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ポルトガルで使われるブドウ品種

ポルトガルは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど世界的に広く栽培されている国際品種の栽培が少なく、固有品種が発達しています。他では聞かない品種が沢山です。今回はそんなポルトガルワインで使われるブドウ品種についてまとめてみました。

ポルトガルのブドウ品種の特徴

ポルトガルはイベリア半島、スペインの西に位置しています。ヨーロッパの中で、魚介も米の消費も最も多い国であり、食文化は日本に近い、と言われていたりしますね。


【 魚介量の消費が多いポルトガル 】

そんなポルトガルは、つい40年程前まで独裁体制により鎖国に近い状態でした。その為、カベルネ・ソーヴィニヨンや、シャルドネなどの国際品種のブームが到来し、世界各地に栽培が広がった時も、その影響を受ける事が無かった為、独自の固有品種が現在も多くを占めているのが特徴的です。固有品種の中に、様々な国際品種を取り込んできたイタリア、スペインとは異なっていますね。

また、もう一つのポルトガルのブドウ品種の特徴としては、様々な品種をブレンドする事が多い点です。ポルトガルには250を超えると言われる固有品種がありますが、その中から2、3種に留まらない複数の品種をブレンドします。極端な例として200種以上をブレンドした白ワインもあるそうです。

ポルトガルと言えば、この木。何の木でしょうか?答えは最後に。


黒ブドウ品種 その① ティンタ・ロリス Tinta Roriz

ポルトガルの黒ブドウとしては一番主要となる品種が、『ティンタ・ロリス』です。同じポルトガルでもアレンテージョ地方では『アラゴネス』とも呼ばれています。スペインでも広く栽培されているブドウで、スペインでは『テンプラニーリョ』と呼ばれています。

他の黒ブドウ品種のトウリガ・ナショナルやトウリガ・フランカ等とブレンドし、ポートやドウロでの主要品種を担うほか、ダンでも重要な品種です。アレンテージョ地方ではトリンカデイラ等とのブレンドに用いられることが多く、よりしっかりとしたワインになります。

基本、赤果実、プラム、ブラックベリーのアロマと、熟成のポテンシャルをもたらす、力強いタンニンを持つワインが多く造られています。

ちなみに、赤ワインは黒系果実、赤系果実のどちらのアロマの要素が強いか、と分別されることが多いのですが、このブドウで造られたワインは赤果実、黒果実、両方の要素を兼ね備えている事が多いです。


【 まったりとしたお家時間に最適なポートワイン 】

黒ブドウ品種 その② トウリガ・フランカ Touriga Franca

次いで主たる黒ブドウは、固有品種のひとつであり、ポートワインの公式推奨品種5種のひとつである、『トウリガ・フランカ』。ドウロ渓谷で幅広く栽培されています。

色合いは濃く、ブラックベリー等のフルーツ、花の香り、滑らかなタンニン、熟成のポテンシャルを持つワインが造られます。

単一で使用されるよりブレンドに使われる事が多く、ティンタ・ロリス、トウリガ・ナショナルとブレンドされます。病疫に強いので、栽培は比較的容易な品種です。

黒ブドウ品種 その③ トウリガ・ナショナル Touriga Nacional

同じぐらい多く栽培されている固有品種が、『トウリガ・ナショナル』です。もともとポルトガルの北部を中心に栽培されていましたが、現在では全域で栽培されているブドウです。

色合いは濃く、カシスやラズベリーの豊かな香りに加え、リコリスやスミレなどの豊かな香りが特徴的です。タンニンのしっかりしたワインが造られる事が多いのですが、近年、生産者によってはエレガントなスタイルのワインも増えてきています。


黒ブドウ品種 その④ トリンカデイラ Trincadeira

これもポルトガルの黒の固有品種で、主にアレンテージョ地方、加えてドウロ地方で栽培されていますが、全国的にも造られています。アレンテージョ地方を中心に『トリンカデイラ』と呼ばれていますが、ドウロ地方では、『ティンタ・アマレラ』と呼ばれています。

病害に弱いこともあり、気温が高く乾燥した土地が栽培に向きます。樹勢をコントロールさせるとヴェジタルな香りを避けることができます。完熟するのが難しい品種ですが、完熟すると質の高いワインを生み出します。

造られるワインに多いのは、ラズベリーやスパイス、ハーブの香りに加え、さわやかな酸を持ったスタイルです。

黒ブドウ品種 その⑤ カステラォン Castelao

『カステラォン』もポルトガルの固有品種のひとつで、南部で主に栽培されています。温暖で、砂質土壌の栽培地に向きます。南部の中でも、ペニンシュラ・デ・セトゥーバルのパルメラ、テージョ、リスボンを中心に栽培されている品種です。

