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フランス シュッド・ウエスト
シャトー・テール・フォーヴ
美しき赤レンガの街並み、フロントン
若き醸造家がナチュラルワイン造りに挑む
- 2650 route de Campsas 31620 Fronton France
若い二人の挑戦、古木の貴重なネグレット
写真:高樹齢のネグレットの木
シャトー・テール・フォーヴは、かつては名声を誇ったワイナリーでしたが、近年は打ち捨てられていました。フロントンを代表するブドウ品種、ネグレットの古木が植わるこのテロワールに目を付け、2019年、ボルドーで経験を積んだ当時25歳の若い醸造家、モーガン・ジュアンとニコラ・ボーデの二人が蔵を購入しました。
彼らは、有機農法への移行、地域の生物多様性に配慮した環境対策を行いワイナリーを新しい形で蘇らせました。
また、彼らの存在はこの土地を芸術的な場所にも変えました。彼らのワインのラベルは国際的な若手アーティストが手掛けています。新しい世代が集まり、ワインを味わい、音楽と創作を楽しむ、芸術の展示場としての役割を果たすようになったのです。
オーナー兼醸造家、モーガン・ジュアン氏
写真:モーガン・ジュアン氏
ボルドーで生物学の学士号、ワイン醸造家の国家資格、ワイン醸造学研究の修士号を取得後、シャトー・テール・フォーヴに参画しました。
ワイン造りの最初のステップは、2014年にドメーヌ・ド・シュヴァリエでの見習いとしての経験で、ブドウ栽培とワイン造りのプロセスへの情熱を育みました。その後、ボルドーの複数のシャトーで醸造を行い、2018年には、シャトー・ペトリュスのエステートでの経験を経て、醸造家のディプロマを取得するに至りました。
生産現場での経験だけでなく、科学的な研究にも取り組み、2019年にワインの香りの分析化学の修士号を取得しました。その後、ステファニー・マルシャン博士とジュスティーヌ・ラボワリ博士の指導のもと 、ボルドーの赤ワインの熟成ブーケを構成する分子について研究。国際会議「enoIVAS 2019」において、ワイン醸造学の若手研究者として、銀賞を受賞しました。その後、シャトー・オー・ブリオンのオーナーであるクラレンス・ディロン・グループでの勤務を経て、シャトー・テール・フォーヴに参画しました。
オーナー兼醸造家、ニコラス・ボーデ氏
写真:モーガン・ジュアン氏(右)、ニコラス・ボーデ氏(左)
ニコラス・ボーデ氏は、トゥールーズで薬剤師免許と醸造家の国家資格を取得後、シャトー・テール・フォーヴに入社。
彼は、シュッド・ウエスト地方やボルドー地方で多様な経験を積みました。
2014年-2015年、ドメーヌ・デュ・ロックで学んだことがきっかけで、ワイン造りへの情熱を抱くようになりました。その後、2015年にシャトーヌフ・デュ・パプのドメーヌでワイン醸造を学び、2017年には醸造家のディプロマを取得。
2018年、クラレンス・ディロン・グループに入社し、アシスタント・セラー・マスターに就任。その後、モーガンと共にシャトー・テール・フォーヴの再建に取り組むことになりました。
有機認証を申請、生態系との共存を考える
畑では有機農法を実践しており、現在認証取得申請中です。(2020年に申請、2023年に認証予定)
土壌の微生物の働きを促進するため、定期的に土壌改良を行っています。ブドウの木は、一年中、自然に草を生やしたままです。
また、バイオダイナミック農法にも取り組んでおり、コウモリの巣箱やミツバチの巣箱の設置など、地域の生物多様性の保全に役立つ場所を設けています。
【栽培されている白ブドウ(1ha)】
・セミヨン
・ソーヴィニョン・ブラン
・グルナッシュ・ブラン
【栽培されている黒ブドウ(12ha)】
・ネグレット
・シラーズ
・カベルネ・フラン
・カベルネ・ソーヴィニョン
・ガメイ
ワイン造りへの拘り
写真:収穫作業中のモーガン・ジュアン氏
13ヘクタールの畑の収穫期間は2ヶ月間です。それぞれのブドウの木の成熟度を見極めながら、区画ごとに収穫を行います。収穫時に使用される亜硫酸塩も1?2g/hlと僅かで、亜硫酸無添加のワインも製造しています。
ワイン造りは、人工酵母は添加せずに醸造時には可能な限りの人的介入を行わない形を取りますが、正確な温度管理と定期的な分析モニタリングでワインの発展を完璧にコントロールしています。瓶詰めの際には、ワインの自然なアロマを尊重する為、基本には清澄、濾過を行っておりません。
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