このソース、どのワインにも合うのでは?」と試してみましたが、それは違いました(笑)

チャコリやNZソーヴィニヨン・ブランは、ワイン自体の個性が強く、ソースと少しぶつかってしまう印象。

シンプルに見えたソアヴェだからこそ成立した、絶妙なバランスでした。

さすが、“食に寄り添う“イタリアワイン



結論:”どの野菜を主役にするか“で相性が変わる

今回改めて感じたのは、

同じオムレツのレシピでも、

「どの野菜を主役にするか」
「どんなアクセントを加えるか」

それだけで、驚くほどワインとの相性が変わるということ。

  ーーーーーーーーーーーーーーー

 ・チャコリなら➡そら豆を多め
       (ほろ苦さと微発泡の調和)

 ・NZソーヴィニヨン・ブランなら➡アスパラ主役
       (青い香りの相乗効果)

 ・ソアヴェなら➡アリオリソース+ジャガイモを多めに
       (コクとメリハリ)

   ーーーーーーーーーーーーーーー

しかし、ほんと、大橋みちこさんのレシピに、ニンニクやベーコンが入っていなかったのは、まさにこのペアリング体験のためだったのか!と納得。

つい、ペアリングする時に、「味の強さ」を足したくなりますが、余計なものをいれない、『引き算のレシピ』だからこそ、白ワインの個性を引き出すことが出来ました。

改めて、
「ワインがもっと面白くなる」
そんな検証となりました。




おまけ:簡単アリオリソース

簡単アリオリソースは、

 ・マヨネーズ
 ・ニンニクチューブ
 ・黒コショウ
 ・オリーブオイル

を混ぜて作りました。

茹でたアスパラやブロッコリーのディップにしたり、
魚介類のフライに添えたり、

など他にも活躍しそうです。

投稿者

  • 山崎 久美子

    ・ソムリエエクセレンス(JSA認定)
    ・SAKE DIPLOMA(JSA認定)
    ・DIPLOMA LEVEL3(WSET認定)

    ワインの輸入商社にて、バイヤーを経験。
    現在は、ワインのなんでも屋。

    先日、飲む日焼け止めという存在を初めて知りました。外でのテニスの時に飲もうかしら。

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公開日 :
2026/05/29
更新日 :
2026/05/29
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