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テーマ別ワイン用語まとめ

解説ワイン用語:『レゼルヴ』

ワインの名前の中に時々登場する、『リゼルヴァ Riserva』、『レセルバ Reserva』、『レゼルヴRéserve』などの言葉。英語の『Reserve(リザーヴ)」にあたる単語で、一般的には「貯蔵する」、「キープする」などの意味合いで使われますが、ワイン用語になると、どういう意味になるのでしょうか。
(※以降、代表して『レゼルヴ』と書きます)

『レゼルヴ』はワイン用語の場合、基本、『ワインが通常より長く熟成された』という意味になるのですが、国によって意味合いが違ったり、記載する為の規定の違いもあったりします。

知っておくとワイン選びの際に役立つ単語ですので、今回は、主要な国を中心にまとめてみたいと思います。

まず、『ワインを熟成させる』にはどんなパターンがある?

まず、『ワインを熟成させる』にも大きく分けて4パターンがあります。

 ① 瓶詰めされる前に樽(小樽~大樽)で熟成させる
 ② 瓶詰めされる前にステンレスタンクや、コンクリートタンクで熟成させる
 ③ 瓶に詰めてから、瓶の状態で熟成させる
  (①~③は生産者が行う熟成)
  +
 ④ 業者や消費者が手に入れてから、瓶の状態で熟成させる(保存しておく)

商品名に入っているので、今回は、①~③の話になります。

ちなみに、スパークリングワインは外して、今回の話は進めます。



『レゼルヴ』と表記するのに規定がしっかり決まっている国

【スペイン】
スペインでは、『レセルバ Reserva 』と呼ばれますが、ワイン法で定めた最低期間以上熟成されたワインを表します。


【写真:リオハのボデガ、ウガルテの地下セラー】

原産地呼称ワインに分類され、330リットル以内のオーク樽で熟成させたワインに限って表記が認められており、更に、赤ワインと白・ロゼワインでは最低熟成期間が異なります。

具体的な規定は次の通りです。
・赤ワイン:最低熟成期間3年で、最低1年はオーク樽で熟成すること
・白、ロゼワイン:最低熟成期間2年で、最低6カ月はオーク樽で熟成すること

更に熟成期間が長いものに、『グラン・レセルバ Gran Reserva』という表記が出来るのですが、これを名乗るためには、次の条件をクリアすることが必要です。
・赤ワイン:最低熟成期間5年で、最低18カ月はオーク樽で熟成させること
・白、ロゼワイン:最低熟成期間4年で、最低6カ月は樽で熟成すること

ちなみに、『レセルバ』より熟成期間の短いものに、『クリアンサ Crianza』という表記が出来ます。
・赤ワイン:最低熟成期間2年で、最低6カ月はオーク樽で熟成すること
・白、ロゼワイン:最低熟成期間18カ月で、最低6カ月はオーク樽で熟成すること





【イタリア】
イタリアでは、『リゼルヴァ Riserva』と呼ばれ、ワイン法によって、最低熟成期間が定められています。最低熟成期間は、国全体で一律に決められているのではなく、各産地で規定が違います。

例えば、バローロが3年以上の熟成が必要なのに対して、バローロ・リゼルヴァは5年以上の熟成、かつ、アルコールは13%以上であることが義務付けられています。

それに対し、キアンティは、収穫の翌年3月から消費が可能(収穫の年の年末位から熟成に入りますから、実質、最低熟成期間は3カ月前後でしょうか)ですが、キアンティ・リゼルヴァになると、最低熟成期間は2年(うち、木樽熟成6カ月を含む)です。


【写真:キアンティの大樽】

イタリアで『リゼルヴァ』と書いていたら、長く熟成されたもの、と規定があるのですが、その期間がどの位か、となると、産地によってまちまちなんですね。



【アルゼンチン】
アルゼンチンでは、『レセルバ Reserva』と表記されますが、ここもワイン法で規定されています。

表記するには、赤ワインはオークにて12カ月以上、白ワインは6カ月熟成が必要です。

また、『グラン・レセルバ Gran Reserva』という表記もあり、少し長くなり、赤ワインはオークにて24カ月以上、白ワインは12カ月以上熟成が必要です。

他にこういった『レゼルヴ』を表記する為の規定がある国としては、ブルガリア、ルーマニアが挙げられますが、きちっと規定で決まっている国の方が少数ですね。





熟成についてでは無い『レゼルヴ』の規定のある国

【ポルトガル】
ポルトガルは、『レゼルヴァ Reserva』という規定がありますが、熟成期間について条件がある規定ではありません。

D.O.C.ワインに使われる表記なのですが、『アルコール度数が法定最低度数よりも0.5%以上高いこと、ガラス瓶に詰められていること、官能検査を通過する、などの条件を満たしたワイン』というのが、『レゼルヴァ』と名乗る為の条件です。


【チリ】
チリにはD.O.ワインに対して、『レセルバ Reserva』という規定があります。しかし、ポルトガルと似て、『アルコール度数が法定最低アルコール度数よりも少なくとも0.5%以上高く、独自の香味があり樽熟成したワイン』というのが、『レセルバ』と名乗る為の条件です。

加えて、『グラン・レセルバ Gran Reserva』という規定もありますが、こちらも、似た感じで、『アルコール度数が法定最低アルコール度数よりも少なくとも1%以上高く独自の香味があり樽熟成したワイン』という条件です。

ただ、規定としては、『より長く熟成したワイン』に名前が付けられている訳では無いけれども、『少しグレードの高いワイン』なはずですから、実質はスタンダードなワインよりも長く熟成されている事が多いとは思います。





『レゼルヴ』と名乗るのに規定が無く、使い方は生産者に任されている国

それに対し、『レゼルヴ』等の言葉を自由に用いることができる国は、アメリカ、オーストラリア、日本などです。

法的な規定はありませんが、スタンダードクラスのワインよりも長く熟成させたり、新樽を使っている比率が高いワインに、『レゼルヴ』という単語が用いられることは多いようです。





ワインの伝統国、フランスは?

ワインといえば、フランス、という位のワインの名産地ですが、『レゼルヴ』という表記がされる事も少ないですし、規定もありません。※シャンパーニュ地方はあります。

どの地方で考えてみても、大抵がワインのグレードが上がるにしたがって、本当は、『レゼルヴ』されていますが、あえて記載する必要は無し、としている感じですね。低価格帯で一部、熟成させているのをアピールする為、『レゼルヴ』と記載しているものを見る事はあります。


【写真:ボルドー地方、シャトー・ディッサンの小樽】

まとめ

国によって意味合いが異なる『レゼルヴ』を、見てみました。

一般的に、価格帯が上になると、赤は特にですが、『レゼルヴ』されている事が多いですが、規定で最低熟成期間が決まっていると、好みのワインを探す際の参考になったりしますね。

また、時間の余裕があったら、イタリアなどの同じ生産者の造る、スタンダードワインとリゼルヴァのワインを飲み比べてみると面白いと思います。




ちなみに、トップの画像は、フランス、ボルドー地方のシャトー・コス・デストゥルネルのセラーの写真です。来訪者を意識した、洗練されたデザインです。


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Writer : やまくみ
・ソムリエエクセレンス(JSA認定)
・SAKE DIPLOMA(JSA認定)
・DIPLOMA LEVEL3(WSET認定)

ワインの輸入商社にて、バイヤーを経験。
退社後の現在は、ワインのなんでも屋をちみちみとやっている。

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