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イタリア ヴェネト
アジィエンダ・アグリコーラ・ダル・フォルノ・ロマーノ
世界が注目するイタリアの至宝。
- Loc.Lodoletta,1 37030 Cellore d'Illasi (VR), Italy
世界が注目するイタリアの至宝。
ヴェネト州だけでなく、イタリアを代表する偉大な生産者である「ダル・フォルノ ロマーノ」。
果実風味の塊、恐ろしいほどの深みに完璧なハーモニー、そして終わりなき複雑さと余韻。そのワインの真価が100%発揮されるには、一体どれだけの時が必要となるのか考えさせられる程のワインを造り出しています。
その味わいには誰もが、「この人は天才だ!」と感じるに違いないでしょう。しかし、彼の人生を見る限り、その一言では片付けられない大変な試行錯誤がありました。
ゼロどころかマイナスの状況から出発し、現在の名声を得るに至ったのは飽くなき理想への努力があったからこそでした。ロマーノ氏曰く、「ブドウは人間同様、長きに渡って続けた習慣は直ぐに取り去ることは出来ない。時間とともに少ずつ、新しい環境に順応していくものである。故に継続し、待ち続けるという我慢・忍耐が必要なのだ。そして、そこから果実味・新鮮さ・エレガンス・ストラクチャー・余韻...という全く異質の要素を統合し、最高品質のワインを造り出すためには、どんな困難も障害ではない。」そう話し、現在も留まることはありません。
忍耐と労力を持って突き進んできた
写真:オーナー:ダル・フォルノ ロマーノ
1957年Illasi(イッラージ)近くのCapovilla(カポヴィッラ)に生まれました。小さい頃から祖父Luigi(ルイージ)の農業を手伝い、農業に接していました。この頃に畑の基礎を学び、いかに農業が大変か身に染みて理解したといいます。そして、祖父が、兄弟間で細分化した土地を一つにまとめ農業を始めました。もちろんこの頃は、農産物全般をつくり、トラクターなどは無く、動物(牛や馬)を使い耕していました。祖父は、当時、地域で「ワイン鑑定に長けている人物」として知られており、現在ロマーノ氏が歩んでいる道の中に祖父の姿が見えます。この時代のこのあたりのブドウは、組合に売られていましたが、買値は低く生活最低限の収入にしかなりませんでした。
ロマーノ氏は中学校卒業後、農業専門学校へ入り卒業しましたが、父の農業や、他の農場を見ても将来が明るいものとは考えられなかったと言います。彼からすれば、同じ事を繰り返すだけの仕事で満足感、未来と言う物を感じる事が出来なかったのです。当時ロマーノは22歳前後で苦悩の時期、自分に自信がない、人生何をしていいか判らないといった時期を過ごしていたといいます。
ロマーノ氏は当時の農業の状況を見て「なぜ自分のスタイル、品質向上の努力、改革、実験、リサーチなどを行わないのか? また自分の生き様を表現しないのか?」と疑問をもち、それらの疑問はその後のワイン造りの基本となっていきました。
70年代後半結婚、自家製のラベルもないワインを家庭訪問し販売した事もありました。
80年代初めロマーノ氏が25歳の時、ジュゼッペ・クインタレッリ氏のワインに出会い、直感したのです。「これが自分の進むべき道だ。」と。その後クインタレッリ氏と頻繁に会うようになり、ワインに対する哲学を学んだと言います。週末にワインを持って行きワイン談義をしていたそうです。二人は、会って直ぐ友人関係になった、というより親子のような関係になりました。クインタレッリ氏には、娘ばかりだったのでロマーノ氏を息子のように思ってくれたといいます。
進むべき方向が定まっても実際それを実行に移すのには、容易ではありませんでした。ロマーノ氏の持っていた畑は大量の葡萄を生産させるようにつくられた畑で、当時Illasiの畑からは、良いワインが出来るとは考えられていませんでした。クインタレッリ氏もそう考えていたといいます。
しかしロマーノ氏はゼロから試し始めました。アグロノモはもちろん、エノロゴもいなかった彼の、唯一の武器は、子供の頃から農家として畑で働いてきた経験、またマエストロ(クインタレッリ氏)とワイン造りの談義をする時間でした。
まずブドウの樹一本にできる葡萄を徹底的に少なくさせようと試みました。しかしブドウは少なくなったものの房は大きく実は巨大になり、水で薄めたようなブドウができました。大変な労力の要る仕事でしたが、「自分の求めるワインを造る。」という強い憧れの前には、どんな困難も障害ではありませんでした。ロマーノ氏の夫人も一緒に畑に出て働き、助けたといいます。
ロマーノ氏曰く「ブドウの樹は人間同様、長きに渡り続けた習慣は、直ぐに取り去ることは出来ない。時間とともに少ずつ新しい環境に順応していく物である。故に継続し、待ちつづけるという我慢忍耐が必要である。」
1983年 はAmarone della Valpolicella (アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ)D.O.C. のファースト・ヴィンテージとなりました。1988年よりバリックを実験として使い商品としては’90年ヴィンテージから使用しています。
彼の既成概念にとどまらないワイン造りは、常に新たな試みとして実現されてゆきます。例えば、アマローネにMolinara(モリナーラ)品種の使用をやめました。と言うのはこのブドウにはブドウの本来持っている個性表現の点で限界を見たからです。またOseleta(オゼレッタ’91年くらいから植樹)という品種を混ぜています。品種の特徴として二つの大きな点があり、一つは酸度が高いフレッシュさ、もう一つは色房が小さく果実は詰まっている皮が厚い、ということです。
‘90年代に入り銀行から膨大な借金をして古いカンティーナ、畑のテコ入れなど投資を始めました。妥協のない理想を求める姿はそのカンティーナ、畑にも歴然と表れています。現在ロマーノ氏は約12haの彼の畑と、約12haの従兄弟名義の畑を全て管理しています。将来的には、Valpolicella(ヴァルポリチェッラ)約40,000本、Amarone(アマローネ)約13,000本の生産を目標としています。
ダル・フォルノのワインはフランス料理にも是非合わせたい!
写真:ワイン王国2018 January No.102号
『濃縮感溢れる味はフランス古典料理にも』
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェラ
ヴィニエート・ディ・モンテロドレッタ 2011年
『インクのような濃さで、香りも濃密で複雑。キャラメリゼしたヘーゼルナッツやバルサミコ。アタックにボリュームがあり濃厚ですが、柔らかくてシルキー。凝縮感のあるアマローネは牛肉のロッシーニ風とも良い。フランス料理ではハトのローストにフォアグラを入れますが、このようなイタリアワインは相性が良い。メインディッシュの後半からチーズにかけて楽しむのもお勧め。ワインが持つすべての要素が凝縮されていて非常に濃厚。それでいてバランスが崩れない。国際的に一世を風靡したアマローネのスタイルといえましょう。残糖感が感じられるので、ワインだけ飲んでも楽しめる。この特徴的な味わいに熱狂的なファンがいるのは事実。』と紹介されています。(ワイン王国2018 January No.102より引用)
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