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コルク臭
Bouchonne(仏)
テイスティング用語 -
瓶詰されているワインから不快な臭いがする場合があるが、このひとつをコルク臭という。
主因はトリ・クロロ・アニゾール(2,4,6-trichloroanisole)という物質で塩素系物質と青カビが反応したときに発生する。ワインのコルク栓に欠陥があるときに起こりやすい。
昔はコルク樫の処理に塩素が使われていたため、20%のワインがコルク臭に汚染されていたという報告もあるが、1990年代後半からは改善されて発生は2%ほどといわれている。技術の進化によりコルク臭の発生は減少傾向ではあるが、塩素やカビが自然界に存在するものである以上、発生率はゼロとはいえず、理論上はワインが瓶詰めされる前に汚染されることがありえる。その場合はかなり低確率ではあるがスクリューキャップやガラス栓のワインでもコルク臭になる。
トリ・クロロ・アニゾールは一般的な食品でも鮮度が落ちることで風味が弱まる原因のひとつとなっている。鮮度の低下と同時にトリ・クロロ・アニゾール量は増加する。この物質は味覚の働きを阻害して風味を感じにくくする作用をする。ワインのみならず普段の食生活でも接する物質である。
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ワンポイント!
レストランでワインを注文するとソムリエが最初にちょっとグラスに注いでくれるが、顧客にワインの劣化やコルク臭をチェックしてもらうというのが目的である。
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別名
ブショネ
類似表現
TCA
関連ワード
テイスティング、オフフレーバー
更新日
2022-05-30