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テーマ別ワイン用語まとめ

シャブリ グラン・クリュの畑を整理する

『シャブリ』というのは、フランスの銘醸地、ブルゴーニュ地方の中でも一番北にある産地で造られる白ワインで、日本だけでなく世界で広く知られています。

そして、シャブリは、造られる畑に基づいて、『シャブリ グラン・クリュ』、『シャブリ プルミエ・クリュ』、『シャブリ』、『プティ・シャブリ』と格付けされています。

今回はその中でも最上品質のシャブリ、『シャブリ グラン・クリュ』が造られる畑についてまとめてみました。

シャブリとは

フランスのブルゴーニュ地方の最北部、ヨンヌ県、スラン(Serein)川の両岸に広がる地区で造られている、辛口でミネラル感あふれる白ワイン、それが『シャブリ』です。日本では、シャブリはワインが輸入されるようになった初期の頃から親しまれています。

品種には『シャルドネ』が使われています。シャブリの土壌には、『キンメリジャン』と呼ばれる牡蠣の化石などを含んだ石灰質の土壌が含まれているのも大きな特徴です。


ちなみに、シャブリの畑からは大昔に海の底だった時代の牡蠣の化石が出てくる事から、『牡蠣とシャブリ』は究極のマリアージュだ、と言われています。実際、牡蠣の磯風味に負けないミネラルがあるシャブリは確かに牡蠣に合わせやすい、と言ってよいと思います。

シャブリには4つの格付けがある

シャブリは、造られる畑によって4つのクラスに格付けされており、上から、特級畑で造られる『シャブリ グラン・クリュ』、一級畑で造られる『シャブリ プルミエ・クリュ』、『シャブリ』、『プティ・シャブリ』と分けられています。

今回は、その中の最上品質とされる、『シャブリ グラン・クリュ』の造られる特級畑を見ていきたいと思います。

特級畑は全部で7つあり、全てシャブリの町の北を流れるスラン川の対岸の斜面に広がっています。川に面しているというのに加えて、南に面した斜面が多いというのも、畑の環境に大きな影響を与えています。


【スラン川に面した斜面に広がる7つの特級畑】

『Bourgros ブーグロ』

『ブーグロ』は、特級畑の中で最も西に位置し、標高130~170mに南西向きに斜面が広がっています。ボリュームのある豊かな味わいのスタイルのシャブリが造られる事が多い畑です。栽培面積は15.79ha。


『Les Preuses レ・プルーズ』

『レ・プルーズ』は、南西向きの緩やかな斜面に位置しています。女性的で奥深いミネラル感に緊張感のある酸味のスタイルのシャブリが多く造られます。熟成のポテンシャルが高く、長熟によって真価を発揮します。栽培面積は11.09ha。

『石ころだらけの道、ピエルーズ< Voie Pierreuse >』という名前が、時とともに、『ピエルーズ < Pierreuse >』になり、そして『プルーズ < Preuse >』という名前になったという説があります。


『Vaudesir ヴォーデジール』

隣接して存在する特級畑群の中心に位置する、『ヴォーデジール』。他のグラン・クリュと比較して粘土質が多く、エレガントなスタイルのワインが造られることが多い畑です。栽培面積は15.43ha。 

名前の由来として古いフランス語で『Hait』という言葉は希望、ねがい、願望を意味し、『願いの谷 < val des haits >』から『Vau des Haits』、そして『Vau Desir』へと変化した、という説があります。


『Grenouilles グルヌイユ』

栽培面積は9.38haと、7つのグラン・クリュの中で一番面積が小さい特級畑、『グルヌイユ』。特級畑群の中心、南西向きの急な斜面に位置し、レ・クロと並んで評価が高い畑です。ミネラル感豊かなワインを生み出すその存在感はシャブリの神髄ともいえます。

斜面の裾にスラン川が流れており、そこからカエルの鳴き声が聞こえるため「グルヌイユ=カエル」と名付けられたと言われています。

1930年代からの趣ある古い建物がグルヌイユの畑のふもとに存在しており、この区画は特別に「シャトー・グルヌイユ」の名をつけられています。生産者はシャブリジェンヌのみです。


『Valmur ヴァルミュール』

『ヴァルミュール』は隣接して存在する特級畑群の中心部の『谷』に位置しています。豊かな味わいと香りが理想的なバランスのグラン・クリュだ、という意見が多い畑です。栽培面積は10.55ha。

1537年に「Vallemeur」(※今とスペルが違うので注意)と記述の残るこのヴァルミュールという畑の名前には、2つの語源があると言われています。一つは『Meures』の渓谷。『Meures』とは、古いフランス語でキイチゴの実を指し、かつて、ここにはキイチゴの茂みがあったのだろうとという説。もう一つは、『Meurs(壁)』に由来するという説。この『Meurs(壁)』は所有地を限定するために造られたもので、区画の上部に畑から取り除いた石ころが積まれ、『Murgers』または『Meurgers(Meurgersの渓谷)』と呼ばれていた、と言われています。


『Les Clos レ・クロ』

『レ・クロ』は7つの特級畑の中で最も面積が大きく、知名度も高い畑です。品質としても最上級の畑と言われています。斜面は主に南西向き。力強く男性的なスタイルで、比較的若いうちから真価を発揮するワインが造られることが多い、とされています。栽培面積は27.75ha。

レ・クロの畑はポンティニーのシトー派の修道院の開拓したシャブリのぶどう園の起源の地と言われています。
『Clos』というのはフランス語で『囲い、塀』という意味ですが、かつて、最も優れた区画は、土壌の流出、動物などから守るため塀で囲われることが多く、レ・クロも古くから優れた畑と見なされ、塀で囲われていたのだと推測されています。


『Blanchot ブランショ』

最後に紹介の特級畑は『ブランショ』。特級畑の中で最も東に位置し、アロマティックで、エレガントなスタイルのワインが造られる事が多い畑です。底土が粘土石灰質、表土が石のごろごろした石灰岩で構成される土壌で、栽培面積12.68haです。

この畑の土壌が白みがかった石灰岩で構成される表土が明るいことから、『明るい』を意味するゲルマン語の『Blank』が由来である、と言われています。


特級畑の名前は

『ブ』―グロ
『レ』・プルーズ
『ヴ』ォ―デジール
『グ』ルヌイユ
『ヴ』ァルミュール
『レ』・クロ
『ブ』ランショ

というように、西から特級畑を読んでも、東から特級畑を読んでも頭文字の並びは同じ、と覚えておくと、畑の位置を覚える参考になるかもしれません。『レ・プルーズ』などは、単に『プルーズ』と記載される事も多いのでご注意を。

以上の7つの特級畑で造られたブドウを使い、かつ特級畑の中でもひとつの特定の畑のブドウのみを使って造られたワインは、商品名として畑の名前を名乗る事が出来ます。『シャブリ グラン・クリュ レ・クロ』や、『シャブリ グラン・クリュ ブーグロ』という感じですね。もちろん、この希少なワインは普通の『シャブリ』よりも値段は上になりますが、特別な白を飲みたい、という時の選択肢に是非加えてみてください。