2023-09-28

ワインの添加物のまとめ

添加物として、ワインに何が使われているのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、主な添加物を簡単にまとめてみたいと思います。

多くのワインに添加されているのが、『亜硫酸塩』です。

『亜硫酸塩』と言われても、ピンときにくいですね。
硫黄を燃やした時に発生するのが二酸化硫黄なのですが、この二酸化硫黄をワイン業界では亜硫酸塩と呼んでいます。

この亜硫酸塩をワインに添加する目的は、亜硫酸塩の持つ「抗酸化作用」を利用し、ワインの酸化を防止する事が第一です。

加えて、「抗菌作用」、「酸化酵素の活動防止」、「酸化したワインの調整」の効果があります。

亜硫酸塩は添加をした場合は表示の義務がありますが、酸化防止が一番の目的であるという事で、大抵の場合、ラベルに『酸化防止剤(亜硫酸塩)添加』と記載されています。

『添加している』と聞くと、抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、亜硫酸塩は空気中にも存在しており、また、醗酵によっても亜硫酸塩は生成される為、『亜硫酸塩無添加』のワインにも亜硫酸塩は存在しています。

酸化防止の目的として、亜硫酸塩に次いで使われている事が多いのが、『ビタミンC』です。

『ビタミンC』というと、栄養や、美容目的で使われるイメージが強いかもしれませんが、ビタミンCは、別名「L-アスコルビン酸」とも呼ばれ、日本で公に認められている添加物です。

ワインに添加する目的は、亜硫酸塩と同じく、「抗酸化作用」を利用し、ワインの酸化を防止する事です。

切ったリンゴが酸化して変色するのを防ぐ為に、レモン汁を入れた水に漬ける事があるのと同じ効果ですね。

ただし、ビタミンC単体では酸化防止効果が十分でないとの事で、亜硫酸塩とともに添加される事が多いです。

また、「亜硫酸塩」を主体に使う場合も、本来必要である亜硫酸塩の量を少なくする事が出来るので、ビタミンCを併用する事があります。

『ソルビン酸』も、ワインに使用される事がある添加物のひとつです。

ソルビン酸は脂肪酸の一種であり、広範囲の微生物に抗菌性を持つ保存料で、様々な加工食品に使用されています。

日本では食品衛生法にて、食品ごとの添加量の上限が決められており、ワインについては0.2g/㎏まで使用が認められています。

私は仕事上、試験成績書を見る事があるのですが、それを見ている限り、ソルビン酸は基本甘口のワインで使われています。赤ワインで使われる事は見た事が無く、まれに白ワインで使われている事がある位です。

しかしながら、近年は、甘口ワインに入っている事も随分減りました。

最後に紹介するのは、『アカシア』です。

『アカシア』って樹じゃないの?と思われる方がおられるように、アカシアは、アカシア属の「アラビアゴムノキ」の樹皮から採取される樹脂から作られる物質です。『アラビアガム』とも呼ばれます。

強い粘性を持つ物質で、「増粘剤」「乳化剤」「安定剤」として、多くの食品や飲料に使用されており、EUをはじめ日本でも公に認められている食品添加物です。

ワイン醸造では「変色防止」「沈殿物発生防止」目的で使用されています。

液中のタンニンの沈殿を防ぐなど酒質を安定化する働きがある為、古代からワイン造りに使われてきたそうです。

ワインの裏ラベルには「安定剤(アカシア)」や、「安定剤(アラビアガム)」、「安定剤(アカシアガム)」などの記載で表示がされています。

以上、ワインの添加物として代表的なものである、

『亜硫酸塩』
『ビタミンC』
『ソルビン酸』
『アカシア』

について紹介してみました。

みなさんのワイン選びの参考になれば、と思います。


公開日 :
2023/09/26
更新日 :
2023/09/28

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