2022-01-24

ボルドーワインを学ぶと出てくるキーとなる用語集

ワインの生産地として名高いフランスの中でも、3大銘醸地と言われる、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ボルドー。今回は、その中の、「フランスワインの女王」とも呼ばれる、『ボルドー』地方を知るうえで、キーとなる用語を見て行きたいと思います。

フランスの南西部にあるボルドーは比較的温暖な気候の土地です。
温暖であることもあり、ボディのしっかりしたワインが多いです。

ボルドーでは基本、指定の何品種かブレンドして造られます。

主に使われる品種は、白が、『ソーヴィニヨン・ブラン』、『セミヨン』、『ミュスカデル』の三品種。

軸となる事が多い『ソーヴィニヨン・ブラン』は酸やミネラル感、爽やかな香りを与え、『セミヨン』はまろやかさや豊かさを与えます。そして、そこに華やかな香りをプラスしてくれる『ミュスカデル』が少量ブレンドされたりします。

次に赤ですが、主に使われるのは、ワインに骨格を与える『カベルネ・ソーヴィニヨン』、そして、まろやかさとボディを与える『メルロー』。そこに、フレッシュさなどのアクセントとなる『カベルネ・フラン』、『プティ・ヴェルド』が少量ブレンドに使われます。

年によって出来の良い品種、出来の悪い品種があるので、リスク分散の為、ブレンドをするようになったと言われます。

生産者によっては、例年は何品種かブレンドするのに、年によってはブレンドをせず、出来の良かった1品種で勝負して来たりするのが、「おー!」って感じだったりします。


ボルドーの主な生産地を紹介したいと思います。産地名は、イコール、ワインのカテゴリー名として使われますので、覚えておくと良いのです。例えば、『サン・ジュリアン』という産地名は、「私、サン・ジュリアンが好きなのよねー。」というように『サン・ジュリアン産のワイン』としても使われるからです。

まず、産地を理解するのに欠かせないのが川の位置です。ボルドー地区には大きな川が3本あり、ボルドーの南、ピレネー山脈を水源とするガロンヌ川、中央山塊を水源とするドルドーニュ川、そして、その二つの川が合流しジロンド川となって、大西洋へ流れ出ます。
その『人』の様な形の川の左側を『左岸』、右側を『右岸』、と言います。

では、産地を具体的に見て行きましょう。

まずはその左岸の代表的な産地が、『メドック』。ボルドー市の北に広がる地域で、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを主としたしっかりとした赤ワインが多く産出されます。

そのメドック地区の中もいくつかに分けられていて、北から、『サン・テステフ』、『ポイヤック』、『サン・ジュリアン』、『マルゴー』という優れた産地が並んでいます。そうですね、『散歩(さんぽ)、三十万(さんじゅうまん)。』とでも覚えましょうか。

それぞれ、堅牢で骨太なワインの多い『サン・テステフ』、力強いワインの多い『ポイヤック』、力強さとしなやかさを兼ね備えた『サン・ジュリアン』、エレガントなスタイルの『マルゴー』というように、個性があります。


そして、右岸を代表するのが、『サン・テミリオン』と『ポムロール』。右岸は土壌との相性の関係もあり、カベルネ・ソーヴィニヨンが少なくなり、メルロー中心のブレンドになります。

『サン・テミリオン』は口当たりしなやかなワインが多く、『ポムロール』は豊かで官能的なワインが多いとされています。

かなり大きく分けますが、『左岸』のワインはがっちり系が多く、『右岸』のワインは滑らか系が多い、と掴んでおくと良いと思います。

局部的な話になるのですが、『メドック格付け』はボルドーを語る時に外す事は出来ません。

パリ万博の目玉が必要、という事で、メドック地区の有名な60程のシャトーを選び出し、1級から5級までランク分けした、その1855年の格付けを『メドック格付け』と言います。

そのトップである1級に君臨するのが、シャトー・マルゴー、シャトー・ラフィット、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・オー・ブリオンなのですが、この5つのシャトーを『5大シャトー』といいます。『メドック四天王』、『メドック・ビック・ファイブ』みたいな感じでしょうか。

ボルドーの他の地区にも格付けがあるのですが、ここの格付けが一番分かりやすく、存在感は絶大です。

今更ですが、ボルドーの生産者は大抵、『シャトー』と呼ばれます。敷地にシャトー(城)があっても無くてもシャトーです。そして、『シャトー・〇〇』という生産者名があって、同名がワイン名にもなります。そして、大抵が、その主となるワインのひとつ下のクラスのワインを造っていて、それは、『セカンドワイン』と呼ばれます。

ちなみに、更に『セカンドワイン』の質を上げる為に、『サードワイン』が造られる事があります。

『セカンドワイン』は、樹齢が若い区画を最初からセカンドに使おう、と決めておいたり、醸造して、出来たワインを試飲してクラス分けし、セカンドクラス向けと判断したものを使ったりします。

「セカンドワインはシャトーの下のレベルのワインなのかー」、という見方も出来ますが、値段も半分位で、かえって軽やかさがあって飲みやすい、という良い点もあります。

公開日 :
2022/01/24
更新日 :
2022/01/25

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