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フランス3つ星レストラン『Flocons de sel』料理教室体験!? Vol.3
3つ星シェフと厨房スタッフから学ぶ、マンツーマン料理教室レポート
by 株式会社モトックス
最終更新日:2013-10-17
スターターから・・・
いよいよこの時が来ました!
めくるめくお料理をご紹介いたします!
まずはスターターから。
Lait d'alpage fumé et orties en beignet
スモークした山牛のミルクとイラクサのベニエ

下に敷かれている樹は、例のランプで煙がでるまで熱され、その上にタルトレットが飾られ、香りはまるで、山小屋の暖炉を思わせます。
・Toast fin crème acidulée cumin des prés
・Tartelette des bois
・Biscuit de Savoie, herbes et fleurs
左から順番に、
ハーブとフラワーを使ったビスキュイ・サヴォワ
野原をイメージしたタルトレット
サワークリームとキャラウェイの薄いトースト仕立て

それぞれのハーブ、花に非常に個性を感じるビスキュイ、黒米を使った粉で焼いたタルトレットに、とても酸味のあるハーブ、クリーミーな酸味とキャラウェイの香ばしさが絶妙・・・
以上のアミューズをつまんだあと、シェフが
「嫌いなものは無いかな?好きなもの、何でも食べて行きなさい! せっかくだから、客席の雰囲気も楽しんできてね! ではまた後で!」
と言ったあと、席を移動、Salle(席)へ向かいます。
さっき用意した、セップの結晶化したものと、パン、バターのセットが運ばれてきます。


・Salade aux herbes du jardin
庭で穫れたハーブサラダ。(これもさっき、下準備していたものです!)

・Oeufs battus parfumés Amaretto et champignons sauvages
アマレット風味のサヴァイヨンと野生のキノコ

こちらも、さっきキノコの掃除をしたものです。
ポルチーニのアン・クルートを作った際に、切りそろえた茎とか、ジロール、シャントレル、ムースロンなど、いろんなキノコが全部1センチ以下の大きさに奇麗に切りそろえられて、ほのかにアマレットの香りをつけたサヴァイヨンが上から添えられ、塩漬けしてボッタルガのように乾燥された、卵黄が削られてサービスされます。
・Lotte du lac et brochet en biscuit, jus d'orange paille
かわめんたい(ナマズに似ている魚)とカマスのビスキュイ仕立て、オレンジ風味

ビスキュイはお鮨屋さんに出てくる、江戸玉 (江戸前寿司の卵焼き)のようなふんわり感と甘さがオレンジの若干の苦みと、ソバ粉、全粒粉のクリスピーなパールと合わさり、不思議な食感と演出しています。
料理は続々と続きます!次ページへ!
芸術的な料理たち・・・
・Moelleux de betterave, consommé de cole rave jardinier au raifort
ビーツのニョッキ、コール・ラビとホースラディッシュ風味のコンソメ仕立て

実はこのお料理、薄くスライスされたビーツとニョッキがそのまま運ばれ、目の前でティーポットからコンソメを注いた後の状態の写真です!
(一瞬、形と大きさをチェックして、自分のニョッキかも・・・と確かめたりして)
・Langoustines sous une pellicule d'agrumes et gentiane pétillante
リンドウと柑橘果実風味の衣をまとった手長海老

これは触らせてもらえなかったんですが、手長海老を軽く火入れして、不思議なテクスチャーのフワフワのムースのような衣で包みこんでありました。
・Filet de Féra confit et légèrement fumé aux "povot", beurre d'égopodes et citron
フェラのコンフィ、瞬間燻製、イワミツバとレモン風味のバターソース

瞬間燻製された淡水魚(フェラ)に清涼感のあるバターソースが添えてありました。
この魚はレマン湖のある漁師さんの釣った魚なのですが、釣ったお魚を誰にでも卸さないことで有名で、必ず何度も一緒に漁にいって体験しないといけないそうです。
・Le cèpe en croûte
ポルチーニのパイ包み仕立て

出ましたー!必死で作ったセップ・アン・クルート!
こんな感じで運ばれてきて、目の前でカットされます。

こちらも思わず、パイ生地が破けてないかチェックしちゃいました!
・Noix de ris de veau dorée, mousseline d'échalote prune bleue, carottes miel citron, jus à l'Angustura et marjolaine
リ・ド・ヴォー、エシャロット、クエッチのムースリーヌのソース、レモンとハニー風味のニンジン、アンゴスチュラとマジョラムのジュレ

