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世界のワイナリーから 2017/01/17 by 株式会社モトックス パリの高級ホテルにあるレストラン「Le Cinq」(中編)
パリの高級ホテル「Four Seasons」。ここに入っている3つ星レストラン『Le Cinq』のレポートです。

前編の続きです

アミューズをいただきながら、厚さ7cm もあるワインリストと睨めっこです(笑)。アミューズは品数が多い上に、出されたパンがあまりにも美味で、気がつくと、シャンパーニュのボトルは3分の1に・・・

今回はコース料理9品の構成で、肉料理は1品だけ。ザッと見た感じ、貝柱や手長海老、ヒラメなどが続くので、とりあえず白を1本オーダーする算段でしたが、思っていたよりワインが高くなくてビックリ。ラヴノーのシャブリ・プルミエが100ユーロからスタートでグラン・クリュでも150ユーロ未満。しかもアルザスのトリンバック クロ・サン・チューヌが350ユーロ(しかも2007年とか)で、ページをめくったら、80年代や90年代が載っているし・・・。心は決まっていましたが、やはり3つ星レストランのソムリエとの
会話は楽しいもの。彼がどう思うかを聞いてみます!

「海の幸が続きますし、少し熟成したリースリング、または王道ですが、ラヴノーのグラン・クリュあたりのこなれたヴィンテージを考えていますが、どうでしょうか?」

と伝えると、ソムリエは即座に

「お客様はワイン関連のお仕事の方でしょう?それなら話が早い(笑)。例えばですね・・・こちら、国は飛びますが、ドイツのリースリング。ゲオルグ・ブロイヤーのこのクリュはレアワインで状態は素晴らしいです」とクロ・サン・チューヌの夢は破れ去り(嘘)、そちらをいただくことに。
テクスチャーは若干オイリーです。まだ熟成しそうな予感です。岩盤のような硬いなミネラル感、熟成したドライなリースリングは私は大好きですので、見事にストライクです!
" Saint-Jacques à cru / Extrait de Litchi"
(生の貝柱、抽出したライチ)

生の貝柱とウニという、磯の香りの素晴らしさ!
牡蠣やウニは苦手な人もいらっしゃるかもしれませんが、瀬戸内が目の前の、神戸で育った私の大好きな食材であるウニ。ミョウバンで処理されたウニではなく、殻から出したばかりの生ウニの香りと味わいの素晴らしいこと。ほのかに香るライチの妖艶さ、貝柱の表面についているのは、結晶化させたパウダー(でもないな、ツブツブ?)のウニ!ソムリエをチラリと見ると、「いいでしょう!?」と言わんばかりのアイコンタクトでコミュニケーション(笑)。
"Langoustine Bretonne Raidie"
(ブルターニュ産 ラングスティーヌ)

ラングスティーヌ(手長海老)は生に近い状態でネットリ感満載(おそらく開いて、殻の部分だけ炙っている感じ?)。そこに若干のマスタードが香る、温かい泡状のマヨネーズ。甘みの強いラングスティーヌの味わいを壊さない、バランスのとれた、柔らかで、且つ酸味ある味わいのソース。添えられた、そば粉のガレットの香ばしいこと!
"Gratinée d'Oignons"
(玉ねぎのグラティネ)

これはクリスティアン・ル・スケール氏のシグネチャー料理のひとつ。玉ねぎをキャラメリゼしたもの。

さて、食べようかしらと思い、カトラリーを手にした瞬間に、

「マダム!!そのリースリングでなく、こちらのお料理には、ぜひこのマディラ酒を合わせてみてください!」
出てきたのは、オリヴェイラのヴィンテージ・マディラ1985年!

ル・サンクの為だけに、特別ボトリングされたヴィンテージ・マディラ!オレンジピール、ヘーゼルナッツ、ヴァニラ、キャラメルのようないろんな複雑性のある香りと味わいが次々に出てきます!たしかに香ばしく、飴色に炒めた玉ねぎとは相性は抜群です。

フォークで削るように食べようと思いましたが、ハテ・・・?どうやら小さい玉ねぎのようで、玉ねぎではない様子・・・。思い切って突き刺したら、液状のものがトロっと出てきました。

中央の山状のものは、間違いなく玉ねぎのコンフィのようですが、周りの小さい球体はトリュフや玉ねぎの凝縮したスープのような液体が出てきます。玉ねぎに見えて、実はそうではないのが驚きを与えてくれます。非常にテクニカルな料理。

投稿者

Midorina

「マダム・みどり」こと、Midorina 。
フランスワインとフランス料理をこよなく愛すが、実は隠れイタリア好き!?
フランス人の夫と、陰陽師の名を持つ息子とスイスのローザンヌで3人暮らし。
フランスのコート・ダジュールに在住していた時に、ワインとガストロノミーにハマり、ついに料理教室を 開いてしまう。
ボルドーを除くフランスワインの現地スタッフとして活躍中。