2022-12-19
テイスティングにまつわる用語 〜外観編〜
ワインの『テイスティング』というのは、「このワインはこういう特徴だな」と分析しながら味わう事だと思っています。ですので、基本は自由に感じたままに行えば良いのですが、一歩踏み込んで学んでいくとなると、ある程度決まった用語を知っておくと便利ですね。
今回はテイスティングの中でも、外観にまつわる用語を見ていきたいと思います。
テイスティングの一つ目のステップ、『外観』
テイスティングをする過程を4つのステップに分けると下記のようになります。
① 見た感じ(外観)をチェック
「どんな色かな?」「濃いかな?」
② 香りをチェック
「香りは強いかな?」「例えると何だろう?」
③ 味わいをチェック
「味わいは濃いかな?」「渋いかな?酸っぱいかな?」
④ 適切な飲み方を考える
「冷やした方が良いかな?」「グラスはどんなのが良いかな?」
今回は、ステップ①の『外観』を見る流れを確認しながら、用語の解説をしていきます。
外観は『色調』、『色の濃淡』、『輝き』、『清澄度』、『粘性』、『泡立ち』の項目を順番に確認していきます。
色調を見る
まず、グラスを持ち上げて『色調』を見てみましょう。
『色調を見る』というのは、白ワインは『黄色』、赤ワインは『赤色』から、もう少し細かく観察します。
赤ワインと言っても全てが同じ赤色では無く、紫がかった赤や、オレンジに近い赤があるので、それを分けるんですね。『ガーネット』や、『ルビー』など特定の色を指す単語を使う時もあります。
【右と左では違う赤色】
代表的な特定の色としてはこんなものがあります。
白ワインは、『黄色』『黄金色』『琥珀色』
赤ワインは、『ルビー』『ガーネット』『レンガ色』
色調を見る時は加えて、グラスにあたっている液面の部分、『エッジ Edge』というのですが、グラスを少し傾けてエッジの色も見ます。
赤ワインが熟成していると、エッジにレンガ色や茶色が見えたり、若いと紫色が見えたりします。
色の濃淡を見る
そして、『色の濃淡』を見ます。
『色の濃淡』というのは同じ黄色でも『濃い黄色』か『薄い黄色』か、等を確認する事です。『色調』と『濃淡』は混同しがちですが、分けて考えるのがポイントです。
今までの過程で、「色調は黄色だ」+「エッジに緑色が見えた」+「色は薄いな」と思った場合は、「エッジに緑の入った薄い黄色のワイン」というまとめになる訳です。
『輝度』と『清澄度』を見る
続けてワインの『輝き』が強いか鈍いかを見ます。
これは、慣れないと難しいと思うので少しずつですね。酸度が高いと輝きが強く、低いと輝きが下がります。そういった点を判断する為に確認をします。
そして『清澄度』、つまり、透明度を確認します。清澄度が高いと判断されるワインが多いのですが、まれに健全度が低い場合や、造り方が理由で清澄度が低い場合があります。
『粘性』を見る
『粘性 Viscosity』とは、ワインがさらりとしているか、濃厚であるか、という事です。
一見どのワインもさらりとしているように見えますが、ささやかにワインによって粘性の差があるのです。粘性は『ジャンブ Jambe』とも言います。
『粘性』の確認の仕方としては、グラスを傾けて、そして戻した時に、グラスの内側にワインが伝って落ちてくる跡が見えるので、その跡をチェックします。この跡が残りやすいほど、粘性が高いと判断します。
この跡の事は『脚 Legs』、『涙 Tears』と言います。ワインの粘性が高いほど、『脚』、『涙』は数が多く長くなります。
赤ワインの方が見やすく、白ワインは少し見にくいですね。アルコール度数や糖度が高くなると、ワインの粘性は高くなります。
また、粘性を見るのにワインの液面を横からも見てみます。横から見ると液面に層が見えるのですが、この層の事を、『ディスク Disk』と言います。このディスクが厚いほど、粘性の高いワインです。
粘性が高いと、表面張力により液面の層が厚く見えるのです。白ワインは脚で見にくいので、ディスクを見た方が粘性が分かりやすいかもしれません。
『泡立ち』を見る
最後に『泡立ち』を確認します。
スパークリングワインの場合は、泡の粒の細かさ、持続的に泡が上がっているかどうか、などを見ます。泡の粒が細かくて、持続的に上がっているものを、基本質の高いものと見ます。
【左と右で泡の大きさが違いますね】
スティルワイン、つまりスパークリングで無いワインでも泡立ちは確認します。フレッシュな状態のワイン等には軽く泡が出てくる事がある為です。
まとめ
以上、用語を解説しながらテイスティングの準備と外観のチェックの流れを解説してみました。
外観のチェックする項目は沢山ありますが、色調、濃淡、この辺りから始めてみると良いかもしれません。
さて、次は『香り』を観察してみましょう。
- 公開日 :
- 2022/12/19
- 更新日 :
- 2022/12/19
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