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テーマ別ワイン用語まとめ

アルゼンチンで使われるブドウ品種

アルゼンチンは日照量が多く、栽培条件的に恵まれている為、果実とボディのしっかりしたワイン、コストパフォーマンスのあるワインに沢山出会える産地です。今回は、アルゼンチンで使われている主要なブドウ品種の紹介をしたいと思います。

アルゼンチンとは

アルゼンチンは、南アメリカ大陸の東海岸に位置する国です。南半球に位置しているので、ブドウの収穫のタイミングは日本と半年ずれています。最も主要な栽培地はメンドーサで、メンドーサはアルゼンチンのブドウ栽培の7割ほどを占めています。


【アルゼンチンというとサッカーとタンゴを思い浮かべる人も多いはず】

西隣のチリとの国境沿いに広がるアンデンス山脈で雨が降ってしまう為、乾燥しており、晴れは年間300日近く、と、十分な日照があります。産地は海抜450~2980mに位置しているので、病疫も少ないのも特徴です。光の紫外線が強い為、皮は厚みが増し、香りも強く引き出されやすくなる、とされています。


【アンデスのふもとに広がるブドウ畑】

歴史的には、アルゼンチンは、ヨーロッパから伝来された技術でブドウ栽培・ワイン醸造が始まっており、いわゆる『ニューワールド』というグループに入ります。

ブドウは、16世紀前半から中頃にかけて、スペインからキリスト教の伝道師たちによって、カナリアス諸島を経由して伝来した、と言われており、伝来後は、風土に合ったブドウ栽培が広まっていきました。

そして、その後、19世紀後半にヨーロッパから多くの移民がやってきた事により、ワイン消費層が拡大し、20世紀初めにはイタリアから沢山移民がやってきて、アルゼンチンのワイン造りに大きな影響を与えました。

主要な黒ブドウ品種① マルベック Malbec

最も主要かつ、アルゼンチンを代表するブドウはマルベックです。マルベックは本来、フランスのシュッド・ウエスト(南西)地方が原産の黒ブドウですが、現在の主な栽培地はアルゼンチンです。


【濃厚な色合いの赤ワインを生み出すマルベック】

フランス、シュッド・ウエスト地方のカオール地区やボルドー地方でも栽培されており、カオール地区では、『コット』とも呼ばれています。

マルベックはうどん粉病に弱く、遅霜や開花期の湿気にも弱いので、フランスでの栽培は以前に比べ減少しましたが、乾燥したアルゼンチンには相性が良かった事もあり主要な品種となりました。最大の産地であるメンドーサを中心に栽培されています。

アルゼンチンのマルベックは房も果粒も小さく引き締まっており、アロマが豊かなのが特徴です。標高が高い位置で栽培されるマルベックはタンニンも増え、強い紫外線から身を守る為、果皮も厚くなります。

色は濃い目で、アルコールが強くフルボディスタイル、熟した黒い果実やスパイシーな香りの赤ワインが多く造られています。

主要な黒ブドウ品種② ボナルダ Bonarda

次いで主要な品種はボナルダです。現在、アルゼンチンに加え、北イタリアで主に栽培されている黒ブドウ品種ですが、栽培面積もアルゼンチンの方が大きく、アルゼンチンでのブドウ品種という印象が強いです。マルベックもそうでしたが、主な栽培地はメンドーサです。果実味豊かな比較的お手頃なワインが造られています。


【ボナルダは色の濃さが特徴のひとつ】

19世紀末から20世紀にかけてイタリア移民によりアルゼンチンに持ち込まれたとの説がありますが、アルゼンチンのボナルダは近年のDNA解析により、イタリアのボナルダ・ピエモンテーゼやその他イタリアでボナルダと呼ばれているどのブドウでもなく、フランス・サヴォワ原産のドゥース・ノワール(シノニムはシャルボノ、コルボー)であると判明しています。

主要な黒ブドウ品種③ カベルネ・ソーヴィニヨン Cabernet Sauvignon

ニューワールドの特徴らしく、次いで主要な黒ブドウ品種は、国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンです。19世紀後半に持ち込まれ栽培が始まりました。

実が小さめで、皮は厚めのブドウで、温暖な地域に適しています。渋みのしっかりとしたワインが造られ、アルゼンチンでは加えて果実味も豊かです。


【世界で広く栽培される黒ブドウ品種】

もちろん、産地によってスタイルの違いがあり、北西部では凝縮があり、ブラックベリーや胡椒を想わせるスタイル、中央部は良く熟したベリーを想わせる果実味がしっかりしたタイプ、南部はミネラル感があり複雑味のあるタイプのワインが多く見られます。
(※間違いやすいですが、北の方がより温暖、南の方がより冷涼です。)

最も本場とされるフランス、ボルドー地方では他のブドウ品種とブレンドされるのがほとんどですが、アルゼンチンでは単一でワインが造られる事が多いです。

主要な白ブドウ品種① トロンテス Torrontes

ロンテスはアルゼンチンを代表する白ブドウ品種であり、他の国ではほとんど栽培されていません。

黄色い果皮のブドウ品種で、マスカットや柑橘、バラを想わせる華やかな香りが特徴的です。強い日差しのもと育ったアルゼンチンのトロンテスは豊かなアロマが際立っています。香りは華やかですが、もちろん、味わいは辛口に造られるので、『ツンデレ的』だな、と思います。(←死語?)


【写真はブレンドですが、トロンテスは透明のボルドー瓶に入っている事が多い】

トロンテスには、トロンテス・リオハーノ、トロンテス・メンドシーノ、トロンテス・サンホアニーノという3種の亜種があり、トロンテス・リオハーノが最もアロマティックだと言われています。

ちなみに、アルゼンチンのトロンテスは、透明のボルドー瓶に入っているものが多いです。

主要な白ブドウ品種② シャルドネ Chardonnay

トロンテスに次いで広く栽培されているのが、他のニューワールドでも広く栽培されている国際品種のシャルドネです。


産地ごとに、それぞれ違ったスタイルのワインが出来る品種であり、アルゼンチンでも、樽熟成させたボディのしっかりした白ワインから、スパークリングワインまで幅広いスタイルのものが造られていますが、概ねトロピカルフルーツやリンゴを想わせるスタイルのものが多いのがアルゼンチンのシャルドネの特徴です。

単一で造られる事が多い

主要な品種として、マルベック、ボナルダ、カベルネ・ソーヴィニヨン、トロンテス、シャルドネを説明してきましたが、どの品種も、いくつかの品種をブレンドするのではなく、単一品種でワインを造る事が多いのも特徴です。ブレンドしたワインが『ブレンドワイン』と呼ばれるのに対し、1種類で造られるこういったワインは、『単一ワイン』と呼ばれたりします。

単一ワインは、商品名、ラベルにブドウ品種が出てくるので、消費者の方達が分かりやすい、という利点がありますね。

おわりに

アルゼンチンの主なブドウ品種として、上で挙げてきたもの以外にも、栽培面積が大きいブドウ品種は他にもあります。黒ブドウ品種の、セレサ、クリオジャ・グランデ、白ブドウ品種のペドロ・ヒメネスなどです。

しかし、それらの品種は、濃縮果汁として使われたり、低価格のワインに使われたり、等の理由により、実際の市場の主力ワインに使われにくい品種であるので、今回のまとめからは外しています。アルゼンチンワインの公式HPのブドウ品種の所にそれらの品種は掲載されていない事からもグループとして違う、というのが分かって頂けるのでは、と思います。