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ケルセチン
quercetin(英)
栽培・醸造用語 -
健康食品など身近なところで利用されている物質。フラボノイドを骨格に持ち抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用などが報告されている。ブドウの皮に含まれるポリフェノール化合物の一種であり、ワイン中にも存在する。フラボノイドがワイン中でタンパク質と結合すると固形化して目に見える形で析出し、ワインの見た目を損なう。析出してもワインの味わいや品質に影響はないが、見た目の悪さから嫌われる。ケルセチンはワインの醸造過程で発生するということは基本的にはなく、ボトリング後に瓶熟成を行うことで多く生成される傾向がある。ブドウ栽培時の気温が高くなっていることが影響してか2014年以降のヴィンテージからワイン業界で問題視されはじめた。醸造過程に添加剤を使用することで除去することができるが、同時にタンニンや酸味なども失われてしまうため、多くのワイン生産者は処理しないことが多い。添加剤の使用によって自身のワイナリーの個性や、オーガニックの認証が失われることの方がリスクと考えるからである。
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ワンポイント!
ワイン中にケルセチンが析出したときは、膜状になってワインの液面・液中を漂っている場合や、ドロっとした塊になってボトルから出てくるといった場合がある。もしもそういうワインに出会ったらキッチンペーパーなど目の細かい繊維で濾すのが有効。 写真はケルセチンの析出したワインをリードで濾したところ。薄茶色の粉っぽくなって析出していた。濾せばワインは綺麗に飲める。
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別名
クエルセチン
関連ワード
澱
更新日
2020-06-23