30年近く3つ星を維持したパリのレストラン「ルカ・カルトン」の魅力 Vol.3

秋・冬のルカ・カルトンのお料理の数々

by 株式会社モトックス

最終更新日:2016-02-16

いよいよ最終章です
いよいよ最終章です

第3部は、ルカ・カルトンの秋~冬の
お料理をご紹介!

なんと、2016年のミシュランガイドでも星を獲得。
さすがです。

シェフのお出迎え
シェフのお出迎え

到着すると、シェフのジュリアン・デュマが
席に来てくださり、
「定番のコース料理にする?それとも
ア・ラ・カルト?」と聞いてくれます。

「うーん。シェフ、お任せで今日はお願い
します!」と伝えると一瞬「・・・。」

「よし!じゃ、ちょっと考えてみるよ」と
厨房へ消えてしまいました。

シャンパーニュをグラスでいただきながら、
ワインリストと格闘。
ここはお宝ワインの宝庫ですので、じっくり
見ないといけません(笑)。

「マドレーヌ・サレ」
「マドレーヌ・サレ」

いつものマドレーヌ・サレをいただきながら、
ワインを決定。
今回はある銘醸ワイナリーの古い辛口リース
リングを選択。お料理が運ばれてくるのを
待ちます。

「ブリオッシュ、ラングスティーヌ」
「ブリオッシュ、ラングスティーヌ」

ブリオッシュ、ラングスティーヌ
柑橘フルーツ、キャヴィア

ちょっと分解してみましょう。

ブリオッシュと書きましたが、芳醇なバター
の風味が香る、本当のブリオッシュのような
味わいのチュイル(※瓦の意味。薄焼きの
クッキーのような料理)。

注意して触らないと、儚げに壊れてしまう、
そんなテクスチャー。
(支配人に、「手でつまんでガブっといって
ください」と言われます・笑)

ラングスティーヌ(スカンピエビ)は
カルパッチョ仕立てにされていて、軽く柑橘
のフルーツでしめられています。横には
ラングスティーヌのミソを使ったクレームと、
オシェトラ・キャヴィアが添えられています
(オシェトラ=ロシアチョウザメの最高品質
キャビア)。

「カリフラワー、パルミジャーノチーズとカリフラワーのクリーム」
「カリフラワー、パルミジャーノチーズとカリフラワーのクリーム」

ジュリアン・デュマのシグナチュールとも
言える、代表料理のひとつ。
バターを何度もまわしかけ、まるでグラタン
のような味わいでありながら、
グラタンの形状をしていないという、まさに
彼が作り出した料理。

こちらも分解してみましょう(笑)

ところどころに、薄い色のキューブ状のもの
が見え隠れしていますが、
これはセドラ・シトロンという、もともとは
インドが原産のレモンのような
柑橘系フルーツを使ったもので、ところどこ
ろ清涼感を与えてくれます。
カリフラワーの表面はカリっとしていて、
中の芯の部分は柔らかく、テクスチャーの
コントラストが面白い一皿となっています。

「烏賊、マッシュルーム、フォワ・グラ、トリュフ、ラルド」
「烏賊、マッシュルーム、フォワ・グラ、トリュフ、ラルド」

ジュリアン・デュマがテーブルに登場し、
「これ、試作品だから・・・」
と言って、ソースを注いでくれます。
茸や土といった、湿ったトリュフの香りが、
お皿から一気に立ち上がります。
細長く見えるのは、マッシュルームを細く
麺状にしたもの。その下にダイス状にカット
された、フォワ・グラ、烏賊、トリュフに
ラルド(豚背脂を熟成させた生ハム)風味の
ブイヨンが混ざり、食感はもちろんのこと
香りと味わいに深い奥行きを感じさせます。

また分解しましょうか・・・(笑)

このように、だいたい同じ大きさにカット
されており、トリュフのシャキほこ感、イカ
の粘性と弾力性、フォワ・グラの脂身と
ネットリ感の全ての食感が非常に新鮮に感じ
られます。

「白トリュフ、トピナンブール、パルミジャーノ、ノワゼット、オゼイユ」
「白トリュフ、トピナンブール、パルミジャーノ、ノワゼット、オゼイユ」

白トリュフの妖艶な香りが鼻腔を貫きます。
その下には、ゴボウのような土の香りが
感じられるトピナンブール(キクイモ)。
ところどころにあしらわられている、
ノワゼット(ヘーゼルナッツ)のクリスピー
で香ばしい食感。
晩秋を感じさせる素晴らしい一品。

「貝柱、ブラック・フツ、台湾の野生胡椒」
「貝柱、ブラック・フツ、台湾の野生胡椒」

貝柱は、日本人には若干火が入りすぎてると
思うかもしれないけれど、十分においしい。
それよりも横にあるブラック・フツ
(カボチャ)のピュレの甘み。

驚くのは、この写真の右下に見える黒い
ソース!
台湾産の野生の胡椒と言っていたが、胡椒の
辛さというよりも、柑橘フルーツのような
酸味と清涼感が混ざり合い、非常にメリハリ
のある味わいで、非常にアクセントとなって
いる。不思議なスパイス!脱帽!

「コルベール、ゴボウ、プリュネル」
「コルベール、ゴボウ、プリュネル」

完璧なキュイソン(火の入れ具合)の
コルベール(真鴨)。柔らかく、ジビエの時期
を感じさせてくれる、そんな一皿。
プリュネル(ジュラやブルゴーニュに自生
する種のある紫色の小さいフルーツ)の酸味
と、鴨の血のソースのバランスが最高。
ただの鴨料理と言えない、バランスのとれた
一品。

「洋梨、カリン、ショウガ」
「洋梨、カリン、ショウガ」

洋梨を叩いたもの(と言っていた)、カリンの
コンフィにショウガ風味のアイスクリーム。

濃厚な味わいのお肉を食べた後に、さっぱり
と口を流してくれる、そんなプレ・デザート。

「ショコラ」
「ショコラ」

綺麗にグラサージュ・ショコラがかかった、
クリスピーなビスキュイ生地とムースが
重なった、パティシエのデザート。
濃厚。もう、お腹いっぱい。

いかがでしたか?

こんな感じで、昨年のルカ・カルトンは
食べおさめ!

常に新しい発見を与えてくれる、
ジュリアン・デュマ。
これからも目が離せません!

フランスに行かれる際は、ぜひ!


Lucas Carton
9 Place de la Madeleine
75008 Paris France
TEL 01.42.65.22.90
日、月定休日

投稿者

  • Midorina

    「マダム・みどり」こと、Midorina 。
    フランスワインとフランス料理をこよなく愛すが、実は隠れイタリア好き!?
    フランス人の夫と、陰陽師の名を持つ息子とスイスのローザンヌで3人暮らし。
    フランスのコート・ダジュールに在住していた時に、ワインとガストロノミーにハマり、ついに料理教室を 開いてしまう。
    ボルドーを除くフランスワインの現地スタッフとして活躍中。

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公開日 :
2016/01/26
更新日 :
2016/02/16
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