フランス話題のレストランその1「Alleno Paris - Pavillon Ledoyen ★★★」【前編】

~フランス三ツ星レストランにいってきました~

by 株式会社モトックス

最終更新日:2015-06-17

スイスからお届けします。
スイスからお届けします。

スイスのミドリーナです。
日本は今年は不思議な天候だと聞きましたが
皆様いかがお過ごしでしょうか?

今年のヨーロッパの冬はそれほど寒くなく、5月の下旬から早いところでは
ブドウの樹の開花が見られ、6月に入ってからはブルゴーニュの各地でも
花が咲き始め、畑はとても素敵な香りに包まれております。

フランスは皆がこぞってテラス席でアペリティフやランチを楽しむ姿が見られ
夏到来、という感じですが、今回はフランス・話題のレストランをご紹介致します。

LEDOYEN
LEDOYEN

今年の1月末にミシュランのフランス版が発表になってから、なかなか予約の
取れなくなってしまったお店にキャンセル待ちリストに入れてもらったところ、
幸運なことに席に空きができて、伺うことができました!

2014年の秋までは、クリスチャン・ル・スケールがシェフをつとめていた
「LEDOYEN」(ルドワイヤン)が、チュイルリー公園目の前の高級ホテルである
「LE MEURICE」で3つ星を獲得し続けるシェフ、ヤニック・アレノに変わり、
アレノの大ファンであるミドリーナとしては、何がなんでも行かなければと思うこと
はや数ヶ月・・・やっと訪れることができました!

シャンゼリゼ大通りに位置する建物は歴史を物語り、2階へ続く階段を上がると
ダイニングに続きます。

メニューの秘密

アペリティフのシャンパーニュをいただきながら、メニューが渡されますが、
「あれ?」と気づいたのは、メニューがコース料理の案内の後に、メインである主菜がずらりと並んだから。
次のページをめくると、前菜が並ぶ。
通常のレストランであれば、アペタイザー、前菜、主菜、デザートと続くのが、
主菜、前菜、フロマージュ、デザートの順に並んでいる。

なぜかと訊ねたところ、「シェフにとって一番大事なのはメイン料理です。
もちろん前菜も大事なのではありますが、大事なメイン料理ががあってこそ、
前菜を何にされるか、バランスを取れるようにしてあります」とのこと。

しかし長いメニューで、迷いに迷った結果は、サプライズのコース料理を選択。

さて、少々長くなりますが、お付き合い下さいませ!

まず、アペリティフのシャンパーニュとともに、
まず、アペリティフのシャンパーニュとともに、

Salinités

- Ravioles de betterave jaune, purée de carotte et jus d’oseille
- Brioche betterave rouge farcie de riz noir betterave échalote persil, sauce
 à la confiture d’algues
- Tuile d’hibiscus, mousse oignon des cévennes oxalis

「黄蕪のラヴィオリ、キャロットのピュレ、オゼイユのジュ」
「赤蕪のブリオッシュ、黒米とエシャロット、パセリのファルシ、海藻とゴマ風味のソース」
「ハイビスカスのチュイル」

3種類のアミューズが並びます。
赤蕪から抽出したエキスを使ったブリオッシュ、といえばとてもお洒落に聞こえるが、中華でいう肉まんのような感じ・・・
メートル・ドテル(支配人)も、
「中華の点心のようなパンで、中にファルス(詰め物)が入っています」と言う。
味わいがアジアンのような洋風なような中間。
ソースがゴマの風味や海苔のような味わいなので、我々の口には馴染みやすい。いくらでも食べられそう・・・

お次は
お次は

FINE GELEE D’UN JAMBON IBERIQUE
mousse fermentée de pain de seigle
olives kalamata

「イベリコハムとジュレ
 ライ麦醗酵のムース
 カラマタ・オリーヴ」

イベリコハムの旨味を抽出したジュレとハムの組み合わせなので、結構塩がきいてます。
付け合わせのムースは、ライ麦パンを醗酵させたものがベースらしい。優しい味わい。

お魚も
お魚も

SOUPE IMPROBABLE DE POISSON FINS
sardines marinées avec une mayonnaise d’algues
lichettes de rouget citronnées à l’huile d’olive
lait de sole fouétté au sel de peau
petites ravioles « cappelleti » beurrées

「繊細な魚のスープ仕立て
 海藻風味のマヨネーズでマリネしたサーディン(5mmくらいなので見えない)
 柑橘フルーツとオリーヴ・オイルで香りつけしたルジェ(ひめじ)
 舌平目のクリーム、小さなラヴィオリ、カッペレッティ」

ルジェ(ひめじ)は生に近いため、そのまま食べると日本人には生臭く感じるかも、
と思ったが、その下に隠れているソース(マヨネーズとマリネされたサーディン)が
プロヴァンスのアンショワードのような味わいのため、同時に食べると臭みが消える。

これを食べ終わるか食べ終わらないかの時に、舌平目の風味のクリーム・スープが
小さなパスタとともにサービスされて、最後は混ぜて食べる。
 
2回目のサーヴィスはこちら。食べ終わりかけにラヴィオリを入れられるので
写真はきれいじゃありませんが。。。

こちらは食感が◎
こちらは食感が◎

PAIN DE BROCHET BRIOCHE CROUSTILLANT
extraction céleri rave

「ブロシェ(カワカマス)のブリオッシュ仕立て
 セロリ・ラヴのエクストラクション(抽出)」


2013年に訪問した、ムジェーヴの3つ星レストランである、Flocon de Sel でも
これに似た料理が出たが、アレノのそれは表面がカリカリに焼かれている。
Flocon de Sel のは全体が江戸玉に近いふんわり感があったけど、アレノのは
外側のカリッとした食感と内側のふんわり感の、コントラストが非常に面白い料理。

何のムース???
何のムース???

MOUSSE DE MOELLE ET CAVIAR OSCIETRE
jus de livèche et salsifis fumé

「オシェトラ・キャヴィアと骨髄のムース、牛蒡のスモーク、ポテト・チップス」

たっぷりのキャヴィアとその横にムース。メートルにサーヴィスされた時、
「何が入っているか、当ててみてください」と満面の笑顔で言われ、こちらも必死・・・

上の四角いのは薄切りのチップス、セロリの味もほのかにするが、何か他にある。
ムースの中にはゴボウのスモークが隠れていて、ムースとジュレの味は、
なんだかビーフ・コンソメのような味もするけれど・・・と答えると、
「ブラヴォー!ただ、このムースはコンソメというよりも、骨髄のムースなんです」

とのこと。

本日ご紹介するのはここまで!

次回はいよいよメインが登場します。
乞うご期待!

投稿者

  • Midorina

    「マダム・みどり」こと、Midorina 。
    フランスワインとフランス料理をこよなく愛すが、実は隠れイタリア好き!?
    フランス人の夫と、陰陽師の名を持つ息子とスイスのローザンヌで3人暮らし。
    フランスのコート・ダジュールに在住していた時に、ワインとガストロノミーにハマり、ついに料理教室を 開いてしまう。
    ボルドーを除くフランスワインの現地スタッフとして活躍中。

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公開日 :
2015/06/16
更新日 :
2015/06/17
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