至極の甘口だけでない、魅惑の白ワインとは・・・
写真:自身を「ワイン職人」と名乗るアンリ氏
先日フランスのシュッドウェストから来日してくださったドメーヌ・コアペ。
マイナー産地「ジュランソン」で、一代で世界最高峰のワインまで上り詰めたワイナリー。
まず、このワイナリーを語るのに抑えておきたいことは二つ!
1.美食家をも虜にする世界最高峰の甘口ワイン
2.超人的な感受性が作り出す魅惑の辛口ワイン
書いている今も、思い出すだけでヨダレが出てきそうです・・
ちょっとそれぞれの項目を掘り下げてみましょう!
写真:コアペ独自の手法とは!?
世界の甘口最高峰といえば・・・それはもちろん「シャトー・ディケム」!
フランス・ソーテルヌの貴腐ワインで、最高級の甘口ワインと言われています。
実は、このコアペ。
そのディケムと並んで称されるシャトー、ワイン展示会のブースでも必ず隣りに設置されるほどです。
そこまで絶賛されるコアペの甘口。実はこんな秘密があります。
1.「パスリヤージュ」と呼ばれる独特の手法
ぶどうの房の茎を少しだけ傷つけ、徐々にぶどうの水分をとばしていき、凝縮した糖度の高い実を収穫する方法
2.どんどん遅らす!収穫時期
普通では9月~10月におこなわれるぶどうの収穫。
コアペでは、なんと1月に収穫することも!
ぶどうの水分をゆっくり飛ばし、さらに寒い冬まで房と茎を繋いでおくことで、もともと酸のある品種がどんどん糖度を増してきます。
このこだわりが最高の甘口と称される背景なんですね。
ただ甘いだけではなく、完熟パイナップルのような酸味ある甘口は冷やして飲むのがおすすめです!
写真:日本入荷の辛口は4種類
今や一代で世界TOPクラスの甘口ワインの造り手となったラモントゥ氏。
しかし、彼のすごさは甘口だけではございません!
自然に耳を傾け、ぶどうの房ひとつひとつを注意深く観察することで、新たな境地を見出したのが「辛口」。
華やかで高貴な香りの地葡萄品種を遅く収穫し(一番遅い収穫で12月まで!)、ステンレスタンクとオーク樽熟成を使い分けることで、非常に個性のあるリッチで高貴な辛口ワインが生まれました。
それぞれ、全く個性の違う4種類、詳細はこちらでご確認ください!
さあ!
それでは、このコアペだけを使ったマリアージュをご紹介します!
赤ワインが欲しくなるんじゃ・・・?
いえいえ、コアペの白ワインだけでフルコース食べれてしまうほどの満足感!
是非飲んで確かめてみてください!
写真:シャン・デ・ヴィーニュ ジュランソンセック 2012
まず一番感動したのは「生貝とよく合う」こと!
品種のもつミネラル、グレープフルーツのようなフレッシュな酸味は魚介類にレモンを絞るかのように、いえ、それ以上に寄り添います。
磯や海苔などミネラルと塩気のある海の食材はもちろん、ワインと合いにくいネギや水菜など山のミネラルとの相性もバツグン!
その他、塩で食べる揚げ物などにもよく合います。
写真:ジェゼー ジュランソン・セック 2011
ジェゼー=源泉が噴き上げる という意味のワイン。
料理の旨みも噴出してくれます。
白桃やマンゴー、洋ナシのような丸みある果実味と、ペッパーのスパイシーさを感じるワイン。
カレー粉やクミンなど香辛料を使ったエスニック料理はもちろん、辛子ともよく合います。
写真:セーヴ・ドトンヌ ジュランソン・セック 2010
11~12月に収穫した樽で醗酵・熟成しているワイン。
口当たりはリッチかつ力強く、完熟果実の厚みもしっかり感じられるこのワイン。
肉質の柔らかい仔牛のロティや、クリーム系のソースをかけた白身魚。アクセントにローストしたナッツをパラパラとかけると・・・幾恵にも重なる味の魅力から抜け出せなくなってしまいます。。。
写真:バレ・ドクトーブル ジュランソン・モワルー 2011
今回最も驚いたのはこのワイン
とにかくどんな料理にもよく合いました!
生ハムや、皮をパリパリに焼いた鶏肉、チーズなどの塩気のある素材には甘さが引き立ち、オレンジやシトラス、カシスソース、はちみつなど他の甘みを感じられる場合には酸が引き立つ・・
ラディッシュやルッコラなど辛みのある野菜は、辛さを包み込み・・・
まさに1本で口中の足りない味わいを補ってくれます。
コアペの最高キュベと同じように手作業で造っている甘口ですが、意図的にアルコール醗酵をとめることで、キレのある酸が残った甘口ワインになるそうです。
夏はエスニック料理に、冬はトロトロのチーズ料理・・・とにかく万能!
写真:カンテサンス・デュ・プティ・マンサン 2009
クリントン大統領の晩さん会でも使用され、世界の100ワインにも選ばれているこのワイン。
もう、「非日常・極楽」という表現がぴったり。
12月下旬に収穫。パスリヤージュされた房が、寒い冬の風で水分を飛ばし、さらに直射日光により凝縮感が増される・・・
コアペでも2区画のみで生産されています。
料理と合わせるというよりも、このワインがソースとなるようなシンプルな料理に是非合わせてみて下さい。
飲み続けることで、良い意味で酸が美味しくなり、ぐっと料理の味のボリュームが上がります。香草との相性も◎
お食事だけでなく、食後のデザートにもおすすめ。
オレンジピールやマーマレードジャムを使った焼き菓子や、カラメルソースをかけたプリン・・・個人的にもう一度、もう一度食べたい組み合わせです!
このほか、ここではご紹介できていないワインもあります。
赤ワインが全く恋しくならない、夢のような時間をくれるワイン。
是非一度体感してください!