フランス プロヴァンス

クロ・サント・マグドレーヌ

プロヴァンスの白ワインの銘醸地「カシー」を代表する生産者

Clos Sainte Magdeleine, avenue du Revestel, 13260 Cassis . France

1850年から続く、歴史あるドメーヌ

1850年から続く、歴史あるドメーヌ

写真:地中海に突き出た畑

プロヴァンス最高の白はカシーにあり。そしてカシー最高の白はここクロ・サント・マグドレーヌと言っても過言ではないでしょう。1920年から5世代に亘りワイナリーを経営するザフィロプロ家、現在は5代目のジョナサンが当主兼醸造責任者を務めます。1900年のパリ万博で金賞を獲得し、クロ・サント・マグドレーヌの白ワインは高い名声を誇るようになります。以来、プロヴァンス最高の白ワインとして、その名が知られています。

一日中潮風に吹かれるテラス式畑

一日中潮風に吹かれるテラス式畑

写真:急峻な階段状の畑

クロ・サント・マグドレーヌには2種類の畑があり、1つは地中海に突き出た半島の畑、もう一つは断崖とも言える急峻なテラス式の段々畑です。仕立てはゴブレ式ですが風が非常に強く枝が折れてしまう危険があるため、針金で支える必要があります。当然全てが手作業。土壌は石灰と粘土で、段々畑のほうが石灰の比率が高く(約80%)、またオレンジや赤色を呈しています(酸化鉄を多く含む)。35-50年と樹齢が高いこと、さらにこの厳しい環境下にあることからワインの単位生産量は著しく低くなりますが、その分果実の凝縮度・複雑さは高くなり、プロヴァンス最高峰の素晴らしい白ワインとなるのです。

ビオロジック認証

ビオロジック認証

写真:厳しい環境の中、全て手作業で行われる

ブドウの栽培におけるクロ・サント・マグドレーヌのポリシーは、季節の移り変わりを尊重することであり、それによって土を休ませる期間と生育期間とを決定しています。ここでは一切の化学薬品を使用せず、2012年にビオロジック(有機栽培)の認証を取得しています(認証機関:Agriculture Biologique)。
剪定は冬に行われます。ここではプロヴァンス地方で多く見られるゴブレ式を採用し、長い枝を持つ太く短い主幹が特徴です。この仕立て方は通気性が良く、夏がとても暑いプロヴァンスの気候に適しています。
海に面した急勾配の畑のため、トラクターなどの機械は一切入ることができず、畑の耕作、除草作業などは全て手作業で行われます。海からの風はとても激しく、時にブドウの枝が折れてしまうほどです。こうした厳しい環境は、作業する人間にとってはとても手がかかり大変ですが、その分ブドウは、収量は落ちるものの品質は素晴らしいものになります。

徹底した温度管理

徹底した温度管理

写真:温度管理の徹底した地下セラーで全ての作業が行われる

クロ・サント・マグドレーヌのワイン造りは、19世紀後半に立てられた地下セラーで全て行われます。2011年から12年にかけてセラーの全面改修が行われ、既存の醗酵用タンクは全て最新の温度管理機能が備わった新しいタンクに取り換えられました。さらに天井と壁も刷新。これによって一年を通して涼しい温度が保たれ、ワイン造りに最適な環境となっています。
熟成容器にはステンレスタンクとコンクリートタンクを使用していますが、コンクリートタンクはさらにコーティング加工してあるものとしていないものの2種類に分かれます。伝統的にカシーの白ワイン造りには木製タンクは用いられません、これはフランスの原産地統制呼称(AOC)でも定められています。
クロ・サント・マグドレーヌでは白ワイン用にマルサンヌ、ユニブラン、ブールブーラン、クレレットという4つのブドウ品種を用いており、これらは全て別々に醸造されます。

繊細、しかし熟成にも耐えうる白ワインを。

繊細、しかし熟成にも耐えうる白ワインを。

写真:ベル・アルムに使われる卵型コンクリートタンク

クロ・サント・マグドレーヌでの醸造について説明します。
収穫、除梗されたブドウは、まずデブルバージュ専用のコンクリートタンクに投入され、約24時間静置されます。この時の温度は10度以下にならないよう調整されます。その後醗酵を行い、スタンダードの白はステンレスタンクへ、ベル・アルムは卵型のコンクリートタンクへとそれぞれ移されます。この卵型コンクリートタンクの内壁は塗装無しで、コンクリートがむきだしの状態。通気性が良く、卵型のためワインの循環が良いのが長所です。
アルコール醗酵用の酵母ですが、ベル・アルムは無添加(天然酵母を利用)、スタンダードの白については年によってまちまちで、添加する年としない年で、だいたい半々くらいの割合です。醗酵期間は、添加しないときは9週間程度、添加すると3~4週間程度となります。マロラクティック醗酵については、昔よりもワインの酸が低くなっているため、現在は行っていません。
醗酵温度は18℃から21℃と、一般的な白ワインよりやや高めの設定です。これはあまり醗酵温度が低いと、ワインの開けたてはフローラルだが、香りがストンと落ちてしまうような弱弱しいワインになってしまうためだとジョナサンは言います。少し温度を上げることで、抜栓してすぐは閉じているが、段々と開いてくるワインになります。これはつまり、熟成能力が高いことを意味します。
最後にコルクについて。クロ・サント・マグドレーヌでは有機認証を受けたビオコルクを採用。トレーサビリティがあり、ワインの品質変化が少なく、熟成に向いていると言います。

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公開日 :
2017/12/29
更新日 :
2017/12/29

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