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テーマ別ワイン用語まとめ

ジュラの産地を整理する

フランスのジュラ地方というと、「あのジュラ紀のジュラ?」という反応をする方もおられるかもしれません。そうです、そのジュラ紀にまつわる産地なのです。今回は、そんなジュラの産地をまとめてみたいと思います。

ジュラ地方とは

ジュラ地方というのは、フランスの東部に位置し、ジュラ山脈の西に位置するワイン産地。すぐ東はスイスです。


地質年代の呼称のひとつであり、恐竜も繁栄した『ジュラ紀』は、この地方に分布する地質にちなんでいます。
また、ジュラのアルボワの町は、細菌学の父といわれるルイ・パストゥールの生まれ育った地です。

フランスで最小のワイン産地なのですが、『ヴァン・ジョーヌ』、『ヴァン・ド・パイユ』など、個性的なワインが造られることで有名です。白ワインの生産量が、全体の7割前後と高めなのも特徴です。

気候は半大陸性気候で、年間降雨量は約1,150mmと、フランスの中では雨量の多い方ですが、ビオロジック栽培の生産者は比較的多い産地です。(※雨が少ない方が、ビオロジックは行いやすいのです。)土壌は多様ですが、灰色泥灰岩が半分以上を占めています。

Cotes d Jura コート・デュ・ジュラ

ジュラ地方の広い範囲をカバーしている産地です。白ワイン、ロゼワイン、赤ワインに加え、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユなども造られます。北はシャンパーニュ・シュール・ルーから南はシャゼルまで、ジュラ県の105カ村を大きく含む産地である為、多様なテロワールを有しています。


【斜線の地域も含んだきみどり色のエリアです】

白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユは、この産地名、『コート・デ・ジュラ』で販売されます。それに対し、しかるべき規定を守って造られたスパークリングワインは、『クレマン・デュ・ジュラ』という名前で、ヴァン・ド・リキュールは、『マクヴァン・デュ・ジュラ』という名前、マールは『マール・デュ・ジュラ』という名前で販売されます。

Arbois アルボワ

ジュラ地方の中心の街である、アルボワを中心とする地区で造られる産地です。主な生産は赤ワインで、生産量の70%を占めています。その中でも、ピュピヤン(Pupillin)村で収穫、醸造されたものは『アルボワ・ピュピヤン(Aobois Pupillin)』を名乗ることが出来ます。『ヴァン・ジョーヌ』、『ヴァン・ド・パイユ』という通常のワインとは違う個性的なワインも造られています。


【アルボワの町の周りに広がる濃いみどり色のエリア】

ここでは、赤・ロゼワインを造る際に白ブドウ品種が、白ワインを造る際に黒ブドウ品種が補助品種としてブレンドする事が出来ます。補助として少し使うのが認められており、全体の20%まで、という制限が定められています。

Chateau-Chalon シャトー・シャロン

ジュラ地方の中部にある4つの村、シャトー・シャロン、ドンブラン、ムネトリュ・ル・ヴィニョーブル、ヌヴィ・シュール・セイユを含んだ産地です。『ヴァン・ジョーヌ』のみ、この名前を名乗る事が出来ます。一般的なヴァン・ジョーヌよりも、繊細で上品なものが多い、とされています。

標高250~400mに位置する南向きまたは南西向き斜面に限られ、土壌はリアスの灰色泥灰岩です。


【ちょうど真ん中辺りの青色のエリア】

使われるブドウは、サヴァニャンのみ。収穫時のブドウの糖度は、A.O.C.アルボワなどが最低161g/Lなのに対し、A.O.C. シャトー・シャロンは204g/L以上が必要、という規定があります。

ちなみに、この産地で造られたヴァン・ジョーヌ以外の赤ワインや、白ワインなどは、この地方を含んだ大きな産地である、『コート・デュ・ジュラ』の名前のもと、販売されます。

L’Etoile レトワール

ジュラ地方の中部辺り、シャトー・シャロンの南西に位置する産地です。レトワール、プレノワゾー、カンティニー、サン・ディディエの4つの村を含んでいます。この地名で販売されるのは白ワイン、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユです。赤ワインなど他の種類のワインは、『コート・デュ・ジュラ』の名前で販売されます。


【黄色に塗ったエリア】

レトワールは、フランス語で、『星』という意味なのですが、レトワール村を放射状に取り囲む5つの丘が星のように見える事に加え、土壌に星の形をした化石が見られる事に由来しているそうです。なんだかキラキラした地名ですね。

畑は標高320~420mに位置し、土壌は三畳紀またはジュラ紀の泥灰岩質土壌です。ブドウ品種は、シャルドネとサヴァニャンを80%以上使用する事が必要で、補助として黒ブドウ品種のプールサールが使えます。主となる品種は全体の50%以上でなければいけません。ヴァン・ジョーヌを作る際はサヴァニャンのみ使用可能です。

「使えるブドウ品種に色々ややこしい規定があるもんだなあ」、と思ってしまうのですが、こういった規定を守る事で、このレトワールのあるべき姿の味わい・香りのワインのスタイルが維持される、そして、産地名へのイメージが保たれる、という事ですよね。

最後に

とってもざっくりとまとめると、ほぼ全域で色んなワインが造る事が可能な『コート・デュ・ジュラ』、それに加えてピンポイントの3つの産地として、赤が有名な『アルボワ』、黄(ヴァン・ジョーヌ)に特化した、『シャトー・シャロン』、白が有名な『レトワール』がありましたね。

フランスで最小の生産地であるジュラは、もともと生産量も多くなく、日本にも余り多くは輸入されていませんが、機会があれば、是非お試しください。