リ・ド・ヴォーはキチンと下処理しないと、とんでもないことになるのは知ってます。
火入れの加減も難しく、火入れしすぎると固いグミのようなテクスチャーになってしまいます。
ここのはもちろん完璧ですが、特に印象に残ったのはソースです。
アンゴスチュラはラムがベースのアルコールに、リンドウやオレンジの皮などが入った40度以上のアルコールです。
ウィキペディアで調べると、プロシアのお医者さんが戦時中に開発したアルコールだとか。
・Filet de chevreuil rôti, purée Cardinale, sauce façon Grand Veneurs
のろ鹿のフィレ、カルディナルのピュレ、グラン・ヴヌーのソース

狩りの時期が始まったばかりで、ノロ鹿が美味しいよ!とシェフから聞いてたので、迷わずこちらを選びました。
フィレでとっても柔らかく、ほどよい野性味とジューシーな肉質。
ソースのグラン・ヴヌーというのは、赤ワインがベースのもので、赤すぐりのジュレや香草、エシャロット等を煮詰めたソースです。
・Les alpages sur un plateau
山の農家のチーズいろいろ

地元のチーズがほとんどで、カマンベールとかはなかったです。
トムだけで5種類はありましたけど、もうお腹がそろそろイッパイに・・・
次ページはデザートをご紹介します☆
魅惑のデザート
「Les Flocons de sucre」とは、デザートのこと。
デザートをこんな風に表現するなんて、素敵です!
(フロコン=結晶、シュークル=砂糖)
・Meringue, glace au lait d'alpage, marmelade d'orange
メレンゲ、アルパージュのミルクのアイスクリーム、オレンジ・マーマレード

口に含むと濃厚なミルクのアイスと口溶けのよいメレンゲにオレンジのほのかな香りが広がります。やっぱりデザートは別腹・・・!
・Comme un tableau, hebes et fleurs de nos prairies
絵画のように描いた、草原のハーブと花たち

一瞬、ショコラのジェノワーズ(チョコレートのスポンジ)と思いきや、全く違うものでした。
独特のハーブのムースのようなテクスチャーのキャンバスにあらゆる香草や花から抽出したカラフルで透明感のあるソースのコンビになっています。
口に含むと、シャルトリューズやピコンとか、あらゆる薬草の香りと味わいが次から次へと現れます。
・Mignardises
ミニャルディーズ その1

手前からシナモン、アニス、トンカの風味のメレンゲが3種!
その左奥は、薬草をつかったボンボン各種・・・
ミニャルディーズ その2

赤紫蘇のゼリー、もみの木のボンボン、ミラベルのタルトレット、シャルトリューズのパテ
堪能いたしました・・・・(至福)
こんな素晴らしい料理を作るシェフとは
エマニュエル・ルノー氏彼はもともとパリジャンでしたが、山が好きでムジェーヴへ移り、レストランを開いたそうです。
その前もサヴォワにあった、マルク・ヴェラという3つ星レストランでス・シェフを長年勤め、2004年に、M.O.F (= Meilleur Ouvrier de France : フランス国家最優秀職人章)を受賞。
彼は子供時代からスキーでよくサヴォワに訪れている山男らしく、モンブランや富士山にも何度も登頂しているらしいです。
(後で聞いた話では、彼の保険会社の担当に高山病や事故を恐れて、お願いだから3000m以上の山には登らないで欲しい、と止められているらしいですが、山のある国や地区に行く際は、彼の長年の友人で山ガイドを伴って、山登りをするらしいです)。
最後に
パリはフランスの首都だけあって、とてもラグジュアリーな3つ星レストランが数多くありますが、この「フロコン・ドゥ・セル」は山小屋のリゾートをイメージしたレストランになっており、非常にゆったりとしたスペースでリラックスして食事を楽しむことができます。
隣の方と気軽にお話・・・、なんて普通の3つ星レストランでは考えられないですが、ここでは食後のカフェをテラスでご一緒に、ということもできる、不思議な空間です。
サヴォワにお越しの際は、ぜひ一度お試し下さい!
完!!
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