ラズベリーなどの赤果実やシガーなどのデリケートな香り、タンニン、骨格のしっかりとした繊細なワインが造られやすい品種です。


黒ブドウ品種 その⑥ バガ Baga

『バガ』もポルトガルの固有品種で、主にバイラーダ地方にて栽培されていますが、他にはダンを含むベイラス地方などでも栽培されています。スパークリングワインのベースにも使われます。

果実の粒は小さめで、皮が厚く、晩熟タイプです。粘土質土壌と相性が良く、十分な日照量が必要です。

若いうちはチェリーやスモモの風味を持ち濃密で収斂性が強いワインが多いのですが、熟成により柔らかさが増し、香りもハーブ、タバコの葉、モルトといった複雑味を増し、真価を発揮します。

白ブドウ品種 その① フェルナォン・ピレス Fernao Pires

ポルトガルの固有品種であり、ポルトガルで最も栽培面積が多い白ブドウ品種が『フェルナォン・ピレス』です。『マリア・ゴメス(Maria Gomes)』とも呼ばれています。ポルトガル全体で造られていますが、特に、ペニンシュラ・デ・セトゥーバル地方、テージョ地方、リスボン地方、バイラーダ地方を含む西海岸沿いで多く栽培されています。

マスカットを想わせる豊かな香りがあり、軽やかでフルーティーな白ワインが造られます。早く収穫したブドウからはフレッシュな白ワインやスパークリングワインが造られ、遅く収穫されたブドウからは甘口のワインが造られるなど、造られるワインのスタイルは多様です。

ポルトガル以外では、南アフリカ、オーストラリアで少し栽培されています。霜に弱く、温暖な気候、肥沃な土壌に適しており、収量は高めです。


【 可愛かったので、ポルトガルのワイナリーのロバくんの写真 】

白ブドウ品種 その② ロウレイロ Loureiro

次いで多く造られているのが、ポルトガルの北部が原産と言われている白ブドウ品種、『ロウレイロ』です。主に、ポルトガルを代表する白ワイン、『ヴィーニョ・ヴェルデ』に使われています。

名前がポルトガル語で「月桂樹」という意味である通り、月桂樹の花やオレンジの花の香りに似ていると言われています。リンゴや桃といった果実を想わせるような豊かな香りのワインが造られる事が多いです。爽やかでバランスのとれた酸も特徴的。さらりとしたタイプ、スパークリングワインにも使われます。

アルバリーニョとブレンドされる事が多い品種ですが、近年は単一で造られる事も多くなっています。

白ブドウ品種 その③ アリント Arinto

次いで多く栽培されているのが『アリント』。ポルトガルの固有品種で、主な産地は、リスボンと、ヴィーニョ・ヴェルデです。ヴィーニョ・ヴェルデの産地では、『ペデルナァ(Pederna)』とも呼ばれます。

非常にはっきりとした酸味が特徴的で、リンゴやレモンの風味を主体としたエレガントでミネラル豊かな味わいを持つスタイルのワインが多く造られます。若くからも楽しめますが、熟成して複雑味を帯びたスタイルも良いです。

晩熟型で、暑い産地でも清涼感が保たれる為、酸の低い品種とブレンドし、バランスを補うのに用いられることがあります。スパークリングワインも造られています。

白ブドウ品種 その④ アルバリーニョ Alvarinho

評価の高まりが顕著な、『アルバリーニョ』。スペインのガリシアが原産と言われている白ブドウ品種です。主にヴィーニョ・ヴェルデに使われています。また、すぐ北部のスペインのリアス・バイシャスでも多く造られています。ポルトガルのワインにしては珍しく単一品種で使われる事が多い品種です。

桃やグレープフルーツを想わせる香りが華やかに広がり、果実が強く、酸は強めなタイプのワインが多く造られます。

近年アルバリーニョの人気は高く、ポルトガルでは北部だけでなく、南部でも栽培地が広がっており、その他ではアメリカでも栽培されています。

おわり

以上、紹介してみましたが、如何でしたか?沢山ブドウ品種を紹介しちゃいましたね。その中でも名前的には『バガ』とかは、印象に残りやすいですね。是非とも、『ポルトガルは、土地の固有品種が多い』、『ブレンドしたタイプが多い』、という2点は覚えてみてください。

ちなみに、『カステラォン』とか、大体、その発音の仕方が分からない、って思われた方も多いかも(笑)。 最近は、発音が確認できるサイトや、スマートフォンにも通訳の機能が入っていたりしますから、気になる方は一度聞いてみてください。






ちなみに、最初の質問の『木』は、ワインにも使われているコルクが採れる『 コルク樫 』の木です。

スクリューキャップや合成コルクなど、ワインの栓も多様化していますが、それでもコルクの比率がまだまだ高いですね。コルクは木の皮を剥いで加工しますが、皮は10年程で再生して、次の収穫が出来るそうです。