フランス シュッド・ウエスト

ドメーヌ・コアペ

多くの三ツ星レストランで愛される“ジュランソンの宝石”

64360 MONEIN, FRANCE

甘口の概念を打ち破った異色のスター

甘口の概念を打ち破った異色のスター

突如、彗星のごとく現れた甘口の巨星
ドメーヌ・コアペは、ピレネー山脈の麓にある「世界最高峰の甘口ワイン」と認識されるプレステージ・ワイナリーです。フランス国内だけでも無数の高級レストランで愛される極上の甘口を世に送り出すコアペですが、その歴史は意外に浅く、正式なワイナリー設立は1980年。現在のオーナー、アンリ・ラモントゥ氏がわずか一代で築き上げました。ラモントゥ氏曰く、「ファーストヴィンテージから5年後、1985年頃には何とか上手にワインが造れるようになった」と言いますが、そのわずか3年後の1988年には従来の甘口を超える極甘口の生産に成功し、これがボルドーのヴィネクスポで行われた「世界の厳選甘口ワイン」でいきなり5位に入賞することになりました。この鮮烈なデビューが業界を驚かせるきっかけとなったのです。

美食家を虜にした独学のワイン職人
農業と酪農を営む家庭に生まれたラモントゥ氏は、1975年、27歳のときに敷地内にあったブドウ畑に興味を抱き、それから5年の歳月をかけてブドウと向き合うなかで、ブドウが栽培や醸造によってパーソナリティを表すことを知ります。そしてワイン造りに専念することを決意します。醸造学はおろかワインに関して一切知識がなかったラモントゥ氏ですが、独学でワインを学び続け、わずか10年でその評価は世界的なものとなります。この短期間で、ジュランソンというマイナー産地から彗星のごとく現れた甘口の巨星。「甘口」と一括りにするにはあまりに類まれなその味わいに、美食家たちはすぐに虜になってしまいました。

そんな名声を得たラモントゥ氏ですが、彼は自身の事をワイン醸造家とは言わず、あくまで「ワイン職人」と名乗ります。あらゆるワイン産地の醸造家と意見交換をしながら、改良を重ね、独自のワイン醸造、ワインスタイルを築き上げる。こうしてジュランソン地区においての先駆者となったラモントゥ氏ですが、その謙虚な姿勢とワインへの情熱は今も変わらず彼を支えています。甘口での評価を確立した後、ここ数年は、「ジュランソン、またコアペは“辛口ワインでも素晴らしいものが作れる”ということを世に示したい」、という思いから、辛口ワイン造りにも本格的に力をいれ、甘口にひけをとらない素晴らしいワインをリリースしています。

世界が認める偉大なワイン職人

世界が認める偉大なワイン職人

写真:オーナー兼醸造家アンリ・ラモントゥ氏

アンリ・ラモントゥ氏は1948年に、ムランクスという町に生まれました。両親は現在のワイナリーの所在地であるモナン に土地と家を購入し、ブドウを含む果物、小麦、トウモロコシなどを栽培する農業と酪農で生計をたてていました。

アンリが家業を継いだのは自然な流れでしたが、少し違っていたのは、数多くの栽培品種のなかでも特にブドウに魅せられたことでしょう。ブドウが「栽培や醸造により、栽培された土地のパーソナリティを表現する」ことを知ったことがきっかけでした。そして1978年、初めてワインを醸造しますが、当然のことながら醸造学の知識はおろか、ワインに関して一切の知識はありませんでした。それでもワインへの情熱は消えることがなく、1980年、遂にワインを本業とすべく、現在のドメーヌ・コアペを設立します。

発想を形に
そんなラモントゥ氏のワイン造りは、「自ら足を運び発想を形にすること」。1970年代、まだまだ保守的だったフランスのワイン業界において新参者のラモントゥ氏には良い意味で常識や恐れるものもありませんでした。もちろんジュランソン地区にもたくさんのワイナリーがありましたが、ジュランソン以外の地域にも目を向け訪問を始め大きな刺激を受けます。その後ボルドー大学でわずか1週間の研修を受け、エミール・ペイノー氏著「ワインの知識とその実践」を熟読。その結果、醸造したワインは見違えるほどの違いを見せたため、ますますワインにのめり込むようになりました。そうして、国内海外問わず精力的にあらゆるワイナリーに足を運び、独自の発想をワインに表現するというスタイルを確立。まさに「型破りな生産者」として、注目を集めるようになります。「専門的知識と感受性はワインにとって二つの大変重要な要素なのです。なぜなら知識のお蔭でさらに物事に精通し、より多くを感じ取れるようになるからです。」とは実感を込めて話します。

