ワインの基礎知識
目次
『ワイン』というと、まだまだハードルを高く感じる、というか、「ややこしいんでしょ?」と、難しいイメージをお持ちの方も多いと思います。ここでは、そんな方に、ちょっと知っておくだけでワインが楽しくなる、そんな情報をまとめてみたいと思います。
3.『旧世界ワイン』と『新世界ワイン』って?
ワインは、その土地でワイン造りが始まった時代によって、『新世界』と『旧世界』に分けて語られる事があります。
新世界とは
古くからワイン造りが行われてきたヨーロッパを中心とした国々に対して、大航海時代にワインが伝わり、新しくワイン造りを始めた国の事が、こう呼ばれます。ニューワールドとも言ったりします。
主な国としては、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ等。日本もこちらに含まれます。
どの業界でも新参者への風当たりという問題がありますが、ワインの世界も同じ。以前は新世界で造られたワインは、レベルが低く見られていましたが、現在では素晴らしいいワインも沢山造られています。ただ、比較的安いものが多い傾向にあります。
新世界のワインは歴史が浅い分、古い伝統にとらわれることなく、新しい技術をどんどん取り入れ、単一のブドウ品種で造ることが多く、ラベルは生産地域やブドウ品種などが分かりやすいものが多いです。
チリ
新世界の代表はチリです。16世紀半ば、スペインのカトリック伝道者がブドウ栽培を持ち込みました。1818年に独立してからは、経済の発展と共にワインも発展しました。その後20世紀末頃から単一の品種を使った、分かりやすい味わいで成功しました。現在は、複雑味のある高品質のワインを目指す生産者も増えています。
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネを使い、恵まれた日照を生かした力強いワインが多く造られています。カルメネールという固有の品種も使っています。
アメリカ
アメリカもまた、新世界の代表です。1776年に独立し、その後ワイン造りを開始。新世界ではいち早く、カリフォルニア大学デイヴィス校等のワインの発展を促す機関も出来、技術の発展が進みました。
カジュアルなワインがある一方、カリフォルニアのナパ・ヴァレーのいわゆる『カルト・ワイン』といった、高額なものも造られています。
カリフォルニアを中心としてカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネのワインが造られる事が多いですが、もう少し北部のオレゴン、ワシントンでのワイン造りも増え、ピノ・ノワール、リースリング等の品種も増えています。
新世界とは
旧世界というのは、古くからワイン造りを行っているヨーロッパの国々です。主な国としては、フランス、イタリア、ドイツなどが挙げられます。長い歴史を経た、食事に合わせやすい落ち着いたスタイルのワインが多い、という利点がある一方、歴史の中で培われてきたルールがかえって足かせになっている、という短所もあります。
フランス
旧世界の代表は間違いなく、フランスでしょう。生産量の多さもそうですが、北部を除くほぼ全域でブドウが栽培され、様々な種類のワインが造られています。特に赤ワインの有名な産地ブルゴーニュ地方とボルドー地方に加え、シャンパーニュ地方のスパークリングワインは群を抜いて有名です。
フランスの国内でも各産地によって、昔から使われている品種に違いがあり、それぞれの個性を守る為、ワイン法によって統制がされています。その為、産地・格付け等で品質が推測できる利点と、法に縛られて保守的になってしまう短所もあります。しかし、何と言っても、ワインと言えば、フランスを思い浮かべる人は多いはず。
イタリア
また、イタリアも旧世界の代表格。1861年に統一されるまで、いくつもの国家に分かれていた為、州ごとに様々な個性を見せてくれるのが、イタリアの醍醐味だと思います。そんなイタリアで最も有名なのは、トスカーナ地方のキアンティと、ピエモンテ地方のバローロ、バルバレスコというワインでしょうか。
イタリアもフランスと同じくワイン法が整備されていますが、産地の規制や格付けの枠を外れたものにも優れたワインが数多く存在する為、格付け、ラベルを見ても品質が分からない所が難しいのですが、面白さでもあるようです。