ワインの基礎知識
目次
『ワイン』というと、まだまだハードルを高く感じる、というか、「ややこしいんでしょ?」と、難しいイメージをお持ちの方も多いと思います。ここでは、そんな方に、ちょっと知っておくだけでワインが楽しくなる、そんな情報をまとめてみたいと思います。
4.『格付け』『ワイン法』とは何でしょうか?
まず、品質の安定を図る為、各生産国で、ワインの商品名を名乗る際に決められているルールが『ワイン法』です。例えば、EU加盟国では、ブドウ品種の名前をラベルに記載するには、全体の85%以上使用する事、シャンパーニュ地方でシャンパーニュとラベルに名乗るには、『機械摘み』ではなく、『手摘み』でないといけない、等のルール決められています。
19世紀後半、ヨーロッパ全域をフィロキセラ、うどん粉病等が次々と襲い、その後も第一次世界大戦、続く悪天候、世界恐慌によって業界は沈滞し、偽ワイン、不正取引が横行しました。その為、1935年、フランスにてワイン法が制定されたのですが、この事は他の国々にも大きな影響を与えました。
1935年にフランスで制定されたワイン法は、A.O.C.(=原産地呼称制度)と呼ばれるものでした。産地名の『A.O.C.』を名乗るためには様々な品質規格基準(産地、ブドウ品種、収穫量、醸造法、試飲検査など)をクリアする必要があります。
その後、2009年に法改正があり、別に制定されていたワイン法、V.D.Q.S. とA.O.C.と合わせて、A.O.P.(原産地呼称保護)という格付け表記になりましたが、従来通りのA.O.C.表記も認められています。(A.O.C.をもう少し知りたい方はコチラ)
イタリアなどでは、大雑把な説明ですが、『国内で規定を守って造られたワイン』に『I.G.T.』、『更に細かい地区限定の、地区の細かいルールに従ったもの』に『D.O.C.』、『その中でも昇格した地区のもの』に『D.O.C.G.』が格付けられています。ただし、『D.O.C.G.』より高値かつ高品質のものが『I.G.T.』にゴロゴロあったりするので、ワイン法が最低限の品質の保証に近くなったりする訳です。
『格付け』はもう少し古く始まり、有名なものでは、フランス、ボルドー地方で行われた、1855年のメドック地区での格付け。パリ万国博覧会が行われる際に、ナポレオン3世の「何か目玉となる企画を。」との命令により、ボルドーの商工会議所が、当時の名声、取引価格を参考に選出された60のワインが1級から5級までにランク分けされたのです。それが、今日まで基本見直しは無く、市場取引価格に影響を及ぼしている訳ですから、1級以外の生産者は不満な人も少なくないはずです。