「最高の大地の恵みを受け、自然に耳を傾け、敬意を持ちながら生きてゆく」
この考えを常に胸に抱き、新たな進歩、挑戦に向かうラモントゥ氏は、「詳細は完璧に結びつく。完璧とは非常に大事なことである。」、と言います。
つまり日々少しずつ積み重ねた努力と経験はラモントゥ氏が求める完璧に近づきますが、完璧というのは唯一のものであり、それを成すためには緻密さが必要になる、という哲学を持っています。

余談)
ラモントゥ氏は酪農も行っていましたが、飼っていた30頭の牛の全てを見分けることができるほど、その特徴、性格をつかむのが得意でした。その為、ブドウ畑の樹についても、「ブドウの房ひとつひとつを、注意深く観察することにより、それぞれにどう対処するかを決める。自分にとっては何も変わらない作業。」というスタンスで、自らはあくまで職人というわけです。

食事とともにみんなで楽しむワイン

食事とともにみんなで楽しむワイン

写真:輝かしいラインナップ

人が集まり楽しく食事をするときに美味しいワイン
アンリは、「エリートが気に入るワインではなく、プロから消費者まで、ワインを愛する全ての人に美味しいと言ってもらえる、そんなワインを造りたい」と言います。ワイン愛好家というのは、世界の中でもほんの一握り。そんな人だけが美味しいと感じて、プリムールで先行投資をしたり、高値で取引されて一部の人の手にしか届かないワインを造るのではなく、「人が集まり、楽しく食事をしてワインを飲む際に美味しい、と言ってもらえた方がどんなに価値があるだろう」、というのが彼の考えです。

酸が残るキレのよい“甘口ならざる甘口”
「ワインに求めるのは果実感とフレッシュさ。口に含んで甘ったるく重たいワインは造りたくない。」というのがアンリのポシリーです。果実味とフレッシュさを得るために、畑、圧搾、醸造、あらゆる過程でこだわりを追及しています。

こうして出来上がるコアペの甘口は、驚くことに自然とグラスを何杯も重ねることができます。一杯一杯が上質感に溢れた至福のひと時を与えてくれる、まさに神の雫といえるでしょう。

輝かしい評価の一例

輝かしい評価の一例

写真:RVF誌2007/4月号

<輝かしい評価の数々>
1978年に初めて醸造を行ったアンリ・ラモントゥ氏。その10年後、1988年にボルドーのヴィネクスポで行われたコンテスト「世界の厳選甘口ワイン(11カ国から70社のセレクト)」部門で、いきなり5位に入賞するという快挙を果たしました。

1989年 ヴィネクスポ「世界の厳選甘口ワイン」でカンテサンス・デュ・プティ・マンサン 1988年が5位入賞
1994年 世界の厳選100ワインに選出
1998年 「カンテサンス・デュ・プティ・マンサン」が世界で最も偉大な甘口ワインと評価される(アシェットより)
2002年 「ノブレス・デュ・タン、はこの惑星の中で最高の甘口ワインへの仲間入りをした」(RVFより)
2003年 「誰もが認める、ジュランソンのスター」(ル・ヌーヴェル・オブゼルヴァトゥーより)
2006年 「世界の偉大なワイン」に選出(ミッシェル・ベタンヌとティエリー・ドソーヴ共同執筆本)
2008年 ドイツにて、ワインアワードに選出    他、多数。


<数多くのレストランで愛用>
2013年現在、把握しているだけでも次のレストランでオンリストになっています。

■3ツ星レストラン
Arpege, Pierre Gagnaire, Alain Ducasse au Plaza Athenee, Le Meurice, Epicure au Bristol, Ledoyen, Astrance, Le Pre Catelan, Guy Savoy,

■2ツ星レストラン
Carre des Feuillants, Sur Mesure Thierry Marx, Le Passage 53, Le Cinq, L'Atelier de Joel Robuchon, Lasserre,Taillevent, Michel Rostang,

■1ツ星レストラン
La Tour d'argent, Helene Darroze, Il Vino Enrico Bernardo, Laurent,

口コミ

  • ジュランソンの至宝!ドメーヌコアペ!概念にとらわれず常に革新のスタイルを築いているワイナリーですね。非常にレベルの高い白ワインです。

  • 自分の結婚式にも提供した愛すべきワイナリー。極上の上品な甘口が素晴らしいのですが甘さを纏いつつ、ドライに仕上げた辛口も他にはない美味さがあります。

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公開日 :
2012/07/19
更新日 :
2012/07/19

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