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テーマ別ワイン用語まとめ

ラングドック・ルーションを代表するワイン

ラングドック・ルーション地方はフランスの南部、地中海に面した所に位置しています。地中海というイメージ通り日照たっぷりの恩恵を生かしたワインが多く造られています。今回は、その中で代表するワインをまとめてみたいと思います。

ラングドック・ルーションとは

フランスの南部、地中海に面したラングドック・ルーション地方では恵まれた環境のもと、比較的カジュアルでお値打ちなワインが多く造られています。

栽培面積が広く、生産量は1100万hl位と大変多いのですが、どれ位多いのかというのは、チリの国全体での生産量が1300万hl、ドイツが1000万hl程である、というのを挙げると分かりやすいかと思います。

この地は、元々『ラングドック地方』と『ルーション地方』に分かれていました。地理的、歴史的背景から、ラングドック地方は南ローヌとワインの性質が似ており、ルーション地方は17世紀後半までカタルーニャ君主国の領地であった為、スペインのカタルーニャ地方と性質が似ています。


その地方の代表となるワインを紹介する際は、有名な産地ごと、A.O.P.の名ごとに紹介するのですが、ここではA.O.P.の名前のもとで販売されるワインは全体の1割強と少ない為、もう少し全体的な傾向も紹介する必要があります。

例えて言うと、魚沼で造られた日本酒が魚沼と名乗るにはコシヒカリを使わないといけないとか縛りが多く、より自由に醸造したいから、中越産と名乗ったり新潟産と名乗ったりしているものが多い、そんな感じです。


【ラングドックの中心となる街、モンペリエ】

品種を表に出したモダンなプレゼンのワイン


ラングドック・ルーションで多く造られているのがこのタイプです。

ラングドック・ルーション地方はフランスの中のニューワールド的なカラーのある産地です。つまり、チリやオーストラリアなどのニューワールドと呼ばれる国のよう、国際的に人気のある品種を単一で使ったコンセプトの分かりやすいワインが多く販売されており、この辺りがラングドック・ルーションの主軸のひとつとなっています。

造り手の理想とする味わいを表現したようなブランド名が付けられ、品種はカベルネ・ソーヴィニヨンや、ピノ・ノワール、シャルドネといった国際品種が単一、もしくは2品種程のブレンドで造られています。品種の名前が大きく出ているので味わいが想像しやすい、というメリットがあります。


【ラベルに書かれているのは最小限で分かりやすい事が多い】

また、近年では、シャルドネなどの人気の国際品種に加えて、カリニャン、グルナッシュなど、改めてポテンシャルが見直されてきている地の固有品種を表に出したものも多く造られています。

味わいとしては、産地的に日照などの天候に恵まれた所が多いので、果実味が表に出ていてボリュームのある、親しみやすいものが多いです。

原産地表記的には、『ペイ・ドック Pay d’Oc』 、 『 ラングドック A.O.P.Languedoc』、『 コート・デュ・ルーション A.O.P. Cotes du Roussillon』、『 I.G.P.〇〇』などと記載されている事が多いです。

しかしながら、細かい産地の区分は余り焦点とならないので、日本のワイン販売のサイトを見ても、単に『ラングドック・ルーション産』という大きな区分だけが書かれている事も多いです。(←大まかな記載を非難しているのでは無い。)

自然派のワイン

自然派のワインも、ラングドック・ルーションのもう一つの軸です。

穏やかな地中海性気候で、天候に恵まれ湿度も低い地域が多い為、病疫の心配が少なく、ビオディナミやオーガニックなどでのブドウ栽培が比較的容易な産地です。フランス全体のビオディナミやオーガニックのワインの1/3程がここ、ラングドック・ルーションで造られている、と言われています。


甘口のワイン

甘口のワインもこの地方を代表するワインです。甘口にも色々種類がありますが、この地方では、天然の甘口であるヴァン・ドゥー・ナチュレル(V.D.N.)と、酒精強化タイプのヴァン・ド・リキュール(V.D.L.)という種類の甘口が造られています。

ラングドック地方では、ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランという種類の、粒の小さなマスカットを使って造られた、『ミュスカ・ド・フロンティニャン』『ミュスカ・ド・リュネル』などがあります。

ルーション地方では、『モーリー』、『バニュルス』、『リヴザルト』などの甘口ワイン。こちらは、グルナッシュが中心の品種で、赤、ロゼ、白、それぞれの甘口タイプが造られています。

近年は、食のライト化の影響もあり、甘口ワインは世界的に減少傾向にあり、ラングドック・ルーションでも生産量は減ってきているようです。

スパークリングワイン

『クレマン・ド・リムー』、『リムー・ブランケット・ド・リムー』という瓶内二次醗酵で造られたスパークリングワインこの地方を代表するワインです。

どちらも、ラングドックの南の村で造られていますが、『クレマン・ド・リムー』がシャルドネが主体に使われるのに対し、『ブランケット・ド・リムー』はモーザックという固有品種が主体です。


【リムーは比較的冷涼な地が広がる】

A.O.P.のワイン

生産量全体の1割ほどと少ないA.O.P.ワインですが、代表するワインとしては下記のものがあります。

どのワインも、赤はグルナッシュ、ムールヴェードル、カリニャン、白はグルナッシュ・ブラン、ブールブラン、マカブーなどの温暖な地方に適した固有品種が複数ブレンドして造られています。

【ラングドック地方】
フォジェール
サン・シニアン
コルビエール
ミネルヴォワ

【ルーション地方】
コリウール
モーリー


まとめ

以上、ラングドック・ルーションの代表的なワインをまとめてみました。何よりコストパフォーマンスが高いのがここの特徴です。枠にとらわれずのびのびとワインが造られているイメージです。

また現在の流れとして、ラングドックでは上級のA.O.P.が制定されたり、甘口ワインから辛口ワインにシフトしてきているルーションでの新しいA.O.P.が検討されたりなど、A.O.P.が整備されてきています。そういった動きにも注目ですね。