主に、ボージョレ・ヌーヴォの醸造で用いられる技法。 ブドウを破砕せず、充満する二酸化炭素と一緒にタンクの中に置いて発酵させることで、フレッシュな香りと、渋みが少ないのに濃い色合いを兼ね備えたワインが造られる。 通常のワインより短期間で造ることができるので、解禁日の定められた新酒(イタリアのノヴェッロなど)の醸造で使われることが多い。
色素を最大限抽出し、タンニンは極力抽出しない、キャンディのようなフルーティな香りを出すことがマセラシオン・カルボニックの特徴。 【工程】 CO2を満たしたタンクに全房のままブドウをいれて密閉する → 酸素が遮断されると、果皮の細胞内で酵素による醗酵が始まる。アルコール1.5~2.5%、グリセリン、コハク酸とフルーティな香りが造られ、リンゴ酸は減少。ブドウは果皮が柔らかくなり自重で潰れていく。 → 出てきた果汁はブドウに付着している、もしくは添加された酵母によって醗酵が始まる。全体が液中に沈むまで醗酵させることが多い。 ここまでで色素は最大限に引き出される → 生成されたアルコールに梗や種からのタンニンが移るのが少ない段階で圧搾をかける。それにより色素は抽出されているが、タンニンが抑えられた液体が得られる → 圧搾後、密閉タンク内で液体だけの醗酵を続ける。 → 色濃くタンニンの少ないフルーティなワインが